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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

龍に思う ~染付 団龍(雨龍)波文皿~ 

骨董を集め始めて、早5、6年くらいでしょうか。

最初は、明治の深川製磁や香蘭社を手に入れては
喜んでいたものでしたが、時間が経つにつれて
収集するカテゴリーが広がったように思います。

特に好きなものは、古平戸や亀山関連ですが、
1670年ごろから輸出された古伊万里も
見つけると気分が上がります。

今日は、所謂輸出・出島古伊万里ではなく、柿右衛門様式のものをひとつ。
染付の団龍波文皿。

持っているものの中でも古い物だと思います。

empo 1

1660-1670年のもので、延宝よりもやや早い時期に
造られたものです。
古伊万里の歴史でも華々しい延宝様式の先駆けとでもいえば
よいでしょうか。

empo 2

墨はじきの波文に、見込みは円状に描かれた龍(団龍)です。

empo 3

ヤモリか?

この龍、ユーモラスですね。
実はこれを「龍」と呼んで良いものか、どうか。

この変なトカゲのような、ヤモリのような龍、
雨龍、あるいは璃龍(螭龍)と呼ばれます。

ひとくちに「龍」といっても、龍には五段階あるのだそうで
上から順に、「龍」「蛟(みずち)」「應」「蚪」「璃」と分類され、
雨龍というのは、この中でも最下位の「璃」にあたります。
早い話、幼龍のことです。
ご覧のとおり、雨龍には角がありません。

empo 4

龍も、生まれた時から龍なのではなく、
長い年月、いろんな経験を経て本物の龍になるわけですね。

龍文というのが通常、成長した龍か、あるいは雨龍であることを
考えると、象徴記号として、通常の龍は大成の、
そして雨龍は成長過程の意味を示唆しているのだと思われます。

延宝様式の輪花皿、縁には錆釉。
ところどころはげていますが、なめらかな手触りです。

empo 5

もう一つ、この皿の特筆すべき点は、その白磁の白さ。
他の時代のものと比べると、白磁の白さが抜きん出ています。

empo 6

裏。
柿右衛門様式の裏銘は、渦福などが有名ですが、
これは角福。角福でも、この銘は1660-1670年ごろに造られたものです。
この時代のあと、渦福などが出てきて、銘も多様化するようです。

empo 7

この後造られる完成度の高い作品の到来を予感させる
美しさ。

古伊万里の発達段階として捉えても、図柄としての龍になる過程にある
この皿の雨龍文は象徴的だと思います。

empo 8

さて、この皿やその後の比較的古い1670年頃の皿に共通した特徴とは
なんでしょう。

実は、色絵花盆皿
魚形皿、そして
窓絵唐花牡丹文皿などの造形で共通することで、
皿の裏の高台の内側の部分の切込みが鋭いことに気がつきました。

写真で見て、わかるかどうか・・・

柴田コレクションの本などで見ても、この特徴を知った上で写真をみると
これらの時代に造られたものの多くには同じ共通点があります。
高台が高い、というよりも、高台を内側から見たときに
切り込んだようになっているため
触った感触が、高台が高いように感じるわけです。

empo 9

2枚目。
ペアで購入したもう一枚のほう。
こちらはニュウもなく、わりと綺麗な状態です。

empo 10

縁はあちこち欠けていますが・・・・ 

empo 11

やっぱり角がありません。

empo 12

empo 13

empo 14

この雨龍、古伊万里の図柄では時々見かけますが
最初にこの皿を見たときに思い出したので
宮川香山の輸出水注でした。

kozan.jpg

取っ手の部分が雨龍になっていますね。
この水注、正式な名前にも「螭龍」とついておりまして
清朝時代の唐物に影響を受けているのだそうです。

さて、登竜門という言葉がありますが、これは鯉が滝登りをすると
龍になるという、いかにも立身出世を喜ぶ中国の文化を反映した
ことわざですね。

魚である鯉が滝登りをすることで、魚から虫へんのつく両生類、「螭」となり
何千年もの時を経て霊獣の龍となるのは、人間の想像を交えた進化論の
ようで、なぜかナットクしてしまいました。

ちなみに中国では、辰年に男児が生まれると一族は大喜びなのだそうです。
それもそのはず、中国という国は、平民でも皇帝になれるというお国柄。
でも、辰年生まれだと将来皇帝になれる可能性が大きいと思えるのだそうです。

わが夫も、「俺はイヤーオブザドラゴンの生まれだ!」と威張っておりますが
私からみるとまだまだ雨龍のちっちゃいやつですねぇ・・・・

しっかりと精進して、そのうちりっぱな黄龍になってほしいものですが・・

ね・・・・・ヽ( ´_`)丿

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Category: 古伊万里

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