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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

鹿児島フェア ~深川製磁・錦渕地文碗皿(明治時代)~ 

先日カリフォルニアの日系スーパーで「鹿児島フェア」なるものをやっていました。

鹿児島には過去一度だけ行った事がありますが、
南国らしいスケールの大きな文化が魅力です。

早速知覧茶などを購入し、帰宅。
鹿児島名物(?)のげたんはを買ってきたので
お茶でも入れようと思いましたが、せっかくなので
ずっと以前に購入した深川製磁のデミタスを使うことに。

深川製磁・錦渕地文碗皿(明治時代)

cup 1

おそらく明治後期なのでしょうけど、ご覧ください。
この凛とした佇まい。

cup 2

洗練されていますね。
気品にあふれています。

cup 3

皿・カップ全て手描きです。
技術の高さがうかがい知れます。

cup 4

裏。
富士流水。

cup 5

cup 6

cup 7

実はこれとほぼ同じデミタスが、深川製磁から出版されている明治陶磁意匠に
掲載されています。

明治の御用食器のひとつに数えられています。

cup 9

カップはほぼ同じものですが、ソーサーの柄が若干異なります。

cup 10

こちらがその本。チャイナオンザパークで入手可能です。
明治深川の商品は見ているだけで気分が上がります。

cup 11

このカップには、以前紹介した深川製磁の皿を合わせたかったのですが、未だダンボールに入ったままですので
しかたなく最近のものを合わせました。

このお皿は、6年ほど前有田の秋の陶器市にいって深川製磁本店に寄った時
福引(?)であてたもの。残念賞だったかな。
でも、ぜんぜん残念ではありませんけど・・・

cup 13

ちなみにこのお菓子、げたんは、ですが
要はよくできた黒棒のようなものです。

実は、私は基本的に黒砂糖が嫌いで、と〇やの羊羹おもひでなどは
もらった日には、「どうしよう・・?」と思ってしまいます。

さて、2年ほど前里帰りの折に、母親が「これおいしいよ」と
お土産バッグに入れてくれたのが、これによくにたお菓子でした。

母曰く、「島原にいったらマスト・バイ!」(笑)の商品だそうで、
南島原の「ポエムタケモト」というお店の人気商品なのだとか。

半信半疑で持って帰って食べてみたら、あらビックリ。
黒棒の嫌いな私でも食べられました。こんなおいしい黒棒があるんだなと妙に関心。
ネットでググルと島原では結構有名なお店のようでした。
あれから里帰りすると、島原に行かねばなぁ、と思ったりしたものですが
ついつい行きそびれていました。

ところが先日、まさか南カリフォルニアのスーパーで会えるとは!
島原の黒棒と鹿児島のげたんは、味もみかけも非常によく似ています。
島原のものは実は明治創業以来の手法でつくっているということなので
げたんはを真似しているとは言いがたいですね。
でもまぁ、どちらもおいしいので、どっちがオリジナルとかはどうでもいいこと。
(私的には、島原のほうが黒砂糖がシャリシャリしていておいしかったように思いますけど)

明治時代、洗練のきわみである洋食器をつくっていた日本人がいたその一方で
こんな素朴でおいしいお菓子を地方で作っていた職人さんがいたんですね。

洗練でも素朴でも、造った職人さんの情熱は一級品だったのです。ヾ(・∀・)ノ

cup 12

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Category: 深川忠次

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龍に思う ~染付 団龍(雨龍)波文皿~ 

骨董を集め始めて、早5、6年くらいでしょうか。

最初は、明治の深川製磁や香蘭社を手に入れては
喜んでいたものでしたが、時間が経つにつれて
収集するカテゴリーが広がったように思います。

特に好きなものは、古平戸や亀山関連ですが、
1670年ごろから輸出された古伊万里も
見つけると気分が上がります。

今日は、所謂輸出・出島古伊万里ではなく、柿右衛門様式のものをひとつ。
染付の団龍波文皿。

持っているものの中でも古い物だと思います。

empo 1

1660-1670年のもので、延宝よりもやや早い時期に
造られたものです。
古伊万里の歴史でも華々しい延宝様式の先駆けとでもいえば
よいでしょうか。

empo 2

墨はじきの波文に、見込みは円状に描かれた龍(団龍)です。

empo 3

ヤモリか?

