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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

Made In China! 染付芙蓉手向日葵文皿(清朝・中国製) 

熊本および大分地震で被災された皆様、お見舞い申し上げます。

アメリカで毎日地震のニュースを読んでいますが、
熊本と大分は若い頃からいつも訪れていた場所なので
本当に胸が痛みます。

長崎も洪水や火砕流などの自然災害被災の歴史がありますので
犠牲になった方々や家や財産を失った人達のことを思うと
他人事とは思えません。

私も、アメリカにいても出来ること、寄付やチャリティオークションへの出品などを
まずは始めてみようと思います。




さて今日アップするのは、中国・唐物の染付芙蓉手向日葵文皿です。
清王朝四代目の皇帝・康熙帝の時代のものです。

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日本のネットでも類似品を探しましたが、あまり日本ではなじみがなさそうですね。

実はこれは、Kraak Porcelain と呼ばれるもので、古くは明時代の中国からヨーロッパむけに
輸出された中国製の磁器製品のことです。
もとは、地中海を横断しヨーロッパとアラビアとの貿易をした船の呼称ですが、
後に中国やアジア製輸出磁器のことを指して、Kraak と呼ばれるようになりました。

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日本でも東インド会社からの注文で多く造られた染付の芙蓉手皿は
もとは中国製がオリジナルです。

前にも書きましたが、明が滅び満州族が清王朝を興すと
すぐに鎖国政策をすすめました。
このため、ヨーロッパで人気のあった中国製の磁器が手に入らなくなった
ヨーロッパ人は日本の有田に似た様な商品を注文します。
これが1690年ごろ流行った芙蓉手の皿なわけですね。

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芙蓉手と呼ばれるくらいなので、中国では芙蓉の花をモチーフにしたのでしょうけど
実はこれ、イギリスではAster Pattern と呼ばれます。
アスターとは蝦夷菊のこと。別名オランダ菊とも呼ばれます。

中国では芙蓉は美しい女性の形容詞ですが
オランダ人やイギリス人にはむしろこの芙蓉手の皿が
可憐な野の花に見えるのが興味深いですね。

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さてこの芙蓉手のデザインですが、実はもともとは
ペルシャのデザインから来ているのだそうで、
ペルシャ→中国→日本となります。
シルクロードの終着地点はやっぱり日本というわけです。

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1662-1722年の間に造られたこのお皿、
日本の物もそうですが、中国製のKraak もこの時代のものは
虫食いがお約束のようにあります。 

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この芙蓉手の皿、デザインが素敵ですね。
三つの向日葵が一つの皿に隠れています。

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縁。

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Kraak は明王朝時代から輸出品としてあったわけですが
清時代のものとの違いの一つは、呉須にあります。

実は明時代の呉須はペルシャからのものを好んで使っていたそうで
拡大してみると、染付の藍の部分に小さな斑点がいくつも見られます。
清の時代にも、明の磁器をまねていろいろな復刻版が出回りました。
しかし、どうしても呉須だけが手に入らず、明風の染付にするために
わざわざ斑点を書き入れて真似してみたそうです。
おもしろいですね。

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裏。

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さて、イギリスの名門美術館、ヴィクトリア & アルバート美術館の
学芸員によって書かれたこの本には、このお皿に関してかなり詳しい記述があります。

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この本によると、東インド会社の注文で造られたこれとほぼ同系のお皿は
広東を経由してオランダに運ばれる途中難破したそうです。
難破船に積まれた皿の数は、なんと17000以上!

当時のヨーロッパ人がいかに中国の磁器に夢中だったかがわかりますね。

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17000以上あったそうなので、V&A美術館にあるものが
家にあっても、まぁいいか・・?

