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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

Papenberg Island へ行く! (長崎市高鉾島) 

先日、戦国時代のキリシタン大名である高山右近の
列福式が大阪でとり行われたそうです。

2017年は、なんだかキリシタンづいていますね(笑)
マーティン・スコセッシの「サイレンス」もやっと上映されましたし、
高山右近は福者になるし、この勢いで長崎・天草の教会群も
今年は世界遺産に登録してほしいものです。
近隣アジア諸国よ、水を差すんじゃねーぞ!

さて、日本での短い滞在中は毎度のことながらどこへ行くか
取捨選択を迫られますが、今回は相方念願(?)のPapenberg Islandへ
行ってきました。

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Papenberg Island というのは江戸時代のオランダ人などに呼ばれていた通称で、
正式には高鉾島と言います。

東シナ海から鶴の港と呼ばれる長崎港に入港するとき、左手にみえる島は、
17世紀にこの島で隠れキリシタンが殺害されたという逸話から、
伴天連(バテレン)の島(山)と呼ばれたわけです。

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東インド会社が出入りしていた頃の長崎の歴史を紐解くと
西洋の文献に必ず出てくる島、Papenberg Islandにぜひ貴重な一日を
費やしたいという相方。

平戸や生月と違って近いので、車で20分くらいで着くらしい。
なんでも神の島方面とか。
三菱重工の長崎本社があるところですな。
行ってやろうじゃないですか。

・・・というわけで、ドライブしてきました。

旭大橋を抜けて、三菱重工の香焼ドックをぬけ10分弱も走ると、
鄙びた漁村につきます。

ここがいわゆる神の島です。

そして有名な神の島の目の前にみえるのが
Papenberg Island!

なんとも美しい島です。

papen 1

江戸時代、長崎警護を任されていたのは平戸藩と鍋島藩でした。

フェートン号事件の後、長崎の脆弱な警備体制に危機感を募らせた
鍋島直正は、この神の島や高鉾島にいくつもの砲台を建設します。

つまり、高鉾島は長崎警護においては最前線だったわけですね。

高鉾島の近影。
papen 2

長崎港をはさんだ対岸(香焼・女神地区と長崎市内側の戸町)を結ぶ
女神大橋が見えます。

素晴らしい、冬の長崎。

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神の島と高鉾島の間には防波堤があり、
その右側に小さな断崖がありますが、なんと長崎らしくも
その頂上には大きなマリア像が東シナ海に向かって
立っています。

船出する人たちを見守ったり、長崎港へ帰る船を迎えているようです。

このような景色、カトリックのキリスト教的なのでしょうか?
私には、どうも中国の媽祖とマリア像が長崎の地で溶け合った
和華蘭文化の象徴のように思えます。

papen 4

迫力あるマリア像。
大きめサイズの写真を載せてみました。
この迫力、伝わるでしょうか??

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長崎のカトリックは、いわゆる大航海時代のイエズス会系キリスト教の特徴を
色濃く残していますので、聖母信仰が強いです。
このせいか、長崎市内で見かけるマリア像というのは、
いかにもやさしげな顔をしているのが多いので、このマリア像は
ちょっと違和感があります。

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マリア像のすぐ近くには、日本の港らしく恵比寿様の祠もあります。
和華蘭文化が、街のあちこちにある長崎ならではの景色です。

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マリア像のふもとから東シナ海を眺めます。

さて、せっかくここまで来たので、ついでというわけではありませんが
世界遺産登録予定である有名な神の島教会に行ってみました、

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この美しい白亜の教会は、なんとあの日本映画史上屈指の美貌を誇る(!)
上原謙が結婚式を挙げた場所でもあります。

ふ~む。

ま、個人的には池部良のほうが断然好みですが・・・
関係ないか・・・(´∀`*;)ゞ ハハハ

クリスマスのミサも終わり、年末を迎えていたためか
残念ながら教会の中に入ることはできませんでした。

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相方曰く、「イタリアみたいな風景だなぁ。地中海ってかんじ!」

そうか~?(°_°)

長崎のじげもんには見慣れた風景なんだけどね・・・

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ここにも殉教の歴史が・・

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神の島教会にもルルドのマリアがありました。
長崎の古い教会には、たいていルルドがあります。
やさしげなお顔です。

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階段のそばには、猫が何匹もウロウロして、遊んでほしそうにしてました。

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さて、高鉾島を見たので、女神大橋を渡って
長崎の南山手方面へ。

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女神大橋。
天気も良くて、この日は本当にドライブ日和。

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女神大橋。近影。
いつもは出島ワーフのあたりから見るので、
橋を渡るのは初めてです。