この龍、ユーモラスですね。
実はこれを「龍」と呼んで良いものか、どうか。

この変なトカゲのような、ヤモリのような龍、
雨龍、あるいは璃龍(螭龍)と呼ばれます。

ひとくちに「龍」といっても、龍には五段階あるのだそうで
上から順に、「龍」「蛟(みずち)」「應」「蚪」「璃」と分類され、
雨龍というのは、この中でも最下位の「璃」にあたります。
早い話、幼龍のことです。
ご覧のとおり、雨龍には角がありません。

empo 4

龍も、生まれた時から龍なのではなく、
長い年月、いろんな経験を経て本物の龍になるわけですね。

龍文というのが通常、成長した龍か、あるいは雨龍であることを
考えると、象徴記号として、通常の龍は大成の、
そして雨龍は成長過程の意味を示唆しているのだと思われます。

延宝様式の輪花皿、縁には錆釉。
ところどころはげていますが、なめらかな手触りです。

empo 5

もう一つ、この皿の特筆すべき点は、その白磁の白さ。
他の時代のものと比べると、白磁の白さが抜きん出ています。

empo 6

裏。
柿右衛門様式の裏銘は、渦福などが有名ですが、
これは角福。角福でも、この銘は1660-1670年ごろに造られたものです。
この時代のあと、渦福などが出てきて、銘も多様化するようです。

empo 7

この後造られる完成度の高い作品の到来を予感させる
美しさ。

古伊万里の発達段階として捉えても、図柄としての龍になる過程にある
この皿の雨龍文は象徴的だと思います。

empo 8

さて、この皿やその後の比較的古い1670年頃の皿に共通した特徴とは
なんでしょう。

実は、色絵花盆皿
魚形皿、そして
窓絵唐花牡丹文皿などの造形で共通することで、
皿の裏の高台の内側の部分の切込みが鋭いことに気がつきました。

写真で見て、わかるかどうか・・・

柴田コレクションの本などで見ても、この特徴を知った上で写真をみると
これらの時代に造られたものの多くには同じ共通点があります。
高台が高い、というよりも、高台を内側から見たときに
切り込んだようになっているため
触った感触が、高台が高いように感じるわけです。

empo 9

2枚目。
ペアで購入したもう一枚のほう。
こちらはニュウもなく、わりと綺麗な状態です。

empo 10

縁はあちこち欠けていますが・・・・ 

empo 11

やっぱり角がありません。

empo 12

empo 13

empo 14

この雨龍、古伊万里の図柄では時々見かけますが
最初にこの皿を見たときに思い出したので
宮川香山の輸出水注でした。

kozan.jpg

取っ手の部分が雨龍になっていますね。
この水注、正式な名前にも「螭龍」とついておりまして
清朝時代の唐物に影響を受けているのだそうです。

さて、登竜門という言葉がありますが、これは鯉が滝登りをすると
龍になるという、いかにも立身出世を喜ぶ中国の文化を反映した
ことわざですね。

魚である鯉が滝登りをすることで、魚から虫へんのつく両生類、「螭」となり
何千年もの時を経て霊獣の龍となるのは、人間の想像を交えた進化論の
ようで、なぜかナットクしてしまいました。

ちなみに中国では、辰年に男児が生まれると一族は大喜びなのだそうです。
それもそのはず、中国という国は、平民でも皇帝になれるというお国柄。
でも、辰年生まれだと将来皇帝になれる可能性が大きいと思えるのだそうです。

わが夫も、「俺はイヤーオブザドラゴンの生まれだ!」と威張っておりますが
私からみるとまだまだ雨龍のちっちゃいやつですねぇ・・・・

しっかりと精進して、そのうちりっぱな黄龍になってほしいものですが・・

ね・・・・・ヽ( ´_`)丿

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Category: 古伊万里

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桃カステラと春の到来 (明治香蘭社色絵桃形桐竹鳳凰文鉢) 

2月中旬に長崎へ里帰りし、ランタン祭りを見物する際、
長崎市内のあちこちで松翁軒の桃カステラの
広告が目にとまりました。

桃カステラリンクはこちらから・・・

カステラ屋に張ってあるこの広告の前にじっと佇む私をみて、
店員さんは、「・・・???あの・・、桃カステラをお探しですか??」

桃カステラもいいけれど・・・この桃カステラの入った器はっ!!!