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今では、メイドインチャイナというと、なんだかありがたくない名前ですが
それはあくまでここ100年ほどの話。

中国共産党は嫌いですが、こういう歴史を鑑みると
中国の文化というものには、尊敬の念を抱かざるを得ません。

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おそらく同じ時代に造られたものでしょうけど
こうやって日本製と中国製と並べてみると
どちらも素晴らしいな、と思います。

日本の文化を知れば知るほど、
中国大陸の文明や文化って、やはりすごいな、と思います。

今日の中国人を見ただけで中国や中国文化を馬鹿にする日本人が多いのは
大変残念なことです。

そのような人は、実は日本文化の素晴らしさを知らない人なのかもしれないな、と思えます。

きっと本当の自分の姿というものは、他人と言う鏡を通してしか
よく見えないと思うからです。


でも、中国人よ、桜の枝は折るんじゃねーぞ!!(○´・Д・`)ノ


(おまけ)

な・な・なんと、カリフォルニアに日本人が作る和菓子のお店があります。
しかも安い!

これで$20ですよ~!
アメリカ人に招かれるパーティに持っていくと喜ばれます。

甘さを抑えていて、なかなか良いですよ。
オーナーは、日系人でなく日本人なので
日本の味がちゃんと守られています。

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ありがたや・・・・

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Category: その他

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後悔した買い物 (平戸焼・染付玉唐獅子) 

骨董を集めていると、買った後に後悔することも多々あります。
みなさんはいかがでしょうか?

通常はあまり後悔する買い物をしない私ですが、骨董に関しては
いくつか「やっぱり買わなきゃよかったなぁ」と思うものもあります。

その筆頭にあるのがコレ。
明治後期の輸出物と思われる平戸焼の染付玉唐獅子の置物。

karajishi 1

平戸ファンなら、「え?なんで後悔するの?これ、いいじゃん?」と
思われるかもしれません。

まぁ、そうなんですが、値段を考えると未だに地団太を踏みたくなるわけですねぇ。
若気の至り(?)とはいえ、つい$1000近くも払ってしまったわけです。
悔しい~!!!

所蔵している平戸の中で二番目に値段が高いこの唐獅子。
$1000も払ったのは、どう考えても頭がおかしかったとしか思えません。
嗚呼・・・・返品したい・・・・

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購入したのは、もう3,4年も前でしょうか。
骨董を集めるのがおもしろくておもしろくて、熱狂していた頃でした。

平戸焼の細工物らしく、九谷の唐獅子とは比べ物にならないような
出来ではあるんですけどね。

ご覧ください、この顔の精密さといったら。
目の細工から、一本、一本の歯の細工まで
かなりよく出来ています。
平戸ならではの出来ではあります。

karajishi 3

余談ですが、大学院時代の香港人の友人に似ています。
唐獅子だしね・・・(*´ω`)┛

karajishi 4

気品のあるつくりです。
たまにネットなどで、九谷などの唐獅子を
染付だからといって平戸焼として販売しているディーラーがいますが
あれは九谷だと知っていて平戸として売っているのか、
はたまた知らずに売っているのか謎です。

他の唐獅子と平戸焼の唐獅子は、デザインの面で一線を画します。
平戸焼の細工物はたいてい、目玉を掘り込んであります。
この目玉を呉須で描いているものは、平戸でないものがほとんどです。

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もう一つ、デザイン面での特徴は、唐獅子の鬣と尻尾の部分。
まるで仏像の螺髪のように、別に造られたものを貼り付けてあります。
ちなみに、鍋島でも唐獅子の置物を白磁や青磁などで造っていますが
鬣や尻尾はこのような渦巻状の螺髪になっておりません。

このような特徴は中国の文化に影響を受けている平戸焼ならではのものです。

karajishi 6

良いお顔です

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出来の良い細工物ですが、残念ながら大量生産されたものであることは
間違いありません。

唐獅子の玉をご覧ください。
ひしゃげています。

このタイプの平戸唐獅子の置物は、この玉が壊れてしまって
まったくなかったりするものがほとんどなので、ひしゃげているとはいえ
まぁ、あるだけマシなんですけどね・・・ヽ( ´_`)丿

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唐獅子自体、中が空洞になっておらずかなり重いので
玉の細工が、焼く時に堪えられなかったのではないかと思います。

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後姿。
見よ、この螺髪。
手を抜かない平戸らしいつくりです。

