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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

A・B級グルメの日々 ~サウスウェスト編~ 

南カリフォルニアに引っ越して、もうすぐ一年。
ここは本当にいいところ。
地上の楽園ですよ・・・

家族みんな気に入ったので、ナントここに定住(永住?)することになりそうです。
ヤッタ~♪(/・ω・)/ ♪

いや~、まさかカリフォルニアで一生を終えるとは(←気が早い)
思ってもみませんでした。

若い頃はこれでもツッパっちゃって、
「西海岸?そんな日本人ばっかりのところやだね」とか言ったりして
東海岸へ留学したものでした。
「やっぱりアイビーリーグよね~!」とかいってね。
若かったなぁ・・・・(汗) ヽ( ´_`)丿

でも年をとるとだんだん日本に近ければ近いほど安心しますね。
ここに住んでいると、日系スーパーなんていくらでもあるし、
昼ごはんに弁当だって一平ちゃんだって買えるしなぁ・・・

もう一つは、やっぱり日本人なので海の近くでないと
落ち着きませんねぇ。太平洋を見ていると、
「あ~、これをずーっと西に泳いでいくと日本に着くんだなぁ」とか
思いますしねぇ。
いや、そんなことしたらフカに食われるって・・・(汗)

この街の良いところは、もう一つ
おいしいものが多いこと。
カリフォルニアの都市部はだいたいおいしいものが
多いのですが、この街も例外ではありません。

今日は最近食べておいしかったものを紹介します。

まずは、Chris Ruth Steak House で先日食べたフィレ・ミニョン。
11OZ(312 グラム)のステーキ、$50くらいでした。
っていうか、ワイルドすぎっ!
肉だけのっています。唖然。

Steak.jpg

味はまぁ、アメリカでも最高級の肉を使っていますので、それなりです。
「肉を食べるぞっ!」という気分の時にはいいかな・・?

個人的には、伊万里のつじ川さんのとろける伊万里ビーフのほうが
好みかも・・・?

Lobster mcn cheese

このレストランで食事して、翌日胸焼けがしたのは別に
レストランのせいではありません。

なんと、ステーキが来る前のアペタイザーにカラマリのフライと
ロブスター入りMac'n Cheese を完食。
いや、ど~考えても食べすぎでしょ・・・?

お次は、大好物のニューオーリンズ・ケイジャンフード!
遂に、遂にガンボのおいしいケイジャンのレストランを発見!

相方の職場の近くにあるレストラン。
お気に入りは、ソフトシェルクラブのフライをサイドにつけてEtouffee.
スゴイ!おいしすぎる!!

NO 1

Etouffeeは説明が難しいのですが、しいて言えばシーフードカレーみたいなかんじ?
でもインド系スパイスではなくケイジャンスパイスを使います。
日本人は絶対に好きな味だとおもうけどなぁ・・・・

ここのはザリガニが入って、これまた美味。
ソフトシェルクラブもたまりません・・・(。>ω<。)ノ

相方が頼んだのは、Fried Oyster Plate
フレンチフライにはケイジャンスパイスがかかっています。
火もちょうどよく通っています。
シェフ、やるな!!

NO 2

ニューオーリーンズ料理に飢えた二人は、この後も・・・

ゲイター(ワニ肉)のソーセージヾ(o´∀`o)ノ
ゲイターのガンボ!!

gator.jpg

ゲイターのジャンバラヤ!

NO 3

これだけ食べても、ディナーで$80!
安い!!!

贔屓にしてますヾ(o´∀`o)ノ

残念ながらこのレストランは日曜日はお休み。
じゃぁ、日曜日にガンボが食べたくなったら、どうすりゃいいの~?

と嘆いた相方、早速ダウンタウンにあるもう一つのケイジャン料理の有名店を
探してきました。

これは、ザリガニのEtouffee
$19だったかな・・?(高い!)

