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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

色の問題 (古平戸焼扇形蒲公英蝶文皿) 

あっという間に2月に逃げられ3月にも逃げられそうな今日この頃。

ブログの更新も滞っていますが、なんのことはない
写真を撮って、サイズを変えてアップロードしてブログを書くのが
面倒くさかったというだけです。
別のプロジェクトも始めたので、本当になんだか忙しいなぁ。( ノД`)

さて、今日は珍しい江戸期の平戸焼の皿を紹介しましょう。
こう思い立ったのには以下のような理由があります。

実は私はかの有名な野田敏雄先生の平戸焼関係の本を読んだことがありません。
是非手元にほしいのですが、いかんせん日本に住んでいないし、日本の骨董屋さんには
「どこででも手に入りますよ」と言われていたので、ついつい買いそびれていたわけでした。

しかし、ついに最近重い腰を上げ、東京に住む妹にでも頼むつもりで購入しようとすると
なんと!在庫がないっ!数少ない在庫はべらぼう高いっ!

なんでぇ~???

どうも、昨年人気骨董ブロガーさんが野田敏雄氏の本を購入したのを機に
そのお友達のコレクターさんたちが皆この本を購入したらしいのです。

あらら?平戸焼人気あるじゃん?
平戸焼の知名度が上がるのはコレクターとして嬉しい反面、
本が買えない苦境に立たされるのはつらい気もしますが・・・

さて、興味深いのはこの本を購入した古伊万里コレクターさんたちのブログでのコメントです。
このコレクターさんの中には古伊万里収集をしている人も多く、いわゆるミュージアムピースを
いくつも所蔵している人もいるわけですが、ブログを読むと実は平戸はあまりご存じではない様子。

ど~も、平戸とは伊万里港から運び出された肥前やきものの一つで
有田はもとより波佐見など「伊万里」と呼ばれるものの一つらしい、と理解しているようなのです。

そんな馬鹿な~!Σ(´Д`*)と、私などは思うのですが
まぁ九州の地理や歴史に明るくないとそういうこともあるのかも?

平戸焼が国内であまり知られない理由の一つには
生産量が有田などに比べて圧倒的に少ないことがあると思います。
それもそのはず、平戸を有田とひっくるめるのはそもそも間違いで、
平戸は御用窯ですので、むしろ鍋島藩窯のものと一緒に考えられるのが
正しいわけです。

そう考えると、平戸の良いものがあまり知られていないのは至極当然です。
御用窯であり、生産量が少ない上に、江戸時代には一部の
上流階級にしか手に入らなかったものですので、
今日骨董屋で探そうとしても、そう簡単に手に入るものではありません。
本物の江戸期の鍋島がそう簡単に手に入らないのと似ています。

余談ですが今日手に入る平戸焼(皿など)の多くは明治以降に作られたものが中心です。
ま、しょーがないですね。


さて、骨董市場に出回る江戸期の古平戸は少ないと書きましたが、
今回紹介する皿はどうやらその数少ないものの一つではないかと思います。
なにしろ、その白磁の白さが有田のものとは全然違います。
上質の有田焼という域を超えた白さなんです。

それがこちら。

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写真では青みがかっていますが、実物は真っ白です。
有田焼の場合、通常はちょっと青みがかかっていますが
これは本当にまじりっけなしの白色です。
数あるコレクションでも、こんな色はこれ以外見たことがありません。

ああ~この白をちゃんと撮れるライカがほしい!!!・゚・(つД`)・゚・

dl2.jpg

造形も、線のシャープな感じがわかりますでしょうか?
1680年頃の有田(柿右衛門系)や鍋島の皿には
こういった線がシャープなものがありますが、これは白磁の質感から
言って、有田や柿右衛門系とも一線を画します。


dl5.jpg

図柄は、蒲公英と蝶。
蝶は蝶でも、有田じゃないよ!o(`ω´ )o

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九陶発行の「将軍家献上の鍋島・平戸・唐津」などを見るとわかりますが
蒲公英文は、将軍家献上用にも作られた図柄でした。