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この平戸焼唐獅子の特徴ともいえる螺髪の鬣と尻尾、
どんなに小さな細工物でも、平戸焼であれば基本的にこのような造りになっています。

鍋島系も唐獅子を好みますが、このあたりのデザインの違いを
覚えておくと、平戸と鍋島の区別がしやすいように思います。

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あと、この背骨。
これも平戸の唐獅子の特徴ですね。

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さて、この唐獅子にどんな不満があるというかというと・・・

時代がやや古いと思われるもう一つの唐獅子と並べてみましょう。

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呉須の色が異なりますね。
玉唐獅子の呉須はベロ藍を使っていると思われます。
なんというか発色が下品で、並べて手に取ると
平戸焼のもつ、そこはかとない品というものが感じられないわけです。

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品がない、というのはまぁ個人的な好みですけどね。
 
ヒッチコックの「めまい」の、キム・ノヴァクを思い出しますねぇ。
おなじ女性なのに、ブロンドとブルネットではえらい違いでした。
ジミー・スチュアートではないけど、ブルネットのほうを受け入れられずに
髪を染めさせたり、上品なスーツを着せて改造しようとするあの執着心、
なんだかわかるような・・・?

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さて、そうはいっても後悔先にたたず・・・

明らかに高い買い物だった唐獅子ですが
唯一のなぐさめがこちら。

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この本は、イギリスの大英博物館にあるアジアの美術品の代表作をまとめたもの
なのですが、この唐獅子とおなじものが掲載されています。

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ちっこいぞ!(。>ω<。)ノ

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でもね、まぁいいんですけど。
ミュージアムピース(?)だしね。

(おまけ1)

BOOドッグと記念撮影。

これは2年前に大学で教えていた学生さんにもらったもの。
なんでこれくれたんだろう・・・?

(おまけ2)

ヴァイオリニストの五嶋みどりさんのコンサートに行ってきました。
なんと、曲目はチャイコフスキーのバイオリン協奏曲ですよ~!
席も、前から3列目ということで、ラッキー!
娘のヴァイオリンの先生のおかげで、なんと公演後は
楽屋へ入れてもらい、五嶋みどりさんと個人的にお会いして
サインまでしてもらいました。

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娘よ・・・ラッキーだったの、わかってる???

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Category: 平戸焼

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これも平戸焼 (白磁・双頭蟠龍細工物燭台) 

平戸焼ファンの私ですが、いろんな骨董関係のブログを読んでいると
平戸焼ってあんまりよく知られていないように思います。

よく、骨董屋に「平戸ですよ」と言われて買った、というものの中には、
「えええ???」と思うものがあります。

裏の銘が明らかに有田であったり、見た目どうしても志田とか波佐見系なのに
平戸という触れ込みで売られるものの多さといったら・・・・

平戸焼、もしかして知名度低い?
いや、それとも、有田などのちょっと上物だと平戸と勘違いして
売られるのでしょうか。

平戸焼は、明治以降の物であればたいてい裏に
「三川内・〇〇」や「平戸・〇〇」といった銘が入っていますが
それ以前となると、御用窯ですのでまったく銘が入っていないものがほとんどです。

銘が入っていない平戸焼の絵付けは、有田とは呉須の発色、磁器の質感
白磁の白さなど違いがあるわけですが、江戸後期になりますと
呉須や陶土など、有田、亀山、平戸など混ぜこぜになり、
何がなんだか見分けのつかないことも多いようです。

かくいう私も、過去に平戸と紹介しながらも、内心「ちがうんでないの?」と
思っているものもあります。
過去に紹介したこれとか、
正直言ってどうしても平戸とは思えません。

図録でも見たことないし、海外の美術館でもこんなのみたことありません。
でも、有田でも長崎でもみんな、「あ、平戸ですね」というので
そうなんでしょうけど・・・・( ̄^ ̄)ゞ
でもこんな図柄、私が知る限り平戸にはないんですよねぇ。
ブログで紹介する時、正直うしろめたさがありました。

