08 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

色絵 窓絵唐花牡丹文 皿(元禄伊万里)~骨董収集の楽しみとは~ 

皆さんは骨董収集にどんな楽しみを見出していますか?

印判の小皿や幕末の器を集めて日常の食卓を豊かにされている方もいれば、
図鑑・名鑑に載るような蕎麦猪口を集めている方もいらっしゃるでしょう。

邪道といわれるかもしれませんが、私にとって骨董収集の楽しみとは
ズバリ(?)ゲームの感覚だと思うのです。

骨董収集という趣味の世界に最初に誘ってくれたのは、コネチカットにある
某アイビーリーグの医学部のアメリカ人教授でした。
私達夫婦のよき友人でもあります。
(ゲイですが)カップル共に骨董集めを趣味とし、主にニューイングランド
コロニアル趣味の家具などを収集していました。

骨董趣味というと、お金持ちの道楽のように思う人もいるかもしれませんね。
でも、彼らは暇を見つけてはジャンクセールやヤードセールなどの中古品を適当に
売っている店に足しげく通い、そのゴミの中から骨董と呼べる名品を
文字通り”発掘”するわけです。
価値のあるものを自分達の眼で確かめて安い値段で購入するわけです。
そんな彼らの家の中はミュージアムピースで一杯です。

”どうやって、ゴミ同然の物と骨董と呼べるものと区別するんでしょうか?”と
当時の私は目を丸くして聞いたものでした。

師曰く(笑)、目を磨け、と。

要は、美術関係の本を読みまくり美術館へ行って良い物を見、
美術工芸品の歴史を知ることなり・・・
さすれば、自然と良いものとそうでないものとの区別ができるようになろうぞ・・・・・・

お告げのようなこの言葉、どんなもんでしょ?
当時は、ハァ?もうちょっと簡単に見分けるノウハウを教えてオクレ~と
思ったものでした。

あれから6年が経ちましたが、やはりあの師の言葉は正しかったと思うのです。
美術の本を読んだり、美術館に行き美術工芸品を見ることで、だんだん良いものに目が慣れ、
そうすると昔悦に入って買ったお茶碗などを見て、”なんじゃこら~!"などど思うわけですね。

さて、勉強するとテストをしたくなるのがベビーブーマーな私の悪い癖です。
勉強したら本当に身についたのか気になるし、身についたのならなんらかの報酬が欲しい・・・

というわけで、玉石混合、キケンがイッパイのイーベイで骨董ハンティングのゲームに興じるわけです。

このゲームの目的は、(1)価値のあるものを自分の眼で探すこと、
(2)価値のあるものを安い値段で購入すること、です。

さて、品物そのもの、あるいはその価値を知らないディーラーの出品するものを
見分けるのは一見簡単なようで案外難しいものです。
ディーラーの提供する情報を鵜呑みにせず、過去に勉強したデータを総動員して
”勝手にお宝鑑定”するわけですね~。

ゲームの魅力は、他の人が気づかないお宝を見極める。
そして市場に出回る値段より安く買う、これでしょう。
市場値段を大きく下回ったら私の勝ちです。フフフ。

Genroku imari plate 1

先々週購入したのは、こちら元禄伊万里の色絵窓絵唐花牡丹文の皿です。

Genroku imari plate 2

元禄期の古伊万里はその最高峰と言われています。

元禄文化そのものが江戸時代を象徴する町人文化の最骨頂と思えば
元禄伊万里が古伊万里の歴史のクライマックスであるのは当然のことでしょう。

おもしろいな、と思うのは、普通時代が上がるにつれ物の質は上がると思うのですが
美術に関しては、テクノロジーと同じようにはいかない様で、美術史を彩る最骨頂と言われる
時代は必ずしも昨今ではありません。
柴コレの本などを見てもわかるとおり、元禄以降の古伊万里は残念ながらこの時代の物には
遠く及びません。

元禄以降で有田が再び精彩を放つのは明治時代に入ってからではないでしょうか。

Genroku imari plate 3

さてこのお皿ですが、1690年から1710年の間に造られたものだと思います。

まずは見込みの牡丹の繊細な絵付けが元禄伊万里独特のものですね。

この牡丹の葉の部分の呉須の色も決定的だと思います。
以前お見せした輸出元禄の芙蓉手と並べると、呉須の色が全く同じです。

ちなみにこの時代の呉須の藍色は他の時代の物とくらべると特徴があります。

Genroku imari plate 4

造形も見事ですが、特筆すべきはやはり絵付けです。
その細部に至るまで丁寧な仕事です。

洗練されている、という言葉では表現し切れていないように思います。

Genroku imari plate 5

さて、裏を見てみましょう。

元禄伊万里お約束の赤玉が・・・

この時代の赤玉文、さっと目を引きます。
うちのお宝ハンターが最初にこれをみて、”アッ!元禄じゃ!”と声を上げました。
(しまった・・・テストをした、とか言いながら、実は相棒にもカンニングの片棒を担がせていました。)