ただ、献上平戸にある蒲公英文は、葉や花の描き方が
江戸中期とこの皿では異なります。
個人的には、この絵付けはどことなく
有田を思わせないでもありませんが、素地が有田とは異なると確信しているので、
やはり江戸後期ごろ作られた平戸ではないかと考えます。


dl7.jpg

このお皿、本当に真っ白で気品があります。
平戸焼はこの気品があるところが身上ですが
これはまさに貴婦人!のような美しさ。

色などをごちゃごちゃ使わず、染付の端正な画と白磁の圧倒的な白さだけで
勝負します。日本的なミニマリズムの勝利です。


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dl8.jpg

小さな皿ですが、手抜きなし。

これが裏です。
端正な後ろ姿。

この皿の白磁の美しさを一番よく味わえるのは
この裏を見たときなんです。

江戸期の平戸焼ですので、当然裏銘はありません。

dl3.jpg

明治以降に作られた平戸焼も、有田などと比べるとやはり質の高さは
抜きんでているように思いますが(ものによりますけどね)、それらと比較しても
この皿は抜きんでた美しさだと思います。

無駄なことだと思いましたが、一応有田のものと比較しました。
下の写真は、1680年頃の渦福銘の皿です。(贋物じゃないよ)
個人的には、結構良いものだと思っています。

しかし、有田全盛期のものと比較しても、この平戸の皿の美しさは
圧倒的です。
こうやって見ると、平戸はやはり鍋島と比べられるべきものであることが
よくわかります。

ここで、骨董屋のおばちゃんの名言が・・・
「平戸は貴婦人。平戸に比べると有田は田舎娘が着飾っとるごたる」

おばちゃん、すごい!(;゜0゜)
深いぜ・・・

こういう良質の平戸焼は御用窯だったという栄光を存分に見せつけてくれると
思うのですが、なかなか簡単にはお目にかかれないのがつらいところですね。

とはいえ、こういうものがもっと世間に紹介されると、不勉強な骨董屋が
ちょっと上質の有田焼をみて、「これは平戸です」などと言うこともなくなると思いますけど・・・
時々、「乾」の銘があるのに平戸焼とか紹介しているのを見ると
九陶で柴コレなり銘款集なり買って、読んでくれ~!と思ってしまいますけどね。

( ´ー`)フゥー...やれやれだぜ・・


dl4.jpg

平戸焼という命題において一番大切なのは「白さ」の問題なのです

色の問題といえば・・・・

余談ですが、その昔バークレーで卒業式に出席するため
学生課に博士号用のフードを取りに行ったら、手違いで格下の博士号用のフードしかないと
言われました。(博士号にも実はいろいろある)

さすがにそれは・・・と思い、

「( ゚Д゚)ハァ??冗談じゃないですよ!」と怒ると、事務員曰く
「いいじゃない(←?おいっ!)博士は博士なんだから。
色が違うだけでしょ?誰も気にしないわよ」というので、思わずぶち切れて

「色が違うだけ~?(肌とかの)色の違いだけで、世界中にどんだけ紛争が起こっているのかわかってんのかっ?
色の違いはささいなことじゃな~い!それでもリベラルの総本山バークレーか!」
と怒ってしまいました。

その後、その足で指導教官のところへ行くと、
「あらら?私が予備を持ってるからそれを使っていいわよ」と
教授がどこぞの大学からもらった名誉博士号用のフードを貸してくれました。
卒業式に出た同期の友達に話すと、皆羨ましがって、
「結果オーライじゃん?そっちのほうが全然ラッキーだよ」と
言われましたが、あの時は本当に頭にきたなぁ・・・・・

バークレーよ、平戸に限らず色の問題は世界中どこでも深刻な問題なのよ・・・


dl10.jpg

江戸期と思われる平戸は、数あるコレクションの中でも
さすがにこれだけです。
でも一つでも手元にあると、他の磁器との違いがはっきり分かるので
勉強になります。

御用窯は偉大なり。(^∇^)


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Category: 平戸焼

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