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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

長崎を想う(輸出伊万里・染付西洋風景文皿) 

あっという間に11月も半ば。
なんと二ヶ月近くも更新していませんでした。
遂にネタ切れか?と思われたかもしれませんが
単に超多忙だったわけでした。

10月は子供二人の誕生日会。アメリカですので
家でちょっと料理して、ケーキをだしてというわけにもいかず
遊具施設を貸切でバースディ。アメリカ人は結構みんな
バースディパーティをどこかを貸切でやるんですが、
子供が多い人たち、破産するんじゃないのかな??

それが済むと、日本語学校の運動会、ハロウィーン、そして
ついに日本にいる両親、初訪米!
両親のためのゲストルームを準備したり、あちこち観光にいったり
楽しかったけれど、いや、もうクタクタです。

そ・し・て・・・・
まさかの結果が待っていた大統領戦。
いや~、旦那はショックで選挙後は5日ほどニュースも見ず、
BBCも読めない廃人状態に・・・(´д⊂)
「トランプがさぁ・・」と話しかけても、
「ラララララ~」と歌って、逃げていく始末。

まぁなぁ、神聖ローマ帝国もといアメリカ帝国、
終わりの始まりとでもいいましょうか・・・
大変なことになりました。それにしても、教養のない人は
なぜ己の利益に反する選択をするのでしょう・・?
ま、これで将来的に赤の州には絶対に引っ越せないなぁ、
死んでもこの夢の州に留まらねば、とか思ったのでした。

しかし、結果の出た後で悔やんでも仕方のないことですが
「こうなる前に何をすべきだったのだろう?」と思います。
やっぱりもっとアクティブに政治活動しなければいけなかったのかな、と
思いました。後悔しきりです。

まぁ、しかし覆水盆にかえらず。こぼれたミルクを嘆いても無駄だ!
というわけで、気を取り直して、今日は輸出・古伊万里の自慢の一品を
紹介することにしましょう。

こちらです。

kaei 1

以前1680年頃の西洋風景の輸出古伊万里について記事を書きました。

ヨーロッパの学術会で所謂「出島」と呼ばれるこの西洋風景画のついた
古伊万里は、東インド会社(VOC)特注の製品として知られています。
「西洋風景」のもとになった図柄は、当時オランダで人気のあった、
Scheveningenという猟師町を描いた版画からきており、
これをもとにデルフトがFrijtom Styleと呼ばれる製品を作りました。

それと同じようなものをオランダが有田にVOCを通じて注文したのが
今日の長崎・出島から今も発掘されている、「出島」と呼ばれる皿なわけです。

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「出島」あるいは「デシマ」と呼ばれる皿ですが、当然出島を描いた皿ではありません。

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1680年-1700年頃のものと思われます。
呉須の発色が素晴らしいですね。
落ち着いた藍は、この黄金時代ならではです。

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以前、某学芸員の先生と話した時、この方の専門は古平戸および輸出古伊万里なのだそうですが、
嘉永の「嘉」の銘がついた皿は、この時代のものの中では高級磁器なのだと教えてもらいました。
出島と呼ばれる皿は、その歴史性からコレクターの間では人気アイテムなのですが、
これも先の西洋風景皿同様、高くつきました。
でも、Christiaan Jorg やOliver Impey などの本には必ず説明つきで出てくるものなので
どうしても欲しかったんですよね~。

輸出古伊万里はいくつか持っていますが、染付のVOC関係の皿は
それよりももっと魅力を感じます。

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こちらは、Christiaan Jorgの名著、 Fine & Curiousから。
輸出古伊万里ファンにとってはマストな本です。
(* ´ ▽ ` *) 素晴らしい!

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皿のデザインですが、当時流行ったOlfert Dapperの版画などの図柄も
混じっているのではないかと思います。
これは中国の風景。

しかし、こういうのもなんですが、彼は一度もオランダ国外へ出たことがないのに
アフリカだの中国だのの風景を出版しているわけですねぇ。
東洋やアフリカへの興味が尽きない大航海時代ではあったわけですが
こうしてオリエンタリズムの言説が構築されたわけです。

kaei 11

この図柄の皿は珍しいです。
通常美術館や本などで見かけるもののほとんどは
同タイプの茶碗です。
余談ですが、出島シリーズは、エリザベス女王時代に建てられた
かの有名なBurghley Houseのコレクションにもたくさん含まれています。
このコレクションの本も、The Burghley Porcelain というタイトルで購入可能ですよ。
1680年頃の輸出古伊万里がたくさん見れます。

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地震が多いカリフォルニアでは、磁器のコレクションは無謀かも。
でも、一応家の中で一番安全そうな(?)キャビネットに入れています。
ははは・・・

kaei 14

(おまけ)
輸出古伊万里に興味が出てくると、自然と
その時代のヨーロッパの文化にも興味が出てきます。
あくまで、West meets East もとい East meets West という視点からなんですがね。

版画のほうも、家の中を飾るという目的で収集することにしました。
変な複写にお金をだすよりは、古い歴史を語る本物を飾るほうが
良い気分です。

今日は、こちら。
Jacques-Callotによる1627年出版。(複写ではありません)。

1597年の長崎西坂における二十六聖人の殉教の様子です。

26 saints 1

この東洋におけるキリスト教迫害が、ヨーロッパ人にとって
いかに衝撃だったかを物語っています。

26 saints 2

上空には、大天使ミカエルが殉教した信者を
迎えに来ています。

26 saints 3

来年は、やっと(!)マーティン・スコセッシの映画「沈黙」が
上映される予定ですね。窪塚くんがキチジロー、とか
一体どんなキャストじゃ?若いころの香川照之にやってほしかった、とか
フェレイラ神父は絶対にダニエル・ディ・リュイス(ルイス)を!とか
贅沢をいっても始まらないけどねぇ。ま、マーティン・スコセッシだしね・・・

それにしても、台湾とかじゃなくて、ちゃんと外海とかで撮ってほしかったなぁ・・・(´・_・`)
遠藤ファンには、ぜひあの外海の海を見て欲しいですね~!
訪れる度に、なぜか胸が締め付けられます・・・

まぁ、長崎教会群も世界遺産を再び目指すそうですし、故郷の長崎にとって
来年は良い年になってほしいなぁ(」*´∇`)」

26 saints 4

ネタは切れておりませんよ。
まだまだ輸出古伊万里お見せします。
お楽しみに~!

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Category: 古伊万里

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Comments

No title

こんばんは。
日本のご両親の初訪米おめでとうございます♪
いいな、いいなぁ!!
私も親が古物だらけの部屋をみたら悶絶するかも、
と思いつつ、でもやっぱり親には自分の暮らしぶりを見てもらいたいです^^

ミケア #eDK1TBlk | URL | 2016/11/18 05:46 [edit]

No title

ミケア様、

あはは。そうなんです。13時間もかけて
はるばる来てくれました!
滞在中はほとんど時差ぼけみたいでしたけど・・
家中にある骨董を見てかなり驚いていましたが
手に取っては興味深そうに眺めていましたよ~
同じ趣味を持つ伴侶に大事にしてもらっていると
知って、安心して帰国しました。

ミケアさんのご両親も、いつか遊びにきてくれるといいですね!

Micnoski #- | URL | 2016/11/18 10:21 [edit]

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