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女神大橋を渡ると、あっという間に戸町に着きました。
戸町というと、ここは長崎の隠れキリシタンに夜布教して回った
金鍔次兵衛が隠れていたという洞窟があるそうです。
彼もまた、2008年に列福しました。

この後はお約束のグラバー園、ブラブラ。

今回は、普段めったに行かない大浦天主堂へ。
国宝だからか、入場料がグラバー園と一緒なんですよねぇ。

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途中、信徒発見のレリーフが。

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大浦天主堂へ行ったら、必見なのはこのマリア像。
入場料を払わなくても遠目に見れますが、
ぜひここは入場料を払ってでも、このお顔を近くで見てほしいですね。

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遠藤周作の「女の一生」(第一部)での主人公キクと対話するマリア様は
この大浦天主堂のものです。

ご覧あれ!
聖母と呼ばれるにふさわしいと思います。
なんとも言えない表情です。

IMG_1280.jpg

癒されますなぁ~。

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この日は年末ということもあり、観光客はほとんどが
日本人でした。
のんびりとよい雰囲気で観光ができましたよ。

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この後、グラバー園内の自由亭でコーヒーとカステラをいただきました。
躊躇なくカステラを注文する相方、長崎人になりつつある・・??

よく晴れた冬の長崎観光、楽しかったです。

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Category: 旅行記

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輸出平戸卵殻手 (2) 

前回の卵殻手の続きです。
第一弾、拍手の数が多かったので
すっかり気をよくしています。

さて、輸出平戸卵殻手は、前回紹介した兜型蓋椀が主流のようですが、
実はこれ以外にも形が異なるものがあります。今回は兜型以外のものを
紹介したいと思います。

まずはこちら。

(6)色絵漢詩文チョコレートカップ

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縦長のカップは、チョコレートカップとしてオランダに多く
輸出されました。

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Prince of Porcelain にも掲載されているように、
同型のチョコレートカップでは、通常錦絵が多いのですが、こちらは
漢詩文というところがポイントです。
なぜか平戸の漢詩文のものは色絵、染付に拘わらず良い蹟のものが
多いようです。

思うに、絵師が異なるのではないかと思います。
錦絵のものは、おそらく有田の蔵春亭や田代門左衛門(信甫)のものに
絵付けをしていたグループのもので、こちらはそれ以外の絵付けグループが
あったのではと思いますが、このあたりはまだまだリサーチが必要です。

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漢詩文。
明治の平戸焼に多いそうですよ。

eggshell 15

余談ですが、チョコレートカップというのは
古伊万里のものが大航海時代(18世紀初頭)にVOCを通じて
ヨーロッパに出回りました。
同じような形ですが、古いものはこれに蓋がついていたようです。

中南米からもちこんだ薬として珍重されていたチョコレートが
ヨーロッパで流行ったわけですね。

そういえば、今年正月明けに湯布院へ行った時、金鱗湖の
キャラバンカフェへ行ったのですが、
注文したコーヒーにチョコレートシロップが入ったものが出てきました。
こういう飲み方がヨーロッパでも流行ったのでしょうね。

スタバのカフェモカとはエライ違いの良いお味でした。

色絵卵殻手、そろい踏み。同じ頃輸出されたものでしょう。

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(7)染付・秋草文 (蔵春亭・三保)

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こちらは、またまた有田の蔵春亭・三保経由の輸出卵殻手です。
上品な染付の絵付けですね。
やっぱり蔵春亭発注のものは、高級磁器の傾向があります。

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秋草の図柄は、御用窯の平戸藩が将軍家や公家用に作っていたものに
見られるようですが、鳥だけでなく有田の蝶が飛んでいるとことに
注文の細かさを感じます。(笑)

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裏銘。

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この手の卵殻手は、サイズも他のものよりもやや大きめです。
卵殻手と言えますが、兜型やチョコレートカップと比べると
やや厚手です。

光にかざすと、高台まわりに厚みがあるのがわかります。

素晴らしい一品です。

eggshell 2 09

最後になりましたが、こちらは城のついた珍しい図柄です。
あんまり珍しいので、欠けがあるにも拘わらず購入。

(8)染付・山水楼(城?)文チョコレートカップ

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こちらも、上述の桔梗文同様、やや厚手の出来です。

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見た目からも、通常の卵殻手よりもやや厚みがるのが
わかると思います。
絵付けもあまり良いとは言えませんが、興味をそそるモチーフです。

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前に海が見えるので、平戸城でしょうか。

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平戸製の輸出卵殻手の蓋椀およびチョコレートカップのコレクションは以上です。

(実はこれに加えて亀山銘のものもありますが、こちらはもうちょっと調べてから
そのうち紹介します。)

精巧な細工物と極薄の卵殻手は、網代陶石と天草陶石を用いた
平戸焼ならではのもので、まさに真骨頂と言えると思います。

卵殻手は戦前くらいから造られないようになっており、長いこと「幻の卵殻手」などと
呼ばれてきましたが、三川内の平戸藤祥が近年製造に成功し、TVでも
そのようすが放映されたそうです。


平戸焼が、昨今の流行に惑わされず正攻法で復活しようとするのは
長い目で見ると、正しい戦略だと思います。

がんばってほしいですね!

