12 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 02

肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

Tea with Fukagawa family  (お茶を濁して・・・・) 

前回の一富士二鷹三茄子の記事がブログ村の人気記事にしばらくランクインしていました。

新年早々嬉しいなぁ・・・
今年は何か良いことがあるような気がします。

後編を書かないと、と思っているんですが、どうもカメラの調子が悪く
修理に出すことにしました。
今週中にはアップできると思うのですが、あまりブログ更新が滞るのも良くないので
とりあえずパソコンにある写真でその場をしのぐ事に・・・・
後編をお待ちの方は、すみませんが今暫くお待ちください(汗)。

その間、深川一家と一緒にお茶でもどうですか?

Fukagawa family 1

香蘭社を設立した深川栄左衛門とその息子達の造った器で、勝手に深川ティーパーティ(笑)
を催すことにしました。

向かって左下のデミタスは香蘭社を創設した8代目深川栄左衛門、
向かって中央の桃形は初期香蘭社(栄左衛門の長男)、
右の小皿は深川製磁を設立した次男の深川忠次作です。

ちなみに後ろのステンドグラスは、長崎のステンドグラス作家のKen's Internationalのものです。
長崎空港に作品を置いています。(私は湯布院の骨董屋さんで買いましたけど)

Fukagawa family 2

まずは中央の初期香蘭社(明治)による色絵扇鳥文桃形鉢です。
ティータイムのお供は、長崎カステラの老舗、松翁軒のチョコラーテです。
なんといいますか、チョコレート味のカステラですね。

全国区では文明堂、地元長崎及びグルメの方は福砂屋(黄色地に蝙蝠マーク)が
なじみがあることでしょう。
余談ですが、長崎では通常お使い物は福砂屋のカステラです。これ以外が贈られると
むっとされることもあるかも・・・福砂屋以外でお使い物でOKなのは
松翁軒くらいだと思います。
カステラのランクは地元でははっきりと分かれています。

福砂屋が食べたかったのですが、日持ちがしないので松翁軒を買ってアメリカに帰ることに・・・
これはこれで十分おいしいです。

Fukagawa family 4

この桃形鉢ですが、まずは色絵をご覧ください。
以前アップした香蘭社のノワールのデミタスカップと同じシリーズと思われます。

チャイナを意識したものですが、おもしろいのはこの桃の形。
中国では桃は長寿のシンボルです。
日本一古い中華街がある長崎では桃と聞くと、めでたい!というイメージがあるんですよ。
ちなみに長崎では、女の子の初節句には桃の形のアイシングがかかった桃カステラを贈るのが
定番です。

余談ですが、亀山焼の名品にも同じ形の鉢(こちらは染付ですが)があります。

Fukagawa family 5

裏の銘は香蘭社、初期のものですので時代は明治中期くらいだと思います。

Fukagawa family 18

さて、お次は深川製磁会社による大正時代の皿です。

このお皿、深川系のものでは珍しいものだと思います。
骨董屋のおばさんの話では、美術館にあるような鍋島系のお皿(献上手)
を模倣したしたものだとか・・・
大正時代に造られたので、もちろん手描きです。
手描きの美しさもさることながら、造形も素晴らしいと思います。
シャープなラインは、優秀な職人さんでなくてはこうは造れません。
深川製磁はやっぱりすごい物づくりをする会社なのです・・・

Fukagawa family 7

近影。

Fukagawa family 9

なんだかルイ・ヴィトンのモノグラムを思わせますね。
モダンです。

こんなお皿が大正時代に造られていたとは・・・・

Fukagawa family 8

Fukagawa family 17
Fukagawa family 16

裏は深川製。
忠次時代の最初に使われていた銘とは違います。
このあたりも大正ならでは。


最後は忠次のお父さんの深川栄左衛門時代の香蘭社以前に造られた輸出用デミタスカップです。
時代は幕末から明治初期。
イギリスへの輸出品です。

Fukagawa family 10

幕末らしいデザインですね。

デミタスなので薄手で軽いものを目指したようですが、
泉山陶石ではうまくいかなかったようです。
香蘭社を創設後は、輸出デミタスカップ用には三川内(平戸)の
卵殻手を使用したようです。

でも苦心のあとが見えますね。

Fukagawa family 11

デミタスなので、エスプレッソ用が良いでしょう。
小さくて可愛いです。

Fukagawa family 12

全て手描きです。
良い時代でしたね~。

Fukagawa family 15

裏は、肥蝶山深川製。

Fukagawa family 13

深川栄左衛門の息子達は、父親の類まれなる才能と優秀な遺伝子を
間違いなく引き継いでいるようです。

Fukagawa family 14

みなさんは、香蘭社と深川製磁どちらがお好みでしょうか?