平戸焼の全貌が知られていない理由の一つに、
御用窯であったこと、海外向け輸出のものが国内骨董市場に
なかなか出回らないことが挙げられると思います。

私の場合、平戸焼の収集を海外でしているので
結構あちこちで輸出ものなどを手に入れることができます。
平戸焼は、唐子の絵付け以外にもいろいろとおもしろいものがありますので
このブログで珍品でもなんでも、日本であまり見かけないものを
どんどん紹介していければ、と思います。

というわけで、平戸の珍品。

白磁・双頭蟠龍細工物燭台です。

dragon candle stick 1

以前、雨龍について描きましたが、このとぐろを巻いた龍を蟠龍(ばんりゅう)といいます。

中国人の龍に対する愛着と哲学は本当にたいしたもので
霊獣の龍は、いつでもどこでも大空を飛んでいるのではなく
そこへ着くまでの段階として「とぐろを巻いて未だ飛ばない龍」のことを
わざわざ蟠龍と呼ぶわけです。

臥龍や蟠龍など、立身出世の象徴である龍が
未だ風雲を得ない時期の状態をさすことを考えると
世に出るためには、持って生まれた能力だけでなく
タイミングも大切なのだということでしょう。

立身出世に重きを置く中国人らしい哲学を含んだ
象徴記号だと思います。

dragon candle stick 2

対で購入。

平戸焼の細工物はたいてい見たつもりでしたが、
これは正直初めて見ました。

フラッシュなし。

dragon candle stick 4

ご覧のとおり、状態は良くありません。
せっかくの細工も、粗雑に扱われたのか
爪も角も破損しています。
アメリカ人め!!!(。>ω<。)ノ

骨董屋で二束三文で売られていたのを
ダンナが嬉々として購入。

dragon candle stick 5

裏。

明治後期とか大正だと思います。

dragon candle stick 6

燭台。
蠟が溶けたものがたくさんついて
洗うのに一苦労。

誰が所有していたのか知りませんが
やたらめったら使いまくり、骨董屋に二束三文で
売り払ったようです。(涙)

dragon candle stick 7

dragon candle stick 8

スス。
これ以上はもうとれない・・・・

dragon candle stick 9

これとほぼ同時期に
造られたものではないかと思います。

型があったんでしょうけど、このタイプの燭台はまだ見たことがありません。

dragon candle stick 10

龍顔。

dragon candle stick 11

この燭台、最初は輸出物だとおもいましたが、レアなことを考えると
もしかしたら神社とかに奉納されていたものかもしれません。
他のブログでも見ましたが、平戸焼が神社などの用具に使われているのは
そう珍しくもありません。

アメリカには、占領時代にもって行かれた骨董もたくさん
あります。

岩国の白蛇神社のものだったりして・・・

dragon candle stick 12

この損傷ぶりのせいで、骨董的な価値はないかもしれませんが
こんな平戸焼の細工物があったということで、記録方々アップしてみました。

(おまけ)

週末が金曜日から始まる南カリフォルニア。
金曜日なんて、だーれも働いていません。

ダンナも仕事が昼までなので(←いい身分?)
ランチはリトルイタリーにあるフライドチキン専門店で。

チキンとフレンチフライにドリンク二人分で$30ドル近く。
コスパ悪い!

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ノートには、「これはJIDORI(地鶏?)というオーガニックの特別なチキンで云々」と
書いてありました。

ダンナには、「オイオイ、日本文化なんでもかんでもブランド化されて
アメリカ人に搾取されてるぞ~」とか言われる始末。

味ですか?
いや、普通のチキンでした。
別にもう行かなくてもいいかな。

IMG_0323.jpg

でも、金曜日のお昼、ガンガンかかっている音楽を聴きながら食べるフライドチキンと
ビールの組み合わせが楽しいのかも・・?
ハハ・・・・カリフォルニアだなぁ・・・・

その後はリトルイタリーで、パンチェッタ、パスタ、ワインなどを購入。
(戦利品)

この日はドクターズディということで
ダンナはワインとビスコッティのギフトをもらってきました。

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あ~、カリフォルニアン・ライフスタイル・・・
やめられませんのぅ・・・・ヽ( ´_`)丿

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Category: 平戸焼

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