(おまけ)

明治初期、有田も薄手のデミタスを作りました。
有名なものは、深川栄左衛門銘のものでしょうか。
私は深川製が好きでいくつも持っているのですが、
有田の薄手デミタスは、通常は残念ながら卵殻手とは言えません。

・・・が、しかし!なのです・・・
最近手に入れたこのデミタスカップ。裏は深川銘(栄左衛門の頃)で
同じタイプ(形)のものが有田製であるのですが、このカップは
重量は軽め、平戸製卵殻手デミタスカップにかなり近い作りです。
気になるのは、その絵付け。
この絵付けも、輸出有田というよりは輸出平戸なんですよねぇ。

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19世紀中頃の長崎の出島で一体なにが起きていたのか
気になりますね。

eggshell 3 2

今日は、湯布院で買ってきたキャラバンのコーヒーを淹れて、
長崎カステラをいただきました。
残念ながら福砂屋ではなく、新大工の長崎屋のカステラ。
でもおいしかったですよ。

ごちそうさまでした。

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Category: 平戸焼

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輸出平戸卵殻手・一挙公開!(1) 

昨年末、平戸焼の里・三川内へ行ったことは先のブログでも
触れましたが、その際に平戸卵殻手の再現を成功させた藤祥さんに
復刻した卵殻手を見せてもらいました。
その作品たるや、本当に古い平戸の卵殻手のようで
大変感心しました。

お話によると、卵殻手を再現するのに
大変な苦労をされたそうですが、作品をみるとたしかに
平戸ならではの繊細さがあり、他の磁器の追随を許さない高品質のものでした。

さて、卵殻手というのは英語でegg-shell、つまり卵の殻のように薄い磁器のことを
言います。もとは当然中国が本場です。薄手の磁器は15世紀初期の明の時代に
皇帝に献上され、その後高級磁器として製造されたそうです。
コクトーの「呉須の秘密」ならぬ、「薄手磁器の秘密」とでもいいましょうか、
当然その製造法は外へ漏れないようになっていたわけでした。

その超薄手磁器の存在を、平戸のお殿様が知っていたのは当然のことでしょう。
なにしろ平戸は鄭成功以前からすでに中国人の町が存在するほど
中国とは文化的にも経済的にも密接に繋がった土地柄でした。
その松浦氏の命令で、御用窯であった平戸焼の職人がもてる知識と技術を
集結して見事作り上げたのが、平戸の卵殻手なわけです。

平戸製卵殻手は、文字通り卵の殻ほどの薄さであり、
「箸よりも軽い」と言われる所以は、磁器とは思えないほどの
重量の軽さによります。

私が初めて卵殻手の平戸焼を手に取ったのは、平戸井元資料館に
行った時でした。
その時の衝撃というのは大変なもので、「磁器だ」という
先入観を持つと、手に取った瞬間に大いに裏切られることになります。

もちろん、これ以前にも、〇〇紅茶専門店だの妙にカップにこだわる店などで
いわゆるエッグシェルのカップを使ったことはありましたが、それと同じだろうと
いわれると、反論せねばなりません。
また、平戸製卵殻手は明治有田が作るエッグシェルとも異なります。
どう違うかというと説明が難しいのですが、とにかくただ薄いというだけでなく、
感覚的に言うならばプラスチックで出来ているような、
それくらい軽いわけです。

素材の違いがあるのでしょう。

久しぶりに卵殻手を見たので、ちょっとインスパイアされてしまいました。
やっぱり平戸焼はすごいなぁ・・・・

・・というわけで、ついに私も重い腰を上げて、これまで収集した卵殻手(平戸製)を
プチプチから開けて、まとめて紹介したいと思います。

過去二度も引っ越したため、実はずっと箱の中に眠ったままでしたが、ついに3年ぶりの再会となりました。

お久しぶり!( ^ω^ )




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まずは、有名なものから・・・

(1)赤絵六歌仙 (銘:満宝山枝栄製)
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満宝山商舗は1871年創業。でも実際は1804年創業の平戸焼物産会社を引き継いだ
輸出貿易会社でした。

つまり江戸時代後期から行われていた平戸藩による
平戸焼の輸出は、王政復古以後はこの会社によって
継続したわけです。

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三川内製である兜型卵殻手。(蓋の形が兜に似ています)

カップとソーサー、そして蓋までついて
その総重量なんと89グラム!

