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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

写真が無くて・・・・ ~平戸焼染付布袋型水注~ 

前回の更新から随分時間が経ちました。
次回は、ミュージアムピースの平戸焼のすごいのを紹介します、などと
大きく出たのは良いものの、学期末の忙しさも手伝ってなかなか更新できません。
ブログカウンターを見ると、定期的に覗いてくださる方がいらっしゃるので
申し訳ないやら焦るやら・・・・・

暇ができると、更新しようかなと思うのですが、問題は件のミュージアムピースの写真が
パソコンに入っていないことです。

我が家では、性能の良いカメラを夫が常時職場へ持って行きます。
カメラを毎日使う仕事なので(カメラマンではありませんよ)、まぁ仕方がないのです。
早く仕事が終わった日や週末に、小さな子供が昼寝をしている間などに
カメラを借りてブログに載せる写真を撮るのですが、なかなか疲れてたり
ほかの事をやったりしていて、タイミングが合いません。

ふぅー。言い訳がましいですなぁ。
そうこうしている内に、あっというまにもうすぐ5月!

ミュージアムピースは近日必ず載せると、予告だけして
今日はミュージアムピースには程遠い、でもミュージアムピースで無いとも言えない
平戸焼を紹介します。

それがこちら。

布袋さんの水注です。
呉須の色合いからして、おそらく大正時代だと思います。

hirado hotei pot

う~ん。
愛せない顔だ、とか言ったらバチがあたったりして・・・

明治時代以降の平戸焼には、このような大黒さんや布袋さんの型の水注が多いです。
でも、この布袋さんはあまり市場ではみかけない顔だったので
ついつい買ってしまいました。

hirado hotei pot 2

細工物を得意とする平戸焼には良質のものが沢山あります。
美術工芸品と呼んで遜色ない幕末・明治初期の平戸焼の作品と比べると
明治後期、大正時代のこれらの作品はやっぱりイマイチ感が拭えません。

そうはいっても、そこはもとは献上品であった平戸の窯ですので
質が多少下がり、大量生産しても、遊び心は忘れていません。

hirado hotei pot 3

この水注の蓋の部分をご覧ください。

なんと!唐子チャンが!!!

hirado hotei pot 4

唐扇子の蓋にへばりつく唐子とは!
なんという遊び心!

素晴らしいなぁ~
やっぱり平戸焼はこうでなくてはいけませんね~

hirado hotei pot 5

布袋さんにもさりげなく口ひげの染付が・・・・

hirado hotei pot 6

布袋の背負っている袋に水注の口があります。

hirado hotei pot 7

造形も良いですね。
型に入れて生産したのでしょう。

hirado hotei pot 8


hirado hotei pot 9

大正時代の平戸焼の水注は人気があるようですが、
残念ながらその質はあまり高くありません。

布袋さんの顔をみても、かなり釉薬が均等にかかっていないのがわかります。

hirado hotei pot 10

さてこの布袋の水注ですが、長崎歴史文化博物館の膨大な量の古平戸のアーカイブだけでなく
なんとアメリカのロスにある古平戸専門の個人美術館にも貯蔵されています。

The Kurtzman Family Collection と呼ばれるこの個人美術館のコレクションには
Allan Kurtzman というアメリカ人によって集められた古平戸の逸品の数々が収められています。

骨董趣味の発端というのは奇妙なもので、このアランさんは終生古平戸のみを集めたそうですが、
長いこと、なぜ自分がこんなに古平戸に心惹かれるかわからなかったそうです。
ある日気づいたのは、実は彼の祖母がその昔素晴らしい古平戸の置物を
家族から受け継いでずっと家の中のキャビネットに飾っていたのだそうです。

アラン氏は子供の頃からその平戸焼をみて、なんと美しい置物だろうと思っていたそうですが、
当時はそれが平戸焼とは知る由もなかったそうです。

そんな小さな頃の記憶の中のことが、ある日美術工芸品を収集するという形で
呼び戻ってくることを考えると、骨董収集とは本当にその人の個人的な思い入れに
影響される趣味なのだと思ってしまいます。

古いものは、他人にのってはガラクタで無価値なものであっても
ものの背景にある歴史を愛する人や、その物に深い思い入れがあるひとには
大変価値のあるものになるので、骨董の価値というのは
本当のところ、実質的な価値ではなく象徴的な価値なのだと思ってしまいます。

hirado hotei pot 11

Kurzman Collection には、あの染付龍山水文酒注も。。。。

hirado hotei pot 12

アメリカの古平戸収集家にとっては有名なコレクションなのですぞ・・・・

hirado hotei pot 13

でも、次回は絶対に素晴らしい平戸焼をお見せします。(近日中に!!!)

hirado hotei pot 14

おそまつさまです~。

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Category: 平戸焼

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下衆なること ~古平戸 染付波千鳥文蓋物~ 

骨董収集を趣味とする者にとって、”やってみたいけれど、やると下衆なんだよねぇ~”と
つい思ってしまうことってなんでしょう?

