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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

二年ぶりの再会 (平戸・染付雲竜文船形花器) 

早いもので、7月ももう半ばを過ぎました。

2年前の今頃は東海岸から中西部に引っ越して、不貞腐れていましたっけ。
骨董のコレクションの殆どはダンボールに入ったままで、
一体次回この箱を開けるのはいつだろうか?などと思ったものでした。

あれから2年。今月始めにやっと南カリフォルニアに住み着くべく
ダンナ様様(←二つつけちゃる!)が家を購入。ヾ(o´∀`o)ノ

東海岸とカリフォルニアでは地価が三倍くらい跳ね上がりますが
一回カリフォルニアに住むと、他の土地に住むなんてもう無理!
・・・・と太っ腹のダンナはカリフォルニア定住を決意。

ヾ(・∀・)ノ ヤッタネ!

というわけで、この夏は里帰りもせず引越しの準備に勤しんでおりました。
引越しした後は、さっそくダンボール箱を開ける、開ける。
二年ぶりの再会に心躍ります。

「お~!元気だった~?」と思わず声をかけたのはこちら。

染付雲竜文船形花器です。

dragon boat 1

正面見込みだけでなく、両側面にも雲竜文が描かれています。

dragon boat 2

まずは秀逸な絵付けをご覧あれ~!
dragon boat 3

近影。
dragon boat 4

さらにズームイン!
dragon boat 7

素晴らしい絵付けです。
雲竜文はいろいろみましたが、この絵付けはかなり
上手ではないかと思います。

数年前、有田や旧鍋島藩窯の大河内山で亀山風丁子風炉についての
ヒアリングをしました。その時、色鍋島で有名な某窯のご主人と
話をしたのですが、その方はこの雲竜の絵付けをみて
「ほぉ!これは素晴らしい絵付けですね。こんな絵付けは今では
もうできないですよ。素晴らしい平戸焼ですね。大切にしてください。」
とおっしゃいました。

実はこの花器(生け花用だと思います)、最初から平戸焼という
触れ込みでした。平戸かどうか確信がもてなかったのですが、
絵付けが気に入ったので、結局高かったにもかかわらず購入。
でも当初から、「平戸か??」と疑っていました。

正直のところ、「有田じゃないの?」と思っていたので、
その旨を鍋島窯のご主人に訊ねると、
「いや~、有田にしては上品すぎるでしょう・・・
これだけの絵付けは御用窯の平戸か鍋島くらいにしかできないでしょう。
でも、鍋島じゃないもんねぇ・・・・染付の上手は平戸だと思いますよ」
とのこと。

dragon boat 8

うう~む。
18世紀後半には、有田はこの手の舟形皿を造っておりました。
柴田コレクションにも舟形のものは古いのから18世紀後半のものまであります。
たしかに有田と比べると、絵付けが上手すぎる気もします。

その足で、今度は九陶に駆け込みヒアリング。
たまたまその日館内にいらっしゃった学芸員さんをつかまえて聞いてみると
「実物をみていないので、はっきりとは言えない」と前置きしつつ・・・
「平戸でしょうかねぇ?」ということでした。
突撃聞き込みにも嫌な顔をせず、しかも九陶の透明ファイル(愛用中)まで
頂き、さらに「柴田コレクションにも船形皿がありますので、ご覧になっていかれては」と
教えていただきました。

dragon boat 9

その後、骨董屋さん、有田の有名なギャラリーのご主人
学芸員さんなどに聞きましたが、皆「平戸なんでないの?」とおっしゃいますので
若干疑問は残りますが、「平戸焼」ということにしておきましょう。

若干の疑問点はまず
呉須の発色、雲竜以外の絵付け、そして平戸らしからぬひねりのない造形です。
特に造形に関しては、「??」なんですよね。

私はこれ以外に明治時代の平戸焼の船形花器を持っています。
実は平戸焼の船形器というのは意外と海外では珍しくなく
通常、花器か屋形船(屋根を取り外せる)の香炉が一般的です。

でも、これだと造形よりも絵付けにこだわった、という感じなんですよねぇ。
18世紀後半のものであれば輸出用ではないのですが、
そうすると、御用窯の平戸焼の持つ上品な白磁でもなければ薄めの呉須を使ったわけでもないし・・・

dragon boat 12

疑問は残るところですが、まぁ学芸員さんたちが「平戸」というので
「平戸焼」ということにしておきましょう。
そのうち、長崎の平戸焼スペシャリストの先生にでもお話を伺ってみたいと思います。

dragon boat 11

まぁ、平戸であれ有田であれ、船形器の中でも上手には間違いないと思います。

dragon boat 13

側面。
龍の爪は4本。
皇帝の龍ではありません。
ちゃんと中国に敬意を払っております。

dragon boat 14

四爪の龍というと、思い出すことがあります。

東海岸にいた頃、随分と美術館に通いました。
名門美術館は東アジア美術となると、たいてい
中国美術と日本美術にかなりのスペースを使います。
中国と日本美術の大きなスペースの間にある
廊下のようなところに通常韓国・朝鮮美術品があるのですが
とある美術館で李氏朝鮮の宮廷で使われたという大きな染付花入れなどを
見たことがあります。
説明によると、「特別な祭事などの折に使われた」ということでした。
染付雲竜文だったのですが、正直「なんだかなぁ・・・・」と思ってしまいました。

