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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

よいお年を(美濃焼・加藤五輔・染付竹林文皿) 

あと1日で2015年も終わりですね。
今年はいろんなことがありました。

中西部での地獄の日々(?)の後には、
カリフォルニアの極楽が待っていたり・・・
まさに天国と地獄・・・
ジェットコースターの様な一年でした。

さて、今年最後のアップは先の平戸焼で終わるかとおもいきや
画像があったので、もういっちょう。

肥前磁器コレクターの私が唯一持っている瀬戸・美濃系。

美濃の名工・加藤五輔による染付竹林文皿です。

失礼ながら、瀬戸・美濃系にはあまり興味のない私ですが
これは一目見て、買うしかないかなぁ・・・と思いました。
不覚。

いや、納得の美品です!

seto 1

端麗、の一言。
この繊細な筆遣い、素晴らしいですね~。

ちなみに、この竹林図は江戸後期の肥前では
定番中の定番。
鍋島にもあり、有田にもあり、平戸にもあり、
そしてこれらの伝統を受け継ぐ香蘭社・深川製磁にもあり。

でも、おなじ竹林図でも、それぞれの産地で絵柄が異なります。

鍋島は、秀麗。
有田は、まぁ普通。
平戸は、上品。

seto 2

これは、鍋島とも、有田とも平戸とも違います。
独特のこまやかな筆遣い、筆を使った、というよりも
ほとんどイラスト用のペンで書いたかのような繊細さ、です。

大友克洋的・・・とでもいいましょうか。
加藤五輔氏に「童夢」を描かせたら・・・・とか
いらないことを考えたりして・・・

seto 3

加藤五輔についてかるく触れておきましょう。
明治時代、政府の殖産興業推進により、
有田と並び瀬戸・美濃も
磁器の海外輸出に乗り出します。

日本製磁器の品質証明のため、各窯は世界各地で開かれた万博に
作品を出品しました。

宮川香山や香蘭社・深川製磁などが各賞を取る中、
美濃の名工・加藤五輔もパリ万博で入賞します。

この成功により、瀬戸・美濃系磁器の名声は高まったようで、
その後あっというまに有田を脅かすライバルになるわけですね~。

今日、ノリタケなどが香蘭社や深川製磁よりも人気があるのは
残念なことですが、この基盤を作ったのが加藤五輔なわけです。

seto 4

九州人としてはこの美濃の逆襲は
くやしいところですね。
肥前磁器帝国を脅かす勢力とでもいいましょうか・・・
(アメリカでは現在SW祭りの真っ只中なもんで・・・・♪(/・ω・)/ ♪

seto 5

ご覧ください。この高品質!
これが肥前のように長い歴史をもたない
窯が作った作品だとは、とても思えませんよね??
おそるべし、美濃の怪人!

seto 6

繊細きわまりない筆遣い。
上品な造形。

seto 7

洗練されています。

seto 8

加藤五輔の作品は、肥前の高級磁器に通じるものが
あると思います。

最初に見たときは、平戸か?あるいは亀山か?などと
思ったものでした。

瀬戸・美濃の中でも、加藤五輔の作品は
群を抜いていると思います。

seto 9

海外では瀬戸系は正直あまり人気がありません。
おそらく、歴史が浅いこと、そして
ノリタケのようなデザインはヨーロッパ製で
いくらでも似たようなものがあることが理由でしょう。

seto 10

2年ほどまえのことです。
フィラデルフィア美術館で、
韓国政府の共催で朝鮮文化についての展示がありました。
共催、というと聞こえが良いのですが、早い話
韓国政府がお金をだして、海外の名門美術館で
美術品を紹介して、文化をプロモートするものです。

いろんな美術品が展示してありました。
掛け軸や朝鮮お得意の青磁など・・・

その中に混じって、なんと朝鮮の王族が使用したという
家紋(?)入り食器が・・・
これがなんとこれがノリタケ製でした・・・!!