それはズバリ、骨董・美術工芸関連の本や美術館にあるものと同じものを手に入れたとき、
ついつい知り合いなどに、”ホラ、これと同じだよ~”と自慢してしまうことではないでしょうか・・・・

下衆だなぁ、と思うけど、ついやっちゃうんですよねぇ~
これをやると、いつも、”あ~文化人とは到底言いがたい・・・”と思います・・・
さらりと骨董を食卓などに使って見せて、”それは何?”と聞かれたら、さらりと答える・・・
そんな風にできたらいいけど、そんなの無理!

さて、今日はわかっちゃいるけどやめられない・・・・
そんな自慢話(?)をおひとつ。

昨年とある骨董ディラーから購入した蓋物。
古平戸、という触れ込みでした。

hirado covered bowl 2

染付の蓋物。
波千鳥が描かれています。

(最初見たときは、てっきり山と鳥かと思いました。)

hirado covered bowl 3

呉須が濃いのが遠目にもわかります。
たぶん幕末頃の、財政の苦しい時期の粗悪なものを使用したのだと
思いますが・・・・

日本でこの蓋物の写真を見せたら、骨董屋さん、学芸員、陶磁器会社の社長さん
みんな口をそろえて、”あ、平戸ですね?”と言ったので、平戸なのでしょう・・・・

初めて見たときは、有田か鍋島系かと思いました。

通常古平戸の染付は、写実的な絵が多いのですが、これは千鳥にしろ波にしろ
非常にスタイライズされています。

サイズは、といいますと、結構大きいんですよ。
大きいうどん用どんぶりに大きい蓋をのせたようなかんじ?

魚拓ではありませんが、となりに愛用の湯飲み(小ぶりです。ちなみに上野焼)
を置いてみました。

hirado covered bowl 4

使用目的はよくわかりませんが、輸出用の、西洋のスープを入れるチュリーンのつもりかも
しれません。通常、チュリーンだと、これくらいの大きさですが、
横にスプーンを差し込む小さい穴がついています。

hirado covered bowl 6

まぁ、すっきりとしたデザインでノーブルな感じではあります。
品がありますね。

hirado covered bowl 7

裏には、雅という銘が・・・・
いろいろ調べましたが、平戸・三川内の窯でこのような銘をつかっているところは
見つかりませんでした。

平戸雅松ではないと思うのですが・・・・・

hirado covered bowl 8

さて、この古平戸の蓋物、なにが自慢かといいますと、なんと例の
日本陶磁器収集趣味の西洋人向けバイブル、
ナンシーシファー氏の、Japanese Porcelainsに載っています。

平戸焼のページに載っているので、やっぱり平戸なのかな・・・

hirado covered bowl 9

そんなもん、いちいち自慢するな!、と怒られそうですが、まぁそういわずに・・・・

この私の手元にある古平戸の蓋物、実はこの本に掲載されているものと同じ種類ではなく
掲載されているもの、そのものなんです。

hirado covered bowl 10

これなんですね~

hirado covered bowl 11

どうしてなのかわかりませんが、もともとはこれはHouse of Blackshipが
所有していたものだそうです。

いろいろと調べてみましたが、結局House of Blackshipについては
よくわかりませんでした。おそらくロードアイランドのニューポートあたりにあった、
日本製陶磁器の良品骨董を扱う店か、小さな美術館だったのでしょう。

ちなみにロードアイランドのニューポートはボストンから車で2時間もかからない
ニューイングランドのお金持ちが行く夏のリゾート地です。
大西洋を望む豪邸(マンション)の数々は圧巻ですが、実はここは、かの黒船のペリー提督の
出身地でもあります。House of Blackshipが幕末・明治期のアメリカ船が持ち帰った
数々の肥前陶磁器の名品を収めていた場所というのは容易に想像がつきます。

1980年代に大いにふるったイマリ・マーケットですが、
ここ20年ほどはまったく振るわないそうです。
チャイナの骨董に膨大な値がつくチャイナ・バブルとは全く対称的ですね。

ともかくアメリカの由緒あるイマリ骨董ディーラーが今日苦戦しているのは明らかですが、
おそらくHouse of Blackshipも倒産に追い込まれたのでしょう。
地元のディーラに流れてきた本品を私が運よく買い上げました。

この蓋物、微妙にヒビが入っていますが、同じものが本の写真からも見て取れます。

いったいどんな縁があって我が家にきたのでしょうね。
由緒あるHouse of Blackshipからこんな家に下るとは、まさか
この古平戸も想像していなかったでしょう・・・・

驚いていること間違いなし。

hirado covered bowl 1

まぁ、いいや。

大切にしますよ(笑)。


次回も古平戸です。
こちらは本当のミュージアムピースです(笑)。


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Category: 平戸焼

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