その造形はかなり稚拙で、全体的に歪んでいますし、
染めつけの呉須の発色のお粗末なこと。
同時代に日本や中国で作られたものとは雲泥の差でした。

そして極めつけは龍の絵付け。
当然李氏朝鮮は明や清帝国を宗主国と仰ぎますので
龍の爪は4本。この龍の絵付けの下手なこと。
開いた口がふさがらない、というのはあの時の
私のマヌケ顔のことでしょう( ̄^ ̄)ゞ

中華帝国が偉大すぎて、己が文化に磨きをかけなかったことが
ありありです。

なるほど、400年前に日本に磁器の技術をもたらしたのが
朝鮮人陶工だったことはまぎれもない事実ですが
その伝わった技術をわずか数十年で本家中国にひけをとらぬ
磁器に育てたのは、やはり日本人陶工達の努力だったと思います。

この雲竜文を見るとき、ついあの時の李氏朝鮮の宮廷に
飾られていた花器を思い出します。

dragon boat 15

さて今年は、日本磁器誕生400年記念の年です。
朝鮮人陶工がもたらし、日本人陶工が中国磁器に追いつき
追い越すべくその技術に磨きをかけ完成させた華麗なる
肥前磁器の歴史と伝統について、古伊万里・平戸ファンの皆様、
今一度思いを馳せてはいかがでしょう・・・?


(おまけ)

こちらも久しぶりの再会。
数年前、湯布院の某行き着け骨董屋さんで
購入したステンドグラス。
長崎諫早市近郊にお住まいの方の作品で
Ken's International というスタジオの作品です。

A1.jpg

ダンナが見つけて、早速購入。8000円くらいだったのを
割り引いてもらいました。

それからしばらくして、グラバー園界隈を、角煮まんをほお張りながら
ぶらついておりますと、グラバー園に続く坂道のガラス細工専門店に
なんとこの作家の作品が!

「おお~、こんな小さいのに結構高いね。あれは
お得だったんだなぁ・・・」とニンマリするダンナ。

さらにその後、またまた大村空港内を
角煮まんをほおばりながらブラブラしていると
空港内の売店にも、この作家の作品が。

・・・そして、またもやニンマリするダンナ・・・

A2.jpg

モチーフは、長崎の隠れキリシタンの受難だと
思われます。

聖書の中でも最も有名な一節のひとつである
「一粒の麦は地に落ちて死ななければ一粒のままである
しかし死ねば多くの実を結ぶ」を表しているのではないかと
思います。

A3.jpg

そんなことには興味なしのダンナ。
アメリカの狂信的キリスト教に辟易しておりますが
長崎のキリシタンの物語には大いに理解を示す人でもあります。

ありがたや・・・(。>ω<。)ノ

これを見ながら、長崎に思いを馳せるのでありました。

次回は幕末の有田の名品を紹介します。

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Category: 平戸焼

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Comments

大好き。

龍は、大好きです。カッコいいですね。
舟形は花兎さんから、ヤフオクに出品中です。

デザインは、麒麟文も好きです。
どうしても源六製、麒麟文と角福(富衛門)の麒麟文比べたくて、持ってます。富善製、麒麟文は、一足違いで手に入りませんでした。
ネットで調べると、富衛門を明治に指導したのは、源六や、柿右衛門、辻常陸など書いてありました。デザイナーズの角福ブランドを上手く作りあげましたね。源六製の金彩は、富衛門だと、有田の骨董店で聞きました。

富善製の富永善九郎は、源六さんの弟で、登窯や工房は同じです。先日、半年探した、富善製を見つけ、京丹後から購入しました。ラッキーな事に、釉下彩瓜唐草文 金彩仕上 七寸皿5枚でした。白磁は、濁手のようで優しい白です。yahoo!から、富善製 画像を検索するか、レトロ屋うめばち で検索するとみれます。ヤッパリ釉下彩が好きなんです。

ところで旦那さん #tbP3RbY6 | URL | 2017/01/31 03:12 [edit]

そうなんですよ。結構良い絵付けなんですが
平戸と言われると、ファンとしては釈然としないものがあります。やっぱり有田じゃないんでしょうかねぇ?

富善も良いですね~。源六っぽくもありますが
(弟さんなんですね!)
ご指摘の通り、富善は現在の香蘭社のものを
思わせますね。でもオリジナルは良くても昨今の香蘭社の製品には魅力がないように思います。(笑)

Michnoski #- | URL | 2017/01/31 21:15 [edit]

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