NO 4

味はまぁまぁですが、コスパ悪いですね。
再訪はないかな。

お次は、一月の学会で訪れたアリゾナトゥーソン。
メキシカン三昧。

mex1.jpg

これはメキシカンの朝食。
安くておいしいけれど、カリフォルニアのメキシカンのほうが
食材が新鮮で良いですね。

リゾートホテルで学会だったので、家族は楽しかったようですが
こちらはプレゼンで忙しく、十分遊べなかったのが残念でした。
まぁ、アリゾナも別に再訪はないかな・・?(グランドキャニオン以外)

こんなリポートをすると、この人は外食ばっかりしているのか?と
思われそうですが、いや私だってシッカリ主婦しておりますよ。

やっぱりナンだカンダ言ってもお家ご飯が一番!

先日は突然食べたくなって
スコッチエッグを作りました。

中は半熟だぁ~!

katsu.jpg
(小石原焼)

ちゃんとコーディネートしてないですね・・・
スコッチエッグですからね、揚げたらすぐ食べないと!とか
思うと、写真なんかちゃんと撮っている暇なんぞ
ありませんでした。

手前味噌ではないですが、このスコッチエッグ
本当においし~い!
久保田を飲みながら、お家晩酌天国。
(アメリカなのに、久保田がいつでも買えます!)

実はこのスコッチエッグ、昨年ミシガンのアナーバーの有名レストランで
出てきたもの。
アペタイザーで頼んだら、なんとスコッチエッグ一個$6

高すぎる!

このレストランもなんだかなぁ・・・
ミシガンの人がバークリーのシェ・パニーズを無理して
真似てみました、みたいな感じでいただけません。

っていうか、ミシガン大の人たち、「アナーバーにはなんでもある!」とか
東・西海岸出身者に言わないほうがいいと思うなぁ。
世界は君らが思うより広いのよ・・・?



カリフォルニアは食材も豊富なので、料理も楽しい!

あ~、やっぱりやめられませぬ。
カリフォルニアン・ライフ・・・

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Made In China! 染付芙蓉手向日葵文皿(清朝・中国製) 

熊本および大分地震で被災された皆様、お見舞い申し上げます。

アメリカで毎日地震のニュースを読んでいますが、
熊本と大分は若い頃からいつも訪れていた場所なので
本当に胸が痛みます。

長崎も洪水や火砕流などの自然災害被災の歴史がありますので
犠牲になった方々や家や財産を失った人達のことを思うと
他人事とは思えません。

私も、アメリカにいても出来ること、寄付やチャリティオークションへの出品などを
まずは始めてみようと思います。




さて今日アップするのは、中国・唐物の染付芙蓉手向日葵文皿です。
清王朝四代目の皇帝・康熙帝の時代のものです。

aster 1

日本のネットでも類似品を探しましたが、あまり日本ではなじみがなさそうですね。

実はこれは、Kraak Porcelain と呼ばれるもので、古くは明時代の中国からヨーロッパむけに
輸出された中国製の磁器製品のことです。
もとは、地中海を横断しヨーロッパとアラビアとの貿易をした船の呼称ですが、
後に中国やアジア製輸出磁器のことを指して、Kraak と呼ばれるようになりました。

aster 2

日本でも東インド会社からの注文で多く造られた染付の芙蓉手皿は
もとは中国製がオリジナルです。

前にも書きましたが、明が滅び満州族が清王朝を興すと
すぐに鎖国政策をすすめました。
このため、ヨーロッパで人気のあった中国製の磁器が手に入らなくなった
ヨーロッパ人は日本の有田に似た様な商品を注文します。
これが1690年ごろ流行った芙蓉手の皿なわけですね。

aster 3

芙蓉手と呼ばれるくらいなので、中国では芙蓉の花をモチーフにしたのでしょうけど
実はこれ、イギリスではAster Pattern と呼ばれます。
アスターとは蝦夷菊のこと。別名オランダ菊とも呼ばれます。