染付山水の桃形蓋物。
古平戸とみました・

素敵だ・・・・

実は、長崎カステラの店、松翁軒は
東の横綱・福砂屋と並び、地元では老舗中の老舗。
長崎人の間では、福砂屋か松翁軒のカステラを
おみやげに持って行けば、まず失礼には当たらないと言われております。

さて、その老舗松翁軒ですが、
本店には古伊万里などの骨董が飾られています。
それもそのはず、先代は実は骨董のコレクターで
そのコレクションは、Y・Yコレクションとして本まででているという
素晴らしいもの。
その内容は、長崎人らしい趣味にあふれたものです。
輸出古伊万里、古平戸、長与、そして亀山焼などなど。

まぁ、その松翁軒のコレクションから選ばれた蓋物をつかった
カステラの広告が他社のものより抜きん出て良いのは当然。
文化記号論ですねヽ( ´_`)丿。
長崎のお菓子には、鍋島ではなくて古平戸や
亀山が合うのは当然なのです。

中国では長寿のシンボルである桃の形を模った
砂糖細工ののったカステラは長崎に春の到来を告げます。

momo.jpg

古平戸の桃形蓋物はありませんが、
私もYYコレクションに負けじと(←いや、絶対負けている)
深川栄左衛門(明治香蘭社)の桃形鉢に文明堂の桃カステラを
のせて張り合ってみました・・・・(この器は以前紹介したものです)

文明堂の桃カステラ、という時点で既に負けているんじゃないの?と
いう声がどこからか聞こえてきそうですが・・・(空耳か?)

まぁ、そこはそれ。
桃の形のオメデタイ鉢に入れた桃カステラを見ていると、
常夏の土地でも、遠く離れた故郷にやってくる春の訪れを
感じるのでした・・・・

ちなみに、この鉢の絵柄は桐竹鳳凰文といって
中国から伝わったものです。
想像上の生き物である鳳凰は
桐の木に住み、竹の実を食べると言われ
聖帝が世に現われる時だけその姿を見せるのだとか。

深川栄左衛門は早くから磁器輸出にかかわっており
当然長崎の文化や貿易諸事情に詳しかったと思われます。
中国文化とかかわりの深い長崎文化を取り入れたこのお皿、
古平戸にはかないませんが、これも悪くはない、と思うのは
単なるスッパイブドウでしょうか・・・( ̄^ ̄)ゞ

こちらは小さい姫桃カステラ。
豆皿は大聖寺です。

hime.jpg

春ですね~。
嗚呼・・・・春眠暁をおぼえず・・・


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Category: オールド香蘭社

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九州里帰り ~湯布院編~ (古平戸・松竹梅と松茸の置物) 

もう3月、月日が過ぎるのは早いものですね。

南カリフォルニアは、もう「初夏!」という感じです。
みんな、ビーチな気分で浮かれております。

さて、2月の初旬から2週間ほど、長崎のランタン祭りをみる方々
日本に里帰りをしてきました。

2週間ほどの里帰りでしたが、ちゃっかり恒例(!)の湯布院旅行もしました。
やっぱり、これは外せませんね。

高速を飛ばして、ランチでストップしたSAは、お約束の山田SA.
名前を見て馬鹿にすることなかれ。
ここは九州高速の数あるSAの中でも、おいしい食事をだすSAなのです。
金立や基山などが有名ですが、大分方面に行く時はやっぱり山田SA!

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ここで、鶏天丼を、薬味(大分特産ゆず胡椒!)を変えたり、
だしをかけたりして食します。
日田名物・日田まぶしの鶏天バージョン、といったところでしょうか。
豚汁がつきますよ。
ウマー!

