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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

下衆なること ~古平戸 染付波千鳥文蓋物~ 

骨董収集を趣味とする者にとって、”やってみたいけれど、やると下衆なんだよねぇ~”と
つい思ってしまうことってなんでしょう?

それはズバリ、骨董・美術工芸関連の本や美術館にあるものと同じものを手に入れたとき、
ついつい知り合いなどに、”ホラ、これと同じだよ~”と自慢してしまうことではないでしょうか・・・・

下衆だなぁ、と思うけど、ついやっちゃうんですよねぇ~
これをやると、いつも、”あ~文化人とは到底言いがたい・・・”と思います・・・
さらりと骨董を食卓などに使って見せて、”それは何?”と聞かれたら、さらりと答える・・・
そんな風にできたらいいけど、そんなの無理!

さて、今日はわかっちゃいるけどやめられない・・・・
そんな自慢話(?)をおひとつ。

昨年とある骨董ディラーから購入した蓋物。
古平戸、という触れ込みでした。

hirado covered bowl 2

染付の蓋物。
波千鳥が描かれています。

(最初見たときは、てっきり山と鳥かと思いました。)

hirado covered bowl 3

呉須が濃いのが遠目にもわかります。
たぶん幕末頃の、財政の苦しい時期の粗悪なものを使用したのだと
思いますが・・・・

日本でこの蓋物の写真を見せたら、骨董屋さん、学芸員、陶磁器会社の社長さん
みんな口をそろえて、”あ、平戸ですね?”と言ったので、平戸なのでしょう・・・・

初めて見たときは、有田か鍋島系かと思いました。

通常古平戸の染付は、写実的な絵が多いのですが、これは千鳥にしろ波にしろ
非常にスタイライズされています。

サイズは、といいますと、結構大きいんですよ。
大きいうどん用どんぶりに大きい蓋をのせたようなかんじ?

魚拓ではありませんが、となりに愛用の湯飲み(小ぶりです。ちなみに上野焼)
を置いてみました。

hirado covered bowl 4

使用目的はよくわかりませんが、輸出用の、西洋のスープを入れるチュリーンのつもりかも
しれません。通常、チュリーンだと、これくらいの大きさですが、
横にスプーンを差し込む小さい穴がついています。

hirado covered bowl 6

まぁ、すっきりとしたデザインでノーブルな感じではあります。
品がありますね。

hirado covered bowl 7

裏には、雅という銘が・・・・
いろいろ調べましたが、平戸・三川内の窯でこのような銘をつかっているところは
見つかりませんでした。

平戸雅松ではないと思うのですが・・・・・

hirado covered bowl 8

さて、この古平戸の蓋物、なにが自慢かといいますと、なんと例の
日本陶磁器収集趣味の西洋人向けバイブル、
ナンシーシファー氏の、Japanese Porcelainsに載っています。

平戸焼のページに載っているので、やっぱり平戸なのかな・・・

hirado covered bowl 9

そんなもん、いちいち自慢するな!、と怒られそうですが、まぁそういわずに・・・・

この私の手元にある古平戸の蓋物、実はこの本に掲載されているものと同じ種類ではなく
掲載されているもの、そのものなんです。

hirado covered bowl 10

これなんですね~

hirado covered bowl 11

どうしてなのかわかりませんが、もともとはこれはHouse of Blackshipが
所有していたものだそうです。

いろいろと調べてみましたが、結局House of Blackshipについては
よくわかりませんでした。おそらくロードアイランドのニューポートあたりにあった、
日本製陶磁器の良品骨董を扱う店か、小さな美術館だったのでしょう。

ちなみにロードアイランドのニューポートはボストンから車で2時間もかからない
ニューイングランドのお金持ちが行く夏のリゾート地です。
大西洋を望む豪邸(マンション)の数々は圧巻ですが、実はここは、かの黒船のペリー提督の
出身地でもあります。House of Blackshipが幕末・明治期のアメリカ船が持ち帰った
数々の肥前陶磁器の名品を収めていた場所というのは容易に想像がつきます。