中国では芙蓉は美しい女性の形容詞ですが
オランダ人やイギリス人にはむしろこの芙蓉手の皿が
可憐な野の花に見えるのが興味深いですね。

aster 4

さてこの芙蓉手のデザインですが、実はもともとは
ペルシャのデザインから来ているのだそうで、
ペルシャ→中国→日本となります。
シルクロードの終着地点はやっぱり日本というわけです。

aster 5

1662-1722年の間に造られたこのお皿、
日本の物もそうですが、中国製のKraak もこの時代のものは
虫食いがお約束のようにあります。 

aster 6

この芙蓉手の皿、デザインが素敵ですね。
三つの向日葵が一つの皿に隠れています。

aster 7

縁。

aster 8

Kraak は明王朝時代から輸出品としてあったわけですが
清時代のものとの違いの一つは、呉須にあります。

実は明時代の呉須はペルシャからのものを好んで使っていたそうで
拡大してみると、染付の藍の部分に小さな斑点がいくつも見られます。
清の時代にも、明の磁器をまねていろいろな復刻版が出回りました。
しかし、どうしても呉須だけが手に入らず、明風の染付にするために
わざわざ斑点を書き入れて真似してみたそうです。
おもしろいですね。

aster 9

裏。

aster 10

さて、イギリスの名門美術館、ヴィクトリア & アルバート美術館の
学芸員によって書かれたこの本には、このお皿に関してかなり詳しい記述があります。

aster 11

この本によると、東インド会社の注文で造られたこれとほぼ同系のお皿は
広東を経由してオランダに運ばれる途中難破したそうです。
難破船に積まれた皿の数は、なんと17000以上!

当時のヨーロッパ人がいかに中国の磁器に夢中だったかがわかりますね。

aster 12

17000以上あったそうなので、V&A美術館にあるものが
家にあっても、まぁいいか・・?

aster 13

今では、メイドインチャイナというと、なんだかありがたくない名前ですが
それはあくまでここ100年ほどの話。

中国共産党は嫌いですが、こういう歴史を鑑みると
中国の文化というものには、尊敬の念を抱かざるを得ません。

aster 14

おそらく同じ時代に造られたものでしょうけど
こうやって日本製と中国製と並べてみると
どちらも素晴らしいな、と思います。

日本の文化を知れば知るほど、
中国大陸の文明や文化って、やはりすごいな、と思います。

今日の中国人を見ただけで中国や中国文化を馬鹿にする日本人が多いのは
大変残念なことです。

そのような人は、実は日本文化の素晴らしさを知らない人なのかもしれないな、と思えます。

きっと本当の自分の姿というものは、他人と言う鏡を通してしか
よく見えないと思うからです。


でも、中国人よ、桜の枝は折るんじゃねーぞ!!(○´・Д・`)ノ


(おまけ)

な・な・なんと、カリフォルニアに日本人が作る和菓子のお店があります。
しかも安い!

これで$20ですよ~!
アメリカ人に招かれるパーティに持っていくと喜ばれます。

甘さを抑えていて、なかなか良いですよ。
オーナーは、日系人でなく日本人なので
日本の味がちゃんと守られています。

wagashi.jpg

ありがたや・・・・

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よいお年を(美濃焼・加藤五輔・染付竹林文皿) 

あと1日で2015年も終わりですね。
今年はいろんなことがありました。

中西部での地獄の日々(?)の後には、
カリフォルニアの極楽が待っていたり・・・
まさに天国と地獄・・・
ジェットコースターの様な一年でした。

さて、今年最後のアップは先の平戸焼で終わるかとおもいきや
画像があったので、もういっちょう。

肥前磁器コレクターの私が唯一持っている瀬戸・美濃系。

美濃の名工・加藤五輔による染付竹林文皿です。

失礼ながら、瀬戸・美濃系にはあまり興味のない私ですが
これは一目見て、買うしかないかなぁ・・・と思いました。
不覚。

いや、納得の美品です!