Fukagawa family 3

こんな企画、また暇ができたらやってみようかな。

では、次回は必ずや一富士二鷹三茄子の後編です~。
もう暫くお待ちください。


カステラが好きな方もポチっとお願いします~

にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

Category: 深川栄左衛門

tb 0 : cm 0   

一富士二鷹三茄子(前編) ~染付山水富士山透彫丁子香炉(風炉)~ 

明けましておめでとうございます。

このブログを初めて早9ヶ月が経ちました。
記事を読んでくださったり、コメントをしてくださる皆様に本当に感謝です。
今年は、駿馬のように(?)速く記事を更新していきたいな、と思っております。
(といいつつ、新春の挨拶が今日に至るとは・・・・)
いや・・・本当ですよ・・・

今年初めての記事なので、新春にちなんだものを紹介したいと思います。
生憎、午年にちなんだ骨董は持っていませんが、正月仕様と思われる
めでたい香炉を紹介したいと思います。

富士山の透かし彫りの入った染付山水の丁子香炉(風炉)です。
ちなみにこれはMy best item of all timeでごじゃる。


clove burner 1

さて、皆様は丁子香炉というのをご存知でしょうか?
この香炉は見てのとおり、30センチほどの高さのある大型です。
茶釜形の香炉は二層になっていて、下の段に火を入れて
上の段の丁子(クローブ)を焚き染めるようになっています。
おそらくクローブそのものを焚くのではなく、エッセンシャルオイルのようなものを
焚いたと思われます。

昨今は高級料亭の御手洗などににおい消しとして置かれる事もあるようですが
丁子香炉の用途はその時代とものによるようです。

スパイスの一種であるクローブ(丁子)は江戸時代に日本に広まったそうです。
長崎奉行の指導のもとオランダの通詞がその造り方を学んだというこの丁子油は
その後次第に貴重品として重宝されるようになったそうです。
丁子香炉そのものは貴人のために造られたそうですが
骨董として見かけることはあまりないと思います。

私が知る限り海外では、NYのメトロポリタン美術館が薩摩焼と平戸焼の
丁子香炉を所有しています。また、鍋島のお姫様が前田家に興し入れの際に
立派な丁子香炉を所持していたと聞いています。

clover burner 2

この丁子香炉、面白いのはそのモチーフです。
タイトルにも書きましたが、なんと一富士二鷹三茄子なんですよ。

まずは透かし彫りの富士山と朝日。

clove burner 3

染付山水の絵付けの見事さときたら・・・

clover burner 4

茶釜の取っ手は鷹の爪になっています。

clove burner 6

近影です。

clove burner 21
clove burner 19

釜の部分にも山水画が・・・

clove burner 5

香炉の脚の部分はなんと茄子の形です。

ナスですよ、ナス!
めでたいなぁ。

clove burner 17

表には富士山と朝日の透かし彫りが施してありますが、その裏側には
雲の透かし彫りがあります。

なかなか凝ったつくりになっています。

clove burner 8

興味深いのはモチーフだけではありません。

この茶釜形香炉のデザインも凝っていると思いませんか?
釜の下の半分は瓔珞文あるいは輪宝文に染付雲ですが、
非常にスタイライズされていると思います。

clove burner 9

その下部とは全く対照的な染付山水の手の見事なこと。
こんな山水は見たことがありません。

平戸焼の上手に山水画のものがありますが、この山水には到底及びません。
どこがどうとは言いにくいのですが、例えて言うなら平戸焼の山水は職人の手によるものです。
それに対して、こちらの山水はまるで画家が絵筆を取って描いた様な感じです。
圧倒されるような美しい画をみているような錯覚におちるこの山水はどうしても
職人が描いた物とは思えません。

