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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

幕末のコーヒータイム ~蔵春亭 西畝~ 

明けましておめでとうございます。
といっても、もう一月も半ばを過ぎました。

気がつけば、前回のエントリーから3ヶ月以上も経っていました。
定期的にブログを覗いてくださる方には、大変失礼致しました。

それにしても、昨年の忙しさときたら!
目の回るような忙しさ、というのはああいうことをいうのかも・・・
まぁ・・・言い訳に過ぎないと言われれば、その通りなんですけどね。

忙しい秋学期が終わったら、スタコラサッサと日本に里帰りしていました。

やっぱり日本の冬は最高ですね。
角煮まんじゅうをほお張りながら、グラバー園を観光客に紛れて
散策したり、嬉野や湯布院の温泉宿にいったり、ハウステンボスで
ワンピースクルージングしたり、そしてもちろん有田にも行きました。
源右門窯や香蘭社の古陶磁器アーカイブを見ると
コレクターの血が滾ったりして・・・・さ、今年も頑張っていろいろと集めるぞ!と
妙な新年の誓いを立てた次第です。

さて、2015年最初のエントリーは、昨年末に手に入れた幕末の貿易商
久富家の蔵春亭の西洋食器セット(?)です。

コーヒーポット、コーヒーカップとソーサー(5客)、ミルクピッチャーとそしてテューリーン。

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カテゴリー化するには、なんだか変な集まりなんですよね。
最後に、スープをいれるテューリーンが入っているのが気になります。
もしかして、これはシュガーポット(大き目の)として使われてたのでしょうか?

まずは、コーヒーポット。

saiho 2

コーヒーポットは、明治時代の輸出伊万里に多いですね。
深川製磁社製のものには、素敵なデザインがいくつもあります。

でも、幕末にこのようなコーヒーポットが輸出されていたのは驚きでした。
普通はティーポットかな、と思うのですが、いろいろ調べたら
コーヒーは出島のオランダ人が好んで飲んだそうで、長崎では丸山などで
すでに人気があったのだそうです。

そうはいっても、幕末の日本人がコーヒーポットの輸出を思いつく、というのも
なかなか普通ではありませんよね。

このあたりは、有田出身ながら長崎に住み、出島の事情にくわしかった久富氏ならでは
だったのかもしれません。

saiho 3

近影。
サムライとゲイシャ。
当時のヨーロッパを魅了したジャポニズムが色濃く表れています。

saiho 4

でも、鎌倉時代風のサムライと江戸時代のゲイシャの組み合わせって

???

ではないですか?

ま、輸出用だからいいのかな。
日本人がみたら変な気もしますけど。

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裏はこんな感じです。

武士が二人。

モチーフはともかく、図柄はなかなか緻密に描かれています。

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那須与一、とか源平の頃の武士の装束にも見えますが・・・

saiho 7

サムライとサクラ・・・・

なんて外国向けの図柄なんでしょう・・・

saiho 8

蓋には鳳凰が・・・

美しいですね。

オリエンタリズムも極まれり。
これでもか!な東洋趣味です。

saiho 9

これに、コーヒーカップとソーサーがつきますが、
並べてみると、このコーヒーポットの大きさがわかると思います。

でかい!

コーヒー10杯分くらい入りそうです。
五客カップがあるので、一人2杯分の計算だな・・・とか
いらぬことを想像したりして。

saiho 10

裏には、蔵春亭 西畝(せいほ)。

ちなみに蔵春亭は、鍋島藩主・鍋島閑叟から久富家に授かった屋号だそうです。
西畝は、久富与平の号。

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通常、蔵春亭・三保というのが有名ですね。

でも、たまに西畝の銘が入っているのもあるのだそうです。
三保に比べると、数は少ないのだとか。

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コーヒーポットの蓋を取ると、このようになっています。
蓋はかなり分厚く造られ、明治時代の輸出品と比べると
洗練されているとは言いがたいです。

試行錯誤した結果なんでしょうね。

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蓋にも桜が描かれています。

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ポットを斜めから見てみます。
大きさがわかりますでしょうか?

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後ろから見てみます。
取っ手にも模様が描かれています。
凝っています。

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お次は、テューリーン。

これはすべてセットで売られていたと思うので、食器に描かれたモチーフは
サムライで統一されています。

でもご覧の通り、コーヒーポットだけは図柄が他よりも凝っていますし
きれいなんですよね。

saiho 17

写真がゆがんで見えますが、皆さんの目が悪いわけではありません。
幕末の輸出テュリーンには、こういう造形の優れないものがよくあります。
元の型が悪いのかな、と思いましたが、ましな場合もありますので、まぁ、
一概に輸出テュリーンが歪んでいるとは言えませんけど。

saiho 18

さて、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この武士の図柄の食器は
幕末の輸出伊万里によく見られます。

海外のマーケットではおなじみのこの柄ですが、絵付けは長崎でつけられたものだと思います。
というのも、この手のテュリーンで国内市場向けのものは
柴田コレクションでもおなじみのように、絵付けがいわゆる幕末に流行った赤絵に金羊歯模様に
なるわけです。

逆に輸出向けの場合、同じ絵付けのものが、いろんな元締めから輸出されています。
同じような絵付けで、蔵春亭の銘があるかと思えば、肥蝶山・深川製(栄左衛門)銘であったり
そして、なんと通常亀山製(!)で知られる銘がついたものまであるんですよ。

まぁ、このあたりの有田と亀山製の関連はまたそのうちに。
なにしろ写真で見てもらわないと、亀山ファンには信じられない話かもしれませんし。
Seeing is Believing.

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型押しの模様も、国内産のものと同じです。
絵付けが違うだけですね。

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ちなみに、テュリーンというのはスープ入れのこと。

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それにしても、この幕末名物のお侍さんですが、一体どこの武士なのでしょう?

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最後はミルクピッチャー。

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これが意外と凝ったつくりになっているんです。

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正面から見ると、本陣を構える武士の図。

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横からみると、その造形がなかなか凝っていることがお分かりになると思います。
たぶん西洋のものをそのままコピーしたのではないでしょうか。
これだけ、日本製らしくないんですよね。

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裏にもちゃんと銘が。

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模様も、これだけちゃんと立体的になっています。
美しいです。

saiho 30

最後に、これはアメリカ中西部の骨董ディラーから買い取りました。
〆て$300とかだったと思います。

値段は結構しましたが、全部て手描きだし歴史性もあるし
今時手描きでこの値段はないよね~!と苦しい言い訳をしながら
買った次第です。

saiho 31

ハウステンボスでお土産に買ってきた(←オイオイ)カステラを切って
今日の午後はコーヒーパーティでもしましょうかね。

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