seto 1

端麗、の一言。
この繊細な筆遣い、素晴らしいですね~。

ちなみに、この竹林図は江戸後期の肥前では
定番中の定番。
鍋島にもあり、有田にもあり、平戸にもあり、
そしてこれらの伝統を受け継ぐ香蘭社・深川製磁にもあり。

でも、おなじ竹林図でも、それぞれの産地で絵柄が異なります。

鍋島は、秀麗。
有田は、まぁ普通。
平戸は、上品。

seto 2

これは、鍋島とも、有田とも平戸とも違います。
独特のこまやかな筆遣い、筆を使った、というよりも
ほとんどイラスト用のペンで書いたかのような繊細さ、です。

大友克洋的・・・とでもいいましょうか。
加藤五輔氏に「童夢」を描かせたら・・・・とか
いらないことを考えたりして・・・

seto 3

加藤五輔についてかるく触れておきましょう。
明治時代、政府の殖産興業推進により、
有田と並び瀬戸・美濃も
磁器の海外輸出に乗り出します。

日本製磁器の品質証明のため、各窯は世界各地で開かれた万博に
作品を出品しました。

宮川香山や香蘭社・深川製磁などが各賞を取る中、
美濃の名工・加藤五輔もパリ万博で入賞します。

この成功により、瀬戸・美濃系磁器の名声は高まったようで、
その後あっというまに有田を脅かすライバルになるわけですね~。

今日、ノリタケなどが香蘭社や深川製磁よりも人気があるのは
残念なことですが、この基盤を作ったのが加藤五輔なわけです。

seto 4

九州人としてはこの美濃の逆襲は
くやしいところですね。
肥前磁器帝国を脅かす勢力とでもいいましょうか・・・
(アメリカでは現在SW祭りの真っ只中なもんで・・・・♪(/・ω・)/ ♪

seto 5

ご覧ください。この高品質!
これが肥前のように長い歴史をもたない
窯が作った作品だとは、とても思えませんよね??
おそるべし、美濃の怪人!

seto 6

繊細きわまりない筆遣い。
上品な造形。

seto 7

洗練されています。

seto 8

加藤五輔の作品は、肥前の高級磁器に通じるものが
あると思います。

最初に見たときは、平戸か?あるいは亀山か?などと
思ったものでした。

瀬戸・美濃の中でも、加藤五輔の作品は
群を抜いていると思います。

seto 9

海外では瀬戸系は正直あまり人気がありません。
おそらく、歴史が浅いこと、そして
ノリタケのようなデザインはヨーロッパ製で
いくらでも似たようなものがあることが理由でしょう。

seto 10

2年ほどまえのことです。
フィラデルフィア美術館で、
韓国政府の共催で朝鮮文化についての展示がありました。
共催、というと聞こえが良いのですが、早い話
韓国政府がお金をだして、海外の名門美術館で
美術品を紹介して、文化をプロモートするものです。

いろんな美術品が展示してありました。
掛け軸や朝鮮お得意の青磁など・・・

その中に混じって、なんと朝鮮の王族が使用したという
家紋(?)入り食器が・・・
これがなんとこれがノリタケ製でした・・・!!

日韓併合で、日本の皇室の御用達のノリタケにも
かの国の王族の食器を作らせたのでしょうが
これはなぁ・・・・???
歴史の悲しさをいうべきか・・・

相方曰く、
「こんなのは、中国ではありえないねぇ・・・」 

まぁ、そうでしょう。

seto 11

瀬戸系の歴史は、明治以降の日本磁器の歴史でもあります。

肥前系磁器の歴史は、長崎を通じて西洋や清国と交流した
日本の歴史ですが、明治以降の磁器の歴史は
単なるロマンティシズムだけではすまない側面を
抱えているように思えました。

seto 12

暗い歴史はさておき、近代以降確固たる地位を占める
瀬戸・美濃系磁器。バブルの頃から現在にいたるまで
若い女性に人気ですね。

でも、肥前系は新興勢力である瀬戸とは
一線を画して、伝統にこだわったものづくりをしてほしい、
と思うのです。
これって海外に住む私の我侭でしょうか・・

匠文化機構の理事長である井浦新氏を起用してでも、
古伊万里の伝統を受け継ぐ肥前磁器の魅力を
もっともっと若い人にも紹介してほしいですね・・・
あれ?これってまたまた単なる私の趣味でしょうか・・??


さて、今年も、当サイトを訪問してくださった皆様、
駄文にもかかわらず読んでくださり
ありがとうございました。
インターネット上の数ある骨董サイトの中から、
わざわざこちらに足を運んでくださったかたがた、
また貴重なるコメントを寄せてくださった方々、
どうもありがとうございました。
ヴァーチャルな出会いに感謝です!