日韓併合で、日本の皇室の御用達のノリタケにも
かの国の王族の食器を作らせたのでしょうが
これはなぁ・・・・???
歴史の悲しさをいうべきか・・・

相方曰く、
「こんなのは、中国ではありえないねぇ・・・」 

まぁ、そうでしょう。

seto 11

瀬戸系の歴史は、明治以降の日本磁器の歴史でもあります。

肥前系磁器の歴史は、長崎を通じて西洋や清国と交流した
日本の歴史ですが、明治以降の磁器の歴史は
単なるロマンティシズムだけではすまない側面を
抱えているように思えました。

seto 12

暗い歴史はさておき、近代以降確固たる地位を占める
瀬戸・美濃系磁器。バブルの頃から現在にいたるまで
若い女性に人気ですね。

でも、肥前系は新興勢力である瀬戸とは
一線を画して、伝統にこだわったものづくりをしてほしい、
と思うのです。
これって海外に住む私の我侭でしょうか・・

匠文化機構の理事長である井浦新氏を起用してでも、
古伊万里の伝統を受け継ぐ肥前磁器の魅力を
もっともっと若い人にも紹介してほしいですね・・・
あれ?これってまたまた単なる私の趣味でしょうか・・??


さて、今年も、当サイトを訪問してくださった皆様、
駄文にもかかわらず読んでくださり
ありがとうございました。
インターネット上の数ある骨董サイトの中から、
わざわざこちらに足を運んでくださったかたがた、
また貴重なるコメントを寄せてくださった方々、
どうもありがとうございました。
ヴァーチャルな出会いに感謝です!

来年も収集したものの中から、いろいろとアップしていきたいと
思いますので、またまたよろしくお願いします
コメントも大歓迎ですよ(^∇^)ノ ヨロピク

では、みなさま、よいお年を。

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Category: その他

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No Country for Old Men  ~旅する平戸焼~ 

2015年も残すところあと一週間となりました。

今年最後のネタは、輸出平戸焼・染付龍山水文水注です。
水注、と書きましたが、ティーポットだと思います。

こちらです。

HD1.jpg

三川内の窯は幕末・明治を通してイギリスに沢山細工物や卵殻手を輸出しました。
龍の細工の酒注は特に人気があった様で、イギリスのオークションでは
よく見かけます。

過去にもこんなのとか
こんなのとか
こんなのを紹介しましたね。

この手の龍細工の水注は、平戸の他には宮川香山もイギリスに多く輸出しました。

アメリカやオランダの骨董市場ではあまり見かけない龍の細工物がイギリスで
多く出回っているのには理由があります。
大英帝国では、もともと王室紋章である獅子だけでなく、
竜に対しても崇拝する傾向にあります。

竜はもともとイギリスが併合したウェールズ国の象徴ですが、
竜への崇拝はウェールズの伝統だけでなく、
Dragon Slayerを好む西欧の文化背景にもよるものです。

たとえば、英国の国旗は17世紀よりユニオンジャックですが、
旗の中央にある白地に赤い十字はセント・ジョージ・クロス、
つまり聖ゲオルギオスの十字です。

邪悪な竜を退治し、人々をキリスト教に改宗させたセント・ジョージ、なんて
いかにも西洋→善、オリエント→悪という二分化された世界観を好む
ヨーロッパ人ならでは、ですね。

また、ベーオウルフにも竜退治の話が出てきますが
イギリス人の竜崇拝は、竜そのものの崇拝でなく
ドラゴンスレイヤーである自分達の先祖に対する崇拝なのかも
しれませんね。

文化の記号論ですなぁ・・・

HD2.jpg

さて、平戸焼の龍のついた水注にはいろいろなパターンがありますが、
これはかなりモダンなデザインですね。
数ある平戸焼の龍文水注のなかでも、結構珍しい形だと思います。

製作されたのが、おそらく幕末・明治頃だとすると
デザインのモダンなところが興味深いですが、
以前紹介した蔵春亭・西畝のポットとデザインが似ていますので、この時代でも
輸出向けにこんなポットを作ったんでしょうね。

HD3.jpg

この口からお湯がでてくるわけですねぇ。


気分はドラゴンスレイヤー!

HD4.jpg

このポット、完品だと思っていたら、
なんと爪がひとつ割れていました。

ぐぬぬ・・・と思っていたんですが、よく見ると
なんと爪の割れた痕に釉薬がかかっているんですよ。

一度窯で焼いた後、割れていたにもかかわらず釉薬をかけて
完成させたのでしょうが、これを見てもこの手のポットはかなり
大量生産されていたのではないでしょうか。

先に、このデザインのポットは少ないと書きましたが、
推察するに、おそらく大量輸出されていたにも関わらずデザインがモダンなこと、
美術工芸品としてのお宝的要素が他の細工物と比べて少ないことから
保存される率が低かったのではないかと思います。

よい出来だと思いますが、確かに他のデザインと比べると
「素敵!」度が低いかな・・?

