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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

輸出平戸卵殻手 (2) 

前回の卵殻手の続きです。
第一弾、拍手の数が多かったので
すっかり気をよくしています。

さて、輸出平戸卵殻手は、前回紹介した兜型蓋椀が主流のようですが、
実はこれ以外にも形が異なるものがあります。今回は兜型以外のものを
紹介したいと思います。

まずはこちら。

(6)色絵漢詩文チョコレートカップ

eggshell 13

縦長のカップは、チョコレートカップとしてオランダに多く
輸出されました。

eggshell 14

Prince of Porcelain にも掲載されているように、
同型のチョコレートカップでは、通常錦絵が多いのですが、こちらは
漢詩文というところがポイントです。
なぜか平戸の漢詩文のものは色絵、染付に拘わらず良い蹟のものが
多いようです。

思うに、絵師が異なるのではないかと思います。
錦絵のものは、おそらく有田の蔵春亭や田代門左衛門(信甫)のものに
絵付けをしていたグループのもので、こちらはそれ以外の絵付けグループが
あったのではと思いますが、このあたりはまだまだリサーチが必要です。

eggshell 16

漢詩文。
明治の平戸焼に多いそうですよ。

eggshell 15

余談ですが、チョコレートカップというのは
古伊万里のものが大航海時代(18世紀初頭)にVOCを通じて
ヨーロッパに出回りました。
同じような形ですが、古いものはこれに蓋がついていたようです。

中南米からもちこんだ薬として珍重されていたチョコレートが
ヨーロッパで流行ったわけですね。

そういえば、今年正月明けに湯布院へ行った時、金鱗湖の
キャラバンカフェへ行ったのですが、
注文したコーヒーにチョコレートシロップが入ったものが出てきました。
こういう飲み方がヨーロッパでも流行ったのでしょうね。

スタバのカフェモカとはエライ違いの良いお味でした。

色絵卵殻手、そろい踏み。同じ頃輸出されたものでしょう。

eggshell 22

(7)染付・秋草文 (蔵春亭・三保)

eggshell 2 05

こちらは、またまた有田の蔵春亭・三保経由の輸出卵殻手です。
上品な染付の絵付けですね。
やっぱり蔵春亭発注のものは、高級磁器の傾向があります。

eggshell 2 06

秋草の図柄は、御用窯の平戸藩が将軍家や公家用に作っていたものに
見られるようですが、鳥だけでなく有田の蝶が飛んでいるとことに
注文の細かさを感じます。(笑)

eggshell 2 07

裏銘。

eggshell 2 08

この手の卵殻手は、サイズも他のものよりもやや大きめです。
卵殻手と言えますが、兜型やチョコレートカップと比べると
やや厚手です。

光にかざすと、高台まわりに厚みがあるのがわかります。

素晴らしい一品です。

eggshell 2 09

最後になりましたが、こちらは城のついた珍しい図柄です。
あんまり珍しいので、欠けがあるにも拘わらず購入。

(8)染付・山水楼(城?)文チョコレートカップ

eggshell 2 10

こちらも、上述の桔梗文同様、やや厚手の出来です。

eggshell 2 11

見た目からも、通常の卵殻手よりもやや厚みがるのが
わかると思います。
絵付けもあまり良いとは言えませんが、興味をそそるモチーフです。

eggshell 2 23

前に海が見えるので、平戸城でしょうか。

eggshell 2 12

平戸製の輸出卵殻手の蓋椀およびチョコレートカップのコレクションは以上です。

(実はこれに加えて亀山銘のものもありますが、こちらはもうちょっと調べてから
そのうち紹介します。)

精巧な細工物と極薄の卵殻手は、網代陶石と天草陶石を用いた
平戸焼ならではのもので、まさに真骨頂と言えると思います。

卵殻手は戦前くらいから造られないようになっており、長いこと「幻の卵殻手」などと
呼ばれてきましたが、三川内の平戸藤祥が近年製造に成功し、TVでも
そのようすが放映されたそうです。


平戸焼が、昨今の流行に惑わされず正攻法で復活しようとするのは
長い目で見ると、正しい戦略だと思います。

がんばってほしいですね!

(おまけ)

明治初期、有田も薄手のデミタスを作りました。
有名なものは、深川栄左衛門銘のものでしょうか。
私は深川製が好きでいくつも持っているのですが、
有田の薄手デミタスは、通常は残念ながら卵殻手とは言えません。

・・・が、しかし!なのです・・・
最近手に入れたこのデミタスカップ。裏は深川銘(栄左衛門の頃)で
同じタイプ(形)のものが有田製であるのですが、このカップは
重量は軽め、平戸製卵殻手デミタスカップにかなり近い作りです。
気になるのは、その絵付け。
この絵付けも、輸出有田というよりは輸出平戸なんですよねぇ。

eggshell 3 1

19世紀中頃の長崎の出島で一体なにが起きていたのか
気になりますね。

eggshell 3 2

今日は、湯布院で買ってきたキャラバンのコーヒーを淹れて、
長崎カステラをいただきました。
残念ながら福砂屋ではなく、新大工の長崎屋のカステラ。
でもおいしかったですよ。

ごちそうさまでした。

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