来年も収集したものの中から、いろいろとアップしていきたいと
思いますので、またまたよろしくお願いします
コメントも大歓迎ですよ(^∇^)ノ ヨロピク

では、みなさま、よいお年を。

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ガラクタ収集 ~三彩唐獅子 ~ 

今日は珍品の紹介をします。
高級平戸磁器などを期待していた方、以下長文ですので
ガラクタに興味のない方はご遠慮ください。

さて、数ヶ月前購入したガラクタ、いや、学術的興味をそそる珍品をまず披露しましょう。
こちらです。

三彩の唐獅子。

sancai 1

これを見て、「あ、中国産のガラクタか。じゃ、もういいや~」と思った方、しばし待たれぃ~!

おっしゃることはごもっともですが、この唐獅子に見覚えはありませんでしょうか?

そうです!以前紹介したアレですよ!

ほら。これです。

sancai 2

以前紹介した平戸焼の唐獅子によく似ていると思いませんか?
この平戸唐獅子は、江戸後期から明治にかけて
ヨーロッパ、特にイギリス向けに輸出された所謂輸出平戸というやつです。

まさかと思い、並べてみるとご覧のとおり。
大きさがほぼ同じ。

外見だけが似ているのでしょうか。

sancai 3

はかりにかけて重さを見ると・・・・

平戸染付唐獅子、209グラム。

sancai 4

三彩唐獅子、204グラム。

sancai 5

どちらも中は空洞で、モルド(鋳型)で造られています。
ちなみに振ってみる、どちらもかすかな音がします。

ためしにスプーンケースを置いてみると・・・

おお! 高さもほぼ同じです!

sancai 6

横から見てみます。

sancai 7

今度は後ろから。

sancai 8

さらに横から。

sancai 9

正面顔。
細部を見てみると・・・

sancai 10

鼻の形がアシンメトリーなところ、眉、髯の位置・形もほぼ同じ。

sancai 11

裏。

素地は同じではないようです。

sancai 12

さて、この唐獅子、一体何者でしょう?

今回夏の里帰りの折に、学芸員さんや骨董商の方などにいろいろとご意見を伺いました。

大体、皆さんの最初の反応は、「中国製の唐獅子」とのことでした。
ちなみに、この唐獅子を取り扱ったオランダの骨董屋も中国物を思っていたようです。

しかし中国の古陶磁に詳しい方はご存知でしょうが、中国の唐獅子はそもそも
このような顔をしておりません。

唐獅子、というからには唐ものの獅子なのですが、日本の唐獅子は
中国や東南アジアのものとはおよそ似つかぬ外見をしています。
日本化した唐獅子、といったほうが正しいのかもしれません。

しかも、唐獅子の置物に限って言うと、鍋島、有田、九谷、平戸の唐獅子は
それぞれ異なった特徴をもっています。強いていえば、鍋島と平戸の唐獅子は
似ていなくもないのですが、平戸の唐獅子は細部が独特のつくりになっています。

この唐獅子は、平戸の唐獅子を似せてつくった三彩ものであると思います。

sancai 13

もう少し観察してみます。

この唐獅子が妙なのは、形は平戸の唐獅子であるのに、それ以外は
中国の三彩唐獅子の特徴を捉えているところです。

中国の三彩といえば、唐三彩が有名ですね。
でも、中国では唐だけでなくそれ以外の時代にも三彩は多く造られました。
三彩は、英語圏ではSpinach & Egg (ほうれんそうと卵)と言います。
色合いがグリーン(翡翠色)と黄色なのでこのような名前がついたようですが、
もともとは、中国の皇帝の印である翡翠を好んで、陶磁器の世界でもこのような色彩が
もてはやされたようでした。

その中国人が好きな三彩は、清や中華帝国(袁世凱)の時代にも造られたのだそうですが
この17世紀~20世紀に造られた唐獅子の中に、この唐獅子と特徴が似たものがあります。

