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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

今年の収穫 (染付楼閣山水文ケンディ) 

2016年も、もう年の瀬を迎えました。
皆様にとっては、どんな一年でしたか?

我が家は、一応みんな無病息災で無事一年を過ごせました。

さて、今年は骨董のコレクションのほうも
かなり収穫のあった年となりました。(あくまで主観ですけどね)

今週末の日本里帰りまでいくつアップできるか
わかりませんが、今年手に入れて嬉しかったものを
紹介したいと思います。

まず第一弾はコレ。

ついに、ついに憧れのケンディを手に入れることができました

o(^▽^)oヤッター!

kendi 1

いつもながら写真がイマイチですが・・・
呉須の発色の良さが際立っております。
1670-1690年頃のゴールデンエイジに作られた
高級輸出用のケンディです。

kendi 2

ケンディというのは、17世紀から18世紀にかけて
オランダの東インド会社から有田へ輸出用に注文された注器で、
乳首型の注口が特徴です。

古伊万里ファンとしては、色絵陽刻松鶴文三足注器同様、
ぜひ死ぬまでにコレクションに加えたいものの
一つだと思うのですが、これまでなんとなく二の足を踏んでいました。

ケンディというのは、基本的にお金さえ出せば手に入れられるものです。
非常に人気のあった輸出商品のため、オランダやイギリスの骨董屋では
かなり高い確率でお目にかかれますし、今日はネットでも販売していますね。
贋物を掴まされる、などという心配はあまりしなくても良いでしょう。
イギリスやオランダのディーラーが売っているものは本物がほとんどです。
ただし、ケンディは中国製や東南アジア製のものがあるので
注意が必要です。

まぁ、そうはいっても所詮ケンディはケンディです。
九陶やOliver Impey, Christiaan Jorg (Oはウムラート)の
文献を見ていれば、自ずと本物はわかるという
言ってみれば、種も仕掛けもないものです。

ただ食指が動かなかった理由の一つに
実はそのデザイン性がありました。
というのも、輸出されたケンディの大半は
中国・明時代の写しというのを基本に作られていますので
たとえ延宝、元禄の頃のものであっても、当時の
有田の素晴らしい技術が生かされていないように
思えるわけです。

しかも、値段だって10万は下らないので、ブランドであろうが’
なんだろうが、そうポンっと買えるものでも
ありませんしね・・・(。-_-。)

躊躇するのは当たり前の代物なのでした。

kendi 4

・・・と、うだうだ思っていたところ、相方が
「オイ!このケンディ本物だよ!珍しいなぁ!」というでは
ありませんか。

二人とも一目で、「お?本物じゃん?」と思ったのは
NYメトロポリタン美術館の所蔵の有名な蓋つきの鉢が
頭に浮かんだからでした。

お値段も、まぁまぁ手頃。
クリスマスプレゼントとか
なんとか言って買えそうな値段です。
ヴィトンより全然安いぞ!o(`ω´ )o

買い手がついていないのは、あまり見慣れないタイプの
図柄だったからではないかと推察されます。
とにかく購入するに至りました。ヽ(´∀`)ノ

kendi 3

日本の古伊万里文献ではあまり見かけませんが、
実は17世紀後半の輸出古伊万里の中には
いわゆる芙蓉手などとは一線を画する山水や楼閣の描かれた
高級磁器があります。
これらは、イギリスやアメリカ、オランダなどの
一流の美術館に所蔵されているものがほとんどで、
蓋つきの大型の鉢や花瓶などが主流です。
ヨーロッパを当時魅了したBlue & White の典型と言って
良いでしょう。

kendi 5

近影。
山水画です。
ぼかしダミの技術が生きています。

kendi 6

首の部分。
本体の絵付けに比べ、首の部分の絵付けは
その他の芙蓉手などと同じレベルの、実に雑な
絵付けです。

部分によって、異なる職人が絵付けをしたと
思われます。

kendi 7

こうしてみると、絵付けの技術の差は歴然(笑)ですね。

kendi 8

さらに近影。
一般に、染付楼閣山水文と言われる絵付けで、
Oliver Impey 師匠(!)によると、狩野派様式といわれる風景画なのだとか。
この様式は、当時のヨーロッパ市場では非常に人気が高かったそうです。

上の写真の右下の橋をご覧ください。
一筆ですらりと橋を書いてしまうとは!
これぞ職人技!
恐るべき技術です!

kendi 9

楼閣。
kendi 10

あああ…クリスマスツリーの飾りが
反射しています~!(涙)

kendi 11

柳。

kendi 12

この手の高級輸出用ケンディは、正直まだ見たことがありません。
東京国立博物館に似たものがあるようですが、
絵付けの出来は格段に劣るものです。

kendi 13

しかし、ケンディをもしお探しの方がいたら
こういう図柄の高級磁器もあったということも
是非知っておいてほしいと思います。

日本の骨董を扱う人の中には輸出古伊万里に対する
妙な偏見があって、「国産用に比べると品質は格段劣る」などと
いう人もいるようですが、実際は柿右衛門だけでなく
染付古伊万里の中にも、こういう品の良い作品がヨーロッパに向けて輸出された
わけです。

骨董収集というのは、大学受験の数学の問題を解くのと似ているように思えます。
ある一定のレベルを超えると、あとは似たような問題を以前解いたかどうかに
関わってきます。つまり、情報量の問題なわけですね。

kendi 14

Metropolitan Fine Arts Museum Oriental porcelain より。

kendi 15

Barry Davies Oriental Art より。

よく「骨董は実際に見て、手に取ってみないとわからない」などと言われます。
それはその通りですが、それ以外に骨董を知る方法がないわけでもありません。

イェール大の教授であり優れた骨董コレクターでもある友人に言わせると、
実際はどれだけの本を読んで勉強したかが大切なのだとか。
まぁ、こちらは学者ならではの見解ですが、
要は、情報量の多さがコレクターにとって、大切な要素の一つなのでしょうね。

(おまけ)

メリークリスマス!!!

Xmas tree 2

クリスチャンじゃないけど、クリスマス大好き!

Xmas tree 3

今年のクリスマスは、飛行機の中だけど。
サンタとすれ違うかな???

(´∀`*) なんつって・・・

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Category: 古伊万里

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