お腹がいっぱいになったところで、湯布院へ。
2月中旬でしたが、かなり寒く、湯の坪街道へ出ると、小雪がちらほら。

中国の春雪の時期だったのですが、韓国人旅行者が多かった・・・

「ここはどこの国?」って感じでした・

yufu 1

韓国人、湯布院好きなんですねぇ・・・

湯布院の寒さに震える子供たち・・・
カリフォルニアから湯布院じゃ、まるでミシ〇ンに戻ったみたいですな。
チビに至っては、寒すぎて涙目。

私はアグブーツを履いているので、余裕でした。ハハハ。

一時はひどく降った雪でしたが、まぁそこは山の天気。
しばらくすると、雪雲も晴れてきまして・・・ 

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由布岳が頂上まで見えました。

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由布岳、やっぱり綺麗ですね。

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こうなると湯の坪街道の散策が楽しくなりまして、
つい買い食いやら、いらぬものを買ったり・・・・

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金賞コロッケとか・・・ 

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爆弾たこやき、とかねぇ・・・・

yufu 10

日本に帰ってまで、そんな下衆なものを食べるのか?と
思われるかもしれませんが、いやいやどうして・・・・
アメリカでは、日本人が握る高級すしやはあっても、こういう買い食いは
なかなかできないものなのです・・・

たこやき焼いているおにいちゃんも、外国人旅行者の多さにうんざりしているのか
韓国語で、「もうない、もうないよ」と言っておりました。

おもてなし、とはいえ、こういうお仕事も大変です。

yufu 11

この後、さらにプリンどらを食べて、いそいそと宿へ。
今回泊まったのは、観布亭。
家族連れに親切なよい宿でした。
時遊館に泊まるかどうか迷ったのですが、ここもけっこうよかったかな。
でも、やっぱり列車を見ながら温泉に入りたかったです。

yufu 7

相方は、この宿が気に入ったようでした。
なんと駐車場の側に足湯があり、足湯につかり由布岳を見ながら
ただで(←ここ大事)ビールサーバーのビールが飲み放題だったのです。
「こんなところアメリカ人が知ったら大変だなぁ・・・」などと言いながら
足湯を楽しみました。

さて、湯布院で散策して一息ついたら、
金鱗湖のそばで骨董を眺めて、そのあとキャラバンでコーヒーを
いただくのが定番です。

残念ながら、数年前から骨董屋のご主人の体調が思わしくないので
いつも店が開いているわけではありません。
この日はカフェでコーヒー(ウィンナーコーヒー!ここのはスゴイ!)を頂き
骨董屋のご主人に明日来店したい由を伝え、帰りました。

翌日は件の骨董屋さんで、古平戸のかわいらしい松竹梅と松茸(?)の置物を
購入。

pine 1

これ、一見松ぼっくりですが、よくみると笹がついていて・・

ひっくりかえすと、なんと梅の花が!

pine 2

平戸のこういうところ、好きだなぁ。
人間でも骨董でも、ちょっとひとひねりしているのが好きなんだなぁ~♪(/・ω・)/ ♪

pine 3

こちらは松ぼっくりと松茸(?)いや、しいたけ?
きのこですね。

pine 5

以前にも書きましたが、こちらの骨董屋さんで
初めて平戸焼を買いました。

私と平戸焼との記念すべき出合いの場所が、湯布院とは!

ここのご主人と初めて出会ったときは、骨董のことなどなにも知らなかったのですが
親切にいろいろと教えていただきました。

観光客で賑わう土地の骨董屋には、まじめな仕事をする方がいる反面
あくどい商売をする人たちも多いと思います。

当時、湯布院の別の骨董屋では、カモがネギをしょってきたとばかりに
「おじょうちゃん(←これってどうよ?)、この花瓶(深川の40年くらい前のやつ)
8000円でいいよ」などと、売りつけられそうになり、「女だとなめられるなぁ・・」などと
うんざりしたものでした。

こちらのご主人はそういう骨董屋さんとは一線を画して
きちんと誠実な対応をしてくれました。
あれも、もう4,5年も前のことになります。

あれから平戸焼のとりこになり、平戸のみならず
いろんな骨董を集めるようになりました。
あのときの出会いがなかったら、骨董と言う世界の
阿漕さを嫌って、骨董に興味を持たなかったかもしれません。

この平戸焼の置物は、精巧な細工物としての市場価値や
希少価値はそんなに高くないかもしれません。
でも、ここで買う平戸焼には、私にとっては骨董のもつ
別の意味での特別な価値があります。

次回湯布院に来たときは、今回見せていただいた富永源六の
火入れを購入しようと思います。

また半年後に会えるよう、そんなつまらない願をかけて
湯布院を後にしました。


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Category: 平戸焼

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