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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

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皇帝たちの陶磁器 ~フィラデルフィア美術館(2) 

フィラデルフィア美術館の二階には、ヨーロッパバロックを
支えた文化遺産の数々が展示されています。

17世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパでは
伊万里、と呼ばれる有田陶磁器がもてはやされました。
ヨーロッパの諸侯が収集する中でも、特に伊万里とチャイナに
執着したのが、ザクセン自由州の選帝侯であり、後に
ポーランドとリトアニアの国王になったアウグストゥス(アウグスト)2世でした。

当時、ヨーロッパでは陶磁器の製造の秘密を解明することができず
王侯貴族たちは専ら輸出品のチャイナや伊万里を買い求めました。
陶器製造を試みる職人たちは、陶土に卵殻などを混ぜ合わせたそうですが
なかなかチャイナや伊万里のような白磁をつくることはできません。

しかし1709年、ついにアウグスト2世が金製造をさせるために軟禁した
錬金術師のべトガーが陶磁器製造に成功します。
(この過程はまさに瓢箪から駒、なんですが・・・興味のあるかたはググッってみてください)
ドレスデンにツウィンガー宮殿を建築した際、アウグスト2世はいくつもの大型の陶器の像を造らせます。
残念ながらこの傑作のほとんどは、第二次世界大戦のドレスデン爆撃によって破壊されました。
しかし、いくつかは難を逃れ、修復されて美術館に保存してあります。

その一つが、こちら。等身大の羊です。
Philly museum 055

こちらは、等身大のヤギと子ヤギのユキ(笑)です・・・
Philly museum 060

平戸焼の職人さんもビックリ、の精巧な造りです。
陶磁器を製造してすぐにこんなものを造るとは、恐れ入ります。

当時、この手の像はみな大理石で作られていましたが、強健王アウグスト2世、
そこはポーセリン狂いです。
全部陶器で造ってしまいます。
さらにリアルにするために、その後色をつけたそうですが、こちらは失敗。

Philly museum 059

やっぱり白磁の像に勝るものはありませんね。

さて、陶磁器に狂ったアウグスト王ですが、当時大人気の
柿右衛門を模したものをマイセンに造らせています。
それがこちら・・・

Philly museum 052
Philly museum 053
Philly museum 054

柿右衛門は柿右衛門ですが、ほのかにヨーロッパの香りが・・・・
やっぱりどうしても造る人たちの文化がにじみ出てしまいます。
これはこれで面白いですね。

カキエモン、って感じです。

こちらのヨーロッパバロックの間を出て、今度は反対のウィングのアジア美術を観に行きます。
まずは、泣く子もダマル(?)中国歴代皇帝の器たちの間。

Philly museum 065

すごさが半端じゃありません・・・
これぞ皇帝御用達窯の威力です。
世界の中心の帝王とは言ったもんです・・・

Philly museum 067

なぜ紫禁城などにあった中華皇帝の至宝の一部がアメリカにあるか、というと
ここが中国の近代史の哀しさです。
展示物の多くは、アメリカの歴代の軍関係者や指揮官、司令官の家庭から寄贈されたものなのだそうです。

欧米諸国の植民地政策のあおりを受け、大変な思いをした中国のつらい歴史が偲ばれます。
中国の大いなる遺産である絹や陶磁器、茶の値段はあまりにも高くつきました。


さて、次はこちらの花瓶をごらんください。

Philly museum 070

すばらしい造りですね。
この花瓶、どうも対のようなんです。
これはおそらく皇帝所有の花瓶ではないと思います。というのは
もう片方の花瓶、なんとドレスデンにあったんです。
アウグスト王が所有していました。

輸出用の花瓶なのでしょうが、あきらかに王侯貴族用に作られた一級品に
間違いはありません。

Philly museum 078

Philly museum 079

Philly museum 081

すごいですよね。
これぞ世界に名をはせたチャイナ!

こちらは、17世紀後半から18世紀まで流行ったノワールものです。

Philly museum 076

陶磁器以外にも

明時代の部屋を再現したものや・・・

Philly museum 097

中国の古いお寺の内部をそのまま再現した部屋

Philly museum 103
Philly museum 101

陶磁器のランタン

Philly museum 090

婦人像・・・伊万里も良いけど、やっぱりチャイナはすごいです。
目もとのリアルさが違います・・・

Philly museum 094

こちらは、水晶を磨き球体にしたもの。
これもすごいですね。
如意宝珠だと思いますが・・・
ちなみにこの銀細工の水の台の部分は日本製です。

Philly museum 091

最後に、我が日本の文化遺産はどんなものが展示されているのでしょう。
前にも書きましたが、この美術館は深川製磁作のエキスポで金賞をとった花瓶を所有しています。
しかし、常設も特別展示もされていません。

Philly museum 089

東京にあった茶室を日本で解体して、アメリカまで持ってきて、それから組み立て展示しています。

昔の日本人、小さかったんですね。

Philly museum 083

こちらは平戸焼の酒瓶。
平戸焼はどの美術館でも必ず展示されています。
これ以外にも、屏風、掛け軸、千利休作の茶杓などが展示してありました。

フィラデルフィアは、首都DCとNYの間にある全米第五の都市です。
どちらの都市からも車で2時間程度に行けます。

歴史と芸術の街、フィラデルフィア、アメリカ東部にご旅行される方はぜひ足をのばしてください。

名物、チーズステーキを食べるのもお忘れなく。

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コメント

どの品々も素晴らしくて圧倒されます。
マイセンの”カキエモン”は納得ですね。

中国歴代の器達を鑑賞した後で、最後に平戸焼の酒瓶を見ると
何とはなしに”ホッ”とします。やはり日本人の感覚でしょうか。

チーズステーキってどんなものでしょうか?
興味ありますね。でもファットかな?・・・・・・あっ! ググッ見たら有りました!
大好きだけど、私の歳では差し控えないと・・・

ココペリ778 #- | URL | 2013/05/31 18:54 [edit]

ココペリ778さん、

そうですね。平戸焼のおちついた佇まいは
日本人好みかもしれませんね~

チーズステーキ、おいしいですよ~
他の都市でも食べられますが、やっぱり本場のものが一番おいしかったです。
アメリカのB級グルメやめられませんv-14

Michnoski #- | URL | 2013/06/01 16:08 [edit]

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