Genroku imari plate 7

裏銘は、太明萬歴年製、高台の内側も二重になっております。

Genroku imari plate 10

それにしても、この懲りよう。
サイドの絵付けも全く手を抜いていません。
どんだけ丁寧なんでしょう・・・

このあたりも、元禄伊万里が最高だという所以でしょうね・・・

Genroku imari plate 11

赤の色が白磁に映えています。

Genroku imari plate 12

一体どんな高貴な人、あるいはお金持ちが使ったのでしょうね。

Genroku imari plate 6

ちなみに、この皿の出所はイギリスです。

この手の良質のものが出てくる場所は大体限られています。
19世紀中ごろまでならイギリス、オランダ、19世紀後半はアメリカ。

ただし、古いものがアメリカのある特定の州からから出てくることがあります。

皆さんもご存知かもしれませんが、占領時の日本に駐在した将校の中には
文字通りトラックで骨董やにやってきては二束三文で骨董を買い漁った人も少なくなかったそうです。
そういった将校たちが退役して老後に住む州からは、これまた飛びっきりのお宝が出てくることが
少なくありません。

師が言ったとおり、目を磨くだけでなく歴史を知ることも骨董ハンターにとっては必須科目だったわけです。

Genroku imari plate 9

最後に、興味深い話をもう一つ。

このお皿、イーベイで二枚一万五千円弱で買いました。
面白いことに、この皿は古伊万里ではなく明時代のチャイナとして出品されていました。

中国の陶磁器の最高峰は明時代と清初期のものですが、興味深いのは
元禄伊万里がこの時代のチャイナと間違われていたことです。

裏に明と書いてあるので、単に出品者の知識不足だったのではないかという
指摘もあるかもしれませんね。
でもそれだけでは片付けられない類似点はあるように思います。

そもそも元禄文化は日本独自の美的感覚が花開いたものと思われていますが
伊万里は元々チャイナを目標として造られたものなので、日本独自の美を反映しているとは
いいながらも、時を同じくして文化のクライマックスを迎えた中国のものと潜在的に通じる何かが
あるのかもしれません。

Genroku imari plate 13

こういうサプライズが骨董ハンティングの魅力かもしれません。

さて、皆さんの真贋の鑑定はいかに?

そして、このお皿2枚1万五千円は高いでしょうか、安いでしょうか。
果たして私はゲームに勝ったのでしょうか?


Genroku imari plate 8


ブログ村に参加しています。
ポチッとしていただければ励みになります。

にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
Related Entries

Category: 古伊万里

tb 0 : cm 4   

Comments

Michnoskiさま、こんばんは。
銘:太明萬暦年製、赤玉文。
盛期伊万里の高級食器ですね、目跡等を見て本歌で間違いないと思います。
七(八)寸皿でしょうか、二枚で15000円ですか、日本ではまず買えません。
Michnoskiさまの勝ちゲームですね、おめでとうございます。
日常使いの食器としてはきれい過ぎて使いつらいですかね、やはり飾り皿でしょうか。
最近では古伊万里も値上がりしているようですよ。
たいへん、良い物だと思います。
       KAHOhIRA

kahohira #- | URL | 2013/11/25 01:45 [edit]

Kahohiraさま

こんにちは。
コメントありがとうございます。
そうですか、勝ちゲームでしたかv-14

それにしても、国内向けの元禄伊万里のレベルの高さと
言ったら・・・手にとってビックリの完成度の高さでした。
日常使いは・・・小市民の私にはとてもできませぬ。
とりあえず飾って眺めることにします・・・

次回は平戸焼を紹介したいと思います。
お楽しみに~

Michnoski #- | URL | 2013/11/25 10:13 [edit]

いつも素晴らしいですね!!

はじめまして。ヴューパリと申します。
よろしくお願いいたします。

素晴らしいコレクションの数々ですね!! 羨ましい〜〜!! 笑
福岡の我が家には、明治生まれの義祖父母が持っていた大聖寺伊万里の同柄の中皿が20枚あります。高台が、内側に傾斜しているのが特徴なのだそうですね。
加賀市の大聖寺伊万里なども全く存じませんでしたので、若干がっかり(汗)いたしましたが、大切に使っております。

私は、ヤフオクで深川や香蘭社を安価で購入するのがやっとなのですが、お宝??といえば、今では製造されない数十年前の深川の復刻版古代牡丹外赤の大皿(1尺5寸・2万6千円)くらいです。
今では、大皿に描ける職人さんが深川にはおいでにならないとか。赤の絵の具も、数十年前とは違うんだそうです。柄は好みでもないのですが(汗)買ってみました。現代物ですが、平戸焼の中里茂右衛門氏の香炉は、細工に大変な手間がかかっていますね。


ヴューパリ #VKyXk04w | URL | 2014/01/28 18:41 [edit]

ヴューパリ様、

はじめまして!
初コメント、ありがとうございます。

私も大聖寺の豆皿を持っていますが、あれはあれでなかなか手間隙かけて
造られたものですよね~。豆皿として毎日・・・・いえ・・・使っておりません。
大切にしまいこんでいます。

香蘭社も深川製磁も、昨今は明治時代のデザインや栄左衛門時代の復刻版をいくつも出していますが、昔のものと比べるとたしかに黒や赤の色が若干異なりますね。好みが分かれるところでしょうか?

平戸焼はもう中里茂右衛門だけしか残っていないようですねぇ~。
香炉をたまにオークションで見かけますが、値段が跳ね上がるので
まだ買えずにいます・・・・平戸も最近またおもしろいものを手に入れたので
こちらのほうもそのうち(このフレーズが最近多い・・)アップしますので
遅筆ではありますが、また覗いてください。コメントもお待ちしていますv-14

Michnoski #- | URL | 2014/01/28 19:32 [edit]

Post a comment

Secret

Trackbacks

TrackbacksURL
→http://micnoski.blog.fc2.com/tb.php/37-07bcaa42
Use trackback on this entry.