軽い!

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絵付け。
手抜きなしです。

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光にかざすと、底の高台の部分以外のすべてが透き通るのが
わかりますね。


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お次は、同時代に作られたと思われる色絵の卵殻手です。
(2)色絵花鳥牡丹岩文。

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平戸焼は通常、染付中心で色絵はあまりありませんが
輸出用卵殻手はどうやら例外のようです。

ここに載せているもの以外にも輸出品の卵殻手カップは
色絵が圧倒的に多く、所蔵こそしていませんが
その中には錦絵(美人画・侍)なども数多くあります。

当時、平戸藩同様磁器の輸出を行っていた鍋島藩の蔵春亭(久富家)の
海外輸出用のものに影響されたのかもしれません。
いずれにしても、錦絵のついた磁器はイギリスやオランダで
よく売れたようです。くどいようですが、ヨーロッパを大いに沸かせた
ジャポニズムの先駆けに、有田焼と平戸焼が一役買ったと言ってよいと
思います。

eggshell 7

閑話休題。

この卵殻手の碗ですが、蓋だけ別銘になっています。
ミスマッチか?とも思ったのですが、所蔵している二客ともそうなので
三川内で作られて、別の場所で絵付けがされたのかもしれません。

カップに銘はありませんが、ソーサーと図柄がマッチしています。

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これもかなり軽いです。

カップ、ソーサー、蓋込みで総重量97グラム。

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平戸焼というと、その上品な染付には定評のあるところですが、
なぜか輸出用色絵は毒々しいまでの色彩を採用しています。

この場合私的には疑問がいくつかあります。
色絵は三川内でつけられたのでしょうか?
それとも別の場所でつけられたのでしょうか?
毒々しい色、と書きましたが、中国的な嗜好なんですよね。
このあたりはまだ調べているところです。

(3)染付漢詩山水文。(平戸・三川内)

これは過去にブログでも紹介しているので、詳しいことは
ここでどうぞ。

eggshell 9

上品な漢詩と山水文です。
後日改めて紹介しますが、亀山銘のものに
よく似たモチーフのもの(卵殻手)があります。

eggshell 12

(4)色絵山水家屋文。(蔵春亭・三保)

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お次は、有田の久富家・蔵春亭経由で輸出された平戸製卵殻手。
平戸製ながら、前述の色絵とは違う繊細で上品な絵付けです。

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鍋島藩である有田の蔵春亭が、平戸藩である三川内に卵殻手を注文し
絵付けをして輸出したことは、鑑札札が田代家に渡ったころから大問題となりました。
このスキャンダルが、後に他の有田の名窯(深川など)にも輸出の機会を与えることに
なるのですが、ここで特筆すべきことは、蔵春亭の銘のついた平戸製のものは
高級磁器が多いということです。

この蓋碗も例外ではありませんね。
色絵でありながら繊細で上品です。

まるでさっき窯から出てきたような美しさです。
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こちらはカップ・ソーサー・蓋込みで総重量100グラム。

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時代的には、この二つ同じころに作られたようです。
蔵春亭用はハイ・エンドですね。
1860-1870頃のものと思います。

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(5)染付・芙蓉手人物文。(平戸製・枝栄)

清王朝時代の輸出品を思わせる絵付けですね。
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アヘン戦争、太平天国の乱などで荒れに荒れていた中国では
輸出用磁器をつくるのもままならない時期がありました。

そこに空いた穴を埋めるかのように輸出市場にやってきたのが
有田焼と平戸焼(そして亀山焼)でした。

この時代の輸出品のモチーフ、おもしろいですね。
時には日本的なモチーフを売り込んだり、ある時は
中国製か?と思わせるようなモチーフのものをつくったりも
しています。

もとは17世紀の終わりに流行った芙蓉手の図柄から来ています。

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(1)と同時代の満宝山の輸出品ですが、光にかざすと(1)や(2)などと異なり
やや厚手に仕上がっています。

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この二つ、作られた時期はかなり近いのではないかと思います。

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ここまでは同系の兜型碗を紹介しました。
次回は、ちょっと趣の異なるものを紹介したいと思います。
卵殻手、いろんなタイプがあるんですよ。
こうご期待(?)  ヾ(・∀・)ノ

卵殻手(2)に続く・・・・

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Category: 平戸焼

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