HD5.jpg

山水画。

HD6.jpg

後部から。

龍の尻尾の造形が良いですね。

龍顔です。
細工物として出来栄えは悪くないと思うのですが・・・

HD7.jpg

HD8.jpg

さて、製作されたのはおそらく幕末・明治だと思います。
理由は、この時期平戸細工ものの輸出が多かったこと、
もうひとつは、呉須の色が明治後期・大正の妙に明るい色とは
異なることです。

呉須、といえば、この色と一番近いのは当初深川栄左衛門作と思われた花瓶の色です。

まぁ、この花瓶も予想としては平戸か、平戸エッセンスを盗んだ
深川栄左衛門のものだと思うのですが、いろいろと専門書を読んでみると、
呉須の発色は窯の中にあった時間の違いで異なることもあるので、
たとえ同時代に作られたものでも、そのせいで発色が異なることがあるそうです。

HD9.jpg

ためしに輸出平戸と比べてみましたが・・・

同時代・・・じゃなさそうですなぁ・・・

HD10.jpg

この二つ、写真ではそうでもありませんが、実際の発色は
かなり近いです。

HD11.jpg

19世紀半ばに大英帝国の繁栄を謳歌していたイギリス人の発注で造られた
竜(龍)細工の水注が、150年以上の時を経て、過去イギリスの植民地であり
今は新帝国となったアメリカになぜか暮らしている長崎人の手に
渡ったというのは感慨ぶかいものがあります。

骨董の魅力はこれにつきると思います。

どんなものでも、何十年、何百年という長い旅をして、
今自分の手元にある、ということ。

今を生きる自分自身と過去とのつながりを感じる
瞬間を楽しむのが骨董収集の醍醐味ですね。


・・・などと考えていると、いつもコーエン兄弟の傑作、
No Country for Old Men の名場面が浮かんできます。




Anton Chigurh: You know what date is on this coin?
Gas Station Proprietor: No.
Anton Chigurh: 1958. It's been traveling twenty-two years to get here.
And now it's here. And it's either heads or tails. And you have to say. Call it.


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Category: 平戸焼

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亀山と有田の切れない関係 ~染付兜唐草唐子文皿~ 

もういくつ寝るとクリスマス~。
もうすぐ2015年も終わりですね。

毎年この時期は、日本に里帰りしてお正月を満喫したり、諏訪神社にお参りにいったり
その帰りに馬〇骨董に遊びに行ったり、湯布院で遊んだりするのですが・・・・
今年はいろいろと忙しく、ナント正月をこちらで過ごす羽目に・・・!

ううう・・・不毛だ・・・

でも、ここはカリフォルニアなので一応ちゃんとお節を作ったりできそうです。
アジアンタウンも充実しているので、飲茶で正月、もありかなぁ・・・
(いや、邪道か?)

さて、本日はついに出し渋っていた品を紹介しましょう。

江戸後期の輸出有田のテュリーンです。

tureen 1

有田以外の肥前陶磁器に興味がない方からすると、
これはおもしろくもおかしくもない幕末輸出有田のテュリーンですね。

でも、もし長崎の亀山焼に興味がある方なら、これはなかなか興味深いものだと思います。

江戸後期に忽然と現われ、わずか50年ほどでその歴史の幕を閉じた名窯・亀山は
いまもって謎に包まれた窯であり、その作品はコレクターにとっては希少価値の高いものと
なっています。

亀山焼についての簡単な概要はこちらにくわしく紹介しています。

長崎奉行所のテコ入れで、採算を度外視し、高級磁器製造に乗り出した長崎の亀山窯は
当時入手が難しかった中国の花呉須を使用し、長崎で遊んだ南画家に絵付けをさせて
素晴らしい作品をいくつも作りました。

さて、イギリスの東アジア磁器専門家も認めた名窯・亀山ですが、一世風靡をしたあとは
幕末頃、あっというまに消えてしまいました。

tureen 2

一般的に亀山焼の特徴はその「文人画」風の絵付けなのですが、これはあくまで
日本国内・長崎近辺で見られる亀山焼の特徴であり、その全貌とは言いがたいようです。

以前紹介した皿は、唐子の絵がついていますが、これは平戸焼の唐子を真似したのではなく
清時代の唐物青花の絵付けに似せたのだと推察されます。

さて、長崎では亀山焼について語るときに
有田焼などと切り離して造られた「高級磁器」のように言われます。
幕末に造られたと思われる「亀山」風の山水画の皿などは
有田が亀山を真似て造った「アリガメ」などと呼ばれ、長崎では
高級磁器である亀山焼のイメージをこわす雑器のように蔑まれるわけです。