clove burner 11

最初この香炉を見たときは実はてっきり中国の物だと思いました。
絵付けの素晴らしさのせいでしょうけど。

もう一つ、唐物だと思った理由は、呉須の色です。
平戸焼でも有田でも見た事のない、独特の深く澄んだ色です。

clove burner 12

問題はこの香炉がどこで造られたか、ということです。

実はこの丁子香炉、ナゾの物体Xなのです。

呉須の独特の色、高い技術を要する造形、山水画の出来などを考えると
どうしてもこの香炉、只者ではないように思えてなりません。

clove burner 13

どうしても気になるので、昨年の夏とこの冬の里帰りの折に、
この香炉の写真をいろんな人に見せてプロのご意見を伺いました。

長くなりますが、覚書も兼ねて以下に要約しておきます。

1.N市の某有名観光地近くの骨董やさん

これはたぶん瀬戸か平戸だと思う。時代はおそらく新しい、昭和時代くらいのもの。
その理由は、一富士二鷹三茄子というのは昭和時代に入ってからのものであるからだ。

備考:一富士二鷹三茄子は江戸時代には既にあった言葉である。
徳川家康にまつわる逸話からきている。

clove burner 14

2.旧鍋島藩窯のある大川内山の色鍋島ものを造る窯の社長さん。

丁子香炉を見たのは初めてである。実物を見ないとなんともいえないが
呉須の発色は長崎の亀山焼によく似ている。
有田、鍋島ではない。

clove burner 15


3.N市の骨董街である中〇川近辺の骨董兼中古品やさん。

これは便所のにおい消しだ。なんということはない。(ウッ!!!)

4.N市で一番古い商店街に店を戦前から構える有名な骨董屋さん

これはおトイレのにおい消し。でも立派なものなのでなにか謂れがあるのかも・・・
亀山にも見えるけど、これがもし亀山なら大変なことだ。

clove burner 16

5.有田の某陶磁器会社役員及び骨董ディラー。
(80年代に海外から明治有田の大作を買い戻して美術館に収めた方です。)

これが便所の香炉だと?誰が言ったのか知らないがとんでもないことだ。
これは丁子香炉というもので貴人が所有するものだ。
実物をみないとなんとも言えないが、呉須の色からすると
亀山だと思う。素晴らしいものなので大切に扱いなさい。
 
clove burner 20

6.N市にある良品の亀山焼を所有・販売する骨董屋さん。

これは絶対に亀山焼ではない。この距離(1メートル)からでもわかる。
だいたい亀山にこんな凝った作品は造れない。透かし彫りなどをする高等な技術は亀山にはない。
これは平戸か或いは有田か、瀬戸物という可能性もあるが亀山では絶対にない。
これがもし亀山だったら大変なことになる。

備考:亀山焼には透かし彫りをした作品は存在する。(天草陶石使用)

7.N県立博物館の学芸員(この博物館の亀山焼のコレクションは日本随一である。)

自分は絵画の専門であり、陶磁器の専門ではないが、これはなるほど亀山焼を
思わせる文人画風の絵付けのように見える。但し、亀山焼でこういう凝った造形のものは
まだ我々は見たことがないので、なんとも言えない。しかしながら、それはあくまで先入観であり
我々がまだ亀山焼の全貌を知らないだけなのかもしれない。

8.S県立の陶磁器博物館(柴田コレクションで有名です)の学芸員

実物を見ていないのでなんともいえないが、これは長崎の亀山焼に見える。
そうでなければ瀬戸か。有田ではないと思う。非常に珍しい作品である。

clove burner 7

さて、これが昨年2013年夏のヒヤリング(!)の成果です。
どうですか?

有田・鍋島はこれは亀山だといい、亀山を知るN市の人々はこれは有田だと言います。
なかなか複雑ですね。

まさにラビリンスに迷い込んだような謎で包まれたこの香炉。
一体、どこで誰のために作られたものなのでしょう?

購入地は、イギリスの大学都市ケンブリッジの近くの町です。
このあたりも興味深いところです。

さて、新春はまずこのナゾの物体の考察から始めたいと思います。

後編に続きます。

ブログ村に参加しています。
今年もポチッとよろしくお願いします。

にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

Category: 亀山?

tb 0 : cm 2