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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

有田と平戸のコラボ ~卵殻手・色絵花鳥文碗皿・蔵春亭三保~ 

出尽くした感のある卵殻手ですが、このあたりで
ちょっと珍しいものを紹介しましょう。

有田で絵付けされ、幕末から明治にかけて海外へ輸出された
久富家の蔵春亭・三保の卵殻手碗皿です。

zoshun 1

以前にも書きましたが、幕末、明治初期には有田でも薄手のコーヒー碗が
造られるようになりましたが、残念ながら卵殻手と言えるほど
薄いものではなかったようです。

こちらは卵殻手。
平戸・三川内で焼かれ、有田で絵付けされたものです。
いわば、平戸・有田夢のコラボと言ったところでしょうか。

zoshun 2

ご覧の通り、柴田コレクションでもおなじみ、いわゆる幕末から
明治初期にかけての図柄、窓絵に金羊歯模様です。

zoshun 3

有田と平戸は、江戸時代においては数あるやきものの窯を持つ藩から
選ばれたいわゆる御用窯でしたので、どちらもプライドは相当高かったと思われます。
有田は主に絵付け、特に色絵を得意とし極めたのに対し、平戸は上品な染付の図柄と優れた造形の
細工物を得意としました。

通常であれば、有田と平戸のコラボというのは両者のプライドの許すところでは
なかったのかもしれませんが、幕末の政治的、経済的に特殊な状況が
これを実現することとなりました。

zoshun 4

蔵春亭の輸出ものの多くは、国内市場と比べると
質が高いものが多いのですが、特に平戸とのコラボは
色絵であれ染付であれ、ワンランク上の出来のものが多いようです。

zoshun 5

ご覧ください。
素晴らしい絵付けです。

骨董屋に言わせると、「平戸は色が悪い」そうで、まぁこのあたりは
好みの問題がないとは言えませんが、一般的には有田の絵付けは
やはり完成度が高く、色彩も華やかです。その分、造形はイマイチですね。
陶質の問題だと推察します。

一方、平戸は造形が確かなミニマリストですが
色絵のものは有田の華やかさには負けると思います。

しかしまぁ、お互いに傾向は異なれど完成度は高いわけです。

この二つのイイとこどりをしたのが、蔵春亭の輸出ものであると
思います。

zoshun 6

一粒で二度おいしすぎます・・・o(^▽^)o

zoshun 7

窓絵の花鳥も素晴らしい発色ですね。
赤色の背景に映えます。

zoshun 8

手抜きなしで、かなり完成度の高い絵付けです。

zoshun 9

1840-1860年頃のものです。幕末ですね。

zoshun 10

さて、夢のコラボと言いましたが、よく考えてみると
有田と三川内が今日隣町であるとはいえ、
当時は、鍋島と平戸という別々の藩に所属していました。

この有田の輸出磁器産業で実現した「平戸の作品に有田で色をつける」という
離れ業は、その後輸出磁器業が有田の久富家から田代家へ移った時に
そのモノポリをめぐり大問題となります。

これが後に香蘭社を起こす深川家の台頭のきっかけになるわけですが、
ともあれ、国際市場で中国磁器と戦うには
有田のみでなく、平戸の助けが必要だったというのは
非常に興味深いところですね。

zoshun 11

この卵殻手に象徴されるように、明治時代、有田焼は欧米の万国博覧会で
数々の賞を受賞し、大いに繁栄するわけですが、その代表である香蘭社や
宮川香山の作品が、平戸焼の影響や助力なしにはあり得なかったのは
海外でそれらの作品を目の当たりにする者には明白です。

zoshun 12

中国の景徳鎮と欧米市場で競った肥前磁器。
有田と平戸がもたらした技術は
明治時代の殖産興業の一端を担うことになります。

zoshun 13

蔵春亭・三保の卵殻手、やっぱり良いですね( ^ω^ )

次回は、そろそろ大物を出すかなぁ・・・?


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Category: 平戸焼

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