果たして、蔵春亭や信甫、深川栄左衛門などの輸出有田がヨーロッパで
ある程度の成功を収めていた時代に、有田が亀山焼の模倣品を本当につくったのか、
それとも財政難にあえいで窯の存続も難しかった亀山自身が、
質の悪い雑器をつくるしかなかったのか、謎は残ったままです。

tureen 3

亀山焼の終焉についてはまだまだ調査が必要なようですが、
その誕生や輸出の歴史に有田が関わっていたというのはまちがいがなさそうです。

tureen 4

こちらは19世紀中期頃まで輸出されたいわゆる有田のテュリーンです。
テュリーンとは、スープや野菜を入れる蓋のついた器のこと。
江戸後期、特に幕末には、有田からヨーロッパに向けて多くのテュリーンが
輸出されています。

柴田コレクションに載っている蔵春亭の赤絵のものが有名ですね。

それ以外にもヨーロッパ市場で見かけるものにこういうものもあります。

特筆すべきは、当然この絵付けです。
誰が見ても明らかに同一人物によって描かれた絵付け。

ひとつは輸出亀山の銘がはいった皿であり、もうひとつは輸出有田の
シグニチャー・アイテムともいえる代物。

tureen 5

当たり前に考えれば、亀山の誕生に有田が深く関わっていたというのが
理に適っています。

当時の長崎をとりまく政治・経済的側面を鑑みると
お互い協力し合って輸出貿易の利を貪っていたと考えるのが自然でしょうね。
Win Win っていつの時代もあるんだなぁ。

有田の優秀な絵付け師に、唐物青花風の絵付けをさせ、松茂堂竹芭製という、
いかにも中国!な銘をつけてヨーロッパに売り込む亀山。

それをみた有田側。

「あ?いいんじゃないの?あの染付。うちのテュリーンにも同じ絵をつけて
売っちゃおうよ」

「でも花呉須ないよ」

「なんでもいいよ。」

みたいな感じで、有田の職人さんや輸出元締めが話していたのかは知りませんが(笑)
輸出亀山の絵付けにかりだされた輸出有田専門の優秀な絵付け師が
亀山につかった図柄を自分たちの輸出有田テュリーンにも付けた、というのは
間違いなさそうですね。

tureen 6

このあたりの事情について明らかにするためには、かなり広い視野に立って
地政学や経済学などの見地から仮説を立てないとどうにもならないようです。

当時の長崎における地理・政治・経済の力学を考慮しないことには
亀山の全貌を語ることはおそらく不可能でしょう。

いずれにしても、有田・亀山の切っても切れない関係は
このテュリーンに集約されていると思います。

tureen 7

さて、唐子の絵付け。
良い絵付けですね~。

遊んだり、勉強したりする唐子の愛らしいこと!

平戸焼ファンには申し訳ないのですが、私はど~も平戸の唐子は
あんまり好きじゃないんですよね。

雅松なんて、ウマイなぁ!と思うけど妙にスタイライズされていて
アートとしてはちょっとなぁ・・・・

でも、この唐子チャンたちは生き生きしていますね。

こういう生き生きした絵付けは、中国青花の皿に通じます。

tureen 8

有田・輸出テュリーン。
同じ型をつかったのでしょう。

みんな判を押したように同じデザインです。

tureen 9

本を読みながら友達と話す唐子。

tureen 10

お~い。
遊んでないで勉強しなさい!

tureen 11

遊ぶなっつーの。

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お、こちらはちゃんと勉強していますね。

tureen 13

こちらも勉強してて、エライなぁ・・・

この斜め後ろから描かれた姿も、絵付け師の技術の高さを伺えさせますね。

tureen 14

こちらは対のテュリーン。
細部がやや異なりますが、同じ絵付けです。

全体的に歪んで見えるのは、目の錯覚ではありませんよ(笑)。

tureen 15

以前お見せした亀山焼の皿は、イギリスからの掘り出し物ですが
こちらは、オランダ・アムステルダムから購入しました。

亀山焼が、有田・平戸についで輸出染付としてヨーロッパに出回っていた、という
ソーム・ジェニンスの記述はやはり正しいようです。

tureen 16

実は、このブログをちまちま書いている間に、なんと、またもや
同じ皿を手に入れることができました。

ラッキー!!

tureen 17

最後に、このテュリーンには、亀山の銘はどこにも見当たりません。
型や呉須の具合から、輸出有田と考えるのが妥当だと思いました。

次回は平戸焼のめずらしい龍の細工物を紹介します。

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Category: 古伊万里

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明治香蘭社の魅力 (黒地花鳥透彫輪繋文鉢) 