1980年代に大いにふるったイマリ・マーケットですが、
ここ20年ほどはまったく振るわないそうです。
チャイナの骨董に膨大な値がつくチャイナ・バブルとは全く対称的ですね。

ともかくアメリカの由緒あるイマリ骨董ディーラーが今日苦戦しているのは明らかですが、
おそらくHouse of Blackshipも倒産に追い込まれたのでしょう。
地元のディーラに流れてきた本品を私が運よく買い上げました。

この蓋物、微妙にヒビが入っていますが、同じものが本の写真からも見て取れます。

いったいどんな縁があって我が家にきたのでしょうね。
由緒あるHouse of Blackshipからこんな家に下るとは、まさか
この古平戸も想像していなかったでしょう・・・・

驚いていること間違いなし。

hirado covered bowl 1

まぁ、いいや。

大切にしますよ(笑)。


次回も古平戸です。
こちらは本当のミュージアムピースです(笑)。


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Category: 平戸焼

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Comments

はじめまして

素敵な平戸の蓋物ですね。
私はアンティークの香蘭社や深川製磁に興味があり、僅かばかりですがコレクションしています。
次回のブログのアップを楽しみにしていますので、これからも宜しくお願いいたします。

うたこ #- | URL | 2014/04/09 00:42 [edit]

うたこ様

初コメントありがとうございます。
当ブログへようこそ!

古い深川製磁や香蘭社のものは良いですよね~。
私も好きで集めていますが、最近は以前よりも人気が出たのか
良いものが手に入りづらくなりました。
明治期の香蘭社のノワールの花瓶やミルクピッチャーなど
これからちょっとずつ紹介したいと思います。
時々覗いてください。コメントも大歓迎ですv-14

Michnoski #- | URL | 2014/04/09 09:35 [edit]

うわっ!! Japanese Porcelainsのバイブルに載って居るその物ズバリを
所有してられるのですね!

蓋の形が可愛い。白い木の窓枠にすごくマッチしていますね。

私なら、ちょっと大きめのキャンディーポットとしてビスケットや
キャンディーを入れて使いたいですね。(ごめんなさい、気軽に使う
なんていう発想をして)

でも、何と言う奇遇でしょう。こんなに素敵な逸品を手に入れられるなんて。

私はいつも思うのですが、アンテークの品々にとっては、本当にその物を
理解し、愛着を持って所有して貰えるのが一番の幸せなのだと。(ちょっと
変な理屈ですが)^V^ そういう意味で、この器も幸せですね。

ココペリ77 #- | URL | 2014/04/17 08:37 [edit]

ココペリさん、

こんにちは!ご無沙汰しています。
ブログいつも楽しみに読んでいますv-14
(読み逃げばっかりでスミマセン・・・)

キャンディーを入れるのは良いアイデアですね!
私は実は骨董屋で蓋物を見ると買わずにはいられない、という
悪い癖がありまして・・・・
キャンディーやお菓子を入れている器が家中にゴロゴロと・・・・
この蓋物もなにか使い道を考えたいと思います。
使ってこそ価値がある器ですものね。

最近あちこちの骨董屋を周って気づいたのですが、ここ最近
結構良い日本製の磁器(骨董)が手を出せる値段で
出回っているようです。ディーラーはみんなチャイナがお金になるので
日本製を手放して、その代わりにチャイナを買い付けるのだそうです。
私のような貧乏コレクターにとってはチャンス到来(!)です。

こういう曰くつきの物が手に入ると嬉しさもひとしおです。
骨董の価値は、品物そのものの価値でなく
持ち主が抱く主観的な愛着や執着という付加価値なのだと思うので
ディーラーから見ると金にならない古平戸も、肥前磁器ファンの
私にとっては大変な価値がありますv-10

Michnoski #- | URL | 2014/04/17 18:23 [edit]

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