やっと超多忙な11月が終わりました(*´ω`)┛

原稿の執筆、小学校の先生との面談、サンクスギビング、バークリー時代の友達との約束、
そしてクリスマスツリーの飾りつけ。
なんとか全部やってのけたのは、奇跡でした。

リクエストされたアップルパイも今年はちゃんとパイ生地から作ったし(←ハハハ、自慢だっ!)
相方の作った料理もおいしかったし、今年も家族みんな健康で
サンクスギビングを過ごすことができました。

さて、久しぶりのアップです。
数ある骨董のブログの中から、当サイトを定期的に覗いてくださる方には大変お待たせしました。

見せたいものは色々あるのですが、すごいのは正月頃にとって置くことにして
今日は珍しい明治時代の香蘭社を紹介します。

それがこちら。

brown bird1

明治時代後期の香蘭社のノワール(こげ茶ですが)シリーズです。
思いがけず手に入った逸品です。

以前紹介した黒地花鳥文のカップ・ソーサーと同じ図柄のものですが
ご覧の通り、輪繋の透かし彫りがほどこされた贅沢な鉢です。
うっとりと見とれてしまう美しさです。

brown bird 2

近影。
輪繋にもきちんと模様が描かれていて、大した手の込みようです。
この輪繋の装飾の細やかさなど、これまた以前紹介した色絵龍鳳凰菊牡丹花透彫輪繋文皿に通じるものが
ありますが、作品の完成度などを考えると、こちらのほうが時代がやや新しいと思います。

明治中期の作品のような荒削りでない、成熟した作品ですね。
素晴らしい、の一言です。

brown bird 3

見込みです。
絵付けの見事なこと。
チャイナを模しているのは明らかですが、なんとなく緻密な仕事ぶりが
日本製だな、と思わせますね。

brown bird 4

輪繋の近影。

どうです?この細やかな仕事!
全部手作業ですが、ものすごい手間がかかっています。

全体に色をつけて、さらに金で文様を描いています。

brown bird 6

裏にもちゃんと同じ文様が。

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輪繋の下のほうの図柄も、黒地に描かれているにもかかわらず丁寧な仕事ぶりです。
同じシリーズのカップとソーサーを比べた時に、カップの絵付けがかなり雑なことに気づきます。

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ブルーの花。なんの花でしょう(汗)?

brown bird 9

上から見たところ。

brown bird 10

近影。
大きな鉢です。
ナッツの袋を入れていたら、相方が「!!!!そんなもん、いれるな~!」と怒っていました。

brown bird 11

裏銘は朱で蘭の花です。
このマークのものは、一般に質が良いように思います。
ちなみに、金の蘭マークというものもありまして、海外では
「金蘭は皇室御用達のために造られたものだ」とまことしやかな噂が広まっていますが
たぶん違うと思います。

金蘭マークのものは質は良いけれど、皇室に納められるほどすごくもありません・・・
ま、この金蘭マークの輸出香蘭社の物もそのうちにお見せします。
(いつだ!とか怒らないでくださいね・・・リクエストがあればいつでもヾ(・∀・)ノ 

brown bird 12

そしてお約束の、シリーズ物を並べてみました。

brown bird 13

こうしてみると、香蘭社の輸出ノワールは人気があったといえども、
良質の物からそうでないものまでいろいろあったようです。
シュガーポット花瓶などは
まだまだ荒削りな部分がありますが、この黒地花鳥文シリーズはなかなか完成度が高いように思います。

この鉢は、カップなどに比べてもさらに質が高く、
実際に使用すると誰かに怒られそうです・・・

なんでも使いまくるイギリス人も、この鉢はさすがに未使用のようで
傷跡などもほとんどありません。
飾り物ですね・・・

brown bird 14

こちらは花鳥文のカップとソーサー。
有田の香蘭社本店に、古陶磁器資料として
展示してあります。

余談ですが、これをもとにした復刻版も出ているようです。
値段は・・・・カップとソーサーのセット一客で
この鉢が3つは買えそうです・・・・

brown bird 15

古いものの魅力はやっぱり手仕事からくる味わいですね。

丁寧に手描きされた作品と言うのは、それだけでも価値があると思います。
その素晴らしい仕事を眺めながら、一体外国のどんな家庭で飾られたり賞賛されたりしたのか
想像するのもまた楽し。


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Category: オールド香蘭社

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