中国の唐獅子の場合、全体がグリーン、毛の部分が黄色、
そして背中の一部が茶色となっています。

sancai 14

背中。

sancai 15

尻尾。

ちなみに、この尻尾の形は平戸の唐獅子独特のものです。

sancai 16

比較してみましょう。

平戸で大量生産された輸出唐獅子の尻尾は例外なくこのようになっています。
モルドで獅子の型を取りますが、その原型に渦巻状の毛を貼り付けています。

平戸の場合はこのように芸が細かいのですが、こちらの三彩はそのような手の込んだことはしていません。
モルドを造る時に、既にこの渦巻状の模様を入れています。

sancai 17

頭の後ろの部分。
平戸の場合、この部分は模様がきちんと貼り付けてあります。
優れた細工物をつくる平戸ならではですね。

こちらの三彩は、そのような貼り付けたような細工はしていません。

sancai 18

頭部。
うすいラインが見えます。

モルドを取る時に、二つの型を前部と背部に分けて取ったようです。
平戸にはこのようなモルドのあとは見当たりません。

sancai 19

この二つの唐獅子を比較して、意見をくださった皆さん、

「この唐獅子は、平戸を真似て造ったものである」(つまり平戸のほうがオリジナル)という
ことで意見は一致しました。

そうでしょう。
しかし、誰が造ったのでしょう?
それが問題なのです。

果たしてこれは中国物なのでしょうか?

私個人の意見ですが、これは中国の物ではないと思います。
というのは、これがもし平戸唐獅子を真似て造られた三彩唐獅子だった場合、
どうして中国人が平戸をまねたものを三彩で作る必要があるのでしょう?

三彩は中国が本場です。
唐物の三彩唐獅子のコピーを中国で作ることがあっても、
日本風の平戸唐獅子の三彩を一体誰が欲しがるでしょうか?
おかしな話です。

日本で骨董の話をすると、みんな中国製をまず疑うのですが
私がいつも腑に落ちない、と思うのはこれなんです。

だれがなんのために作ったか?というシンプルな疑問。

三彩が唐物と疑うのも良いですが、そこにはある程度
理にかなった仮説が必要なのではないでしょうか。

中国製の古伊万里や鍋島のコピーがあるのはよくわかります。
それは骨董市場において象徴的な価値があるので、贋作を造る意味があるわけです。

でも、日本製の三彩そのものがまず国際骨董市場に置いて
知られていません。そして当然象徴的価値というものは伴っていません。

肥前骨董の世界を考える時に、磁器として三彩を造ったものに長与三彩というものが
あります。歴史は17世紀に遡りますので一応それなりに古いのですが、経営が行き詰まることが多く、
結果既存している数が非常に少なく、幻のやきものと言われています。
長崎の亀山焼も幻といわれますが、長与に比べるとぜんぜん幻ではありません。
長崎の骨董屋に行くとたいてい一つ、二つ置いています。
しかし、長与三彩をみかけることはなかなかありません。まさに幻のやきものですね。

さて、仮にこの幻の焼物、長与焼の贋作を造って金儲けをしようとする人たちがいるとします。
そういう人たちは、たぶんまちがってもこういう細工物の三彩を造ろうとはしないと思います。
というのも、長与三彩は細工物の例がまだ見つかっていないからです。
博物館、美術館、あるいは個人が所蔵している長与三彩はいたってシンプルな形のものが多く、
置物系はまず見当たりません。
ひとくちに長与三彩といっても、時代によって特徴があるようで、18世紀後半に造られたものは三彩、
19世紀に造られたものには、三彩のほか染付などもあったそうです。
いずれにしても、細工物はありません。

このような状況を考えると、「三彩は中国ものだ」というのは容易い答えですが、
「なぜ造られたのか」という説明ができないわけです。
つまり、仮説として成り立ちません。

sancai 20

あくまで理論上の仮説ですが、私はこれはおそらく

(1)大村藩が平戸藩と協力してつくった長与三彩

あるいは

(2)平戸藩が大村藩の長与三彩の職人の協力を得てつくった平戸三彩

ではないかと思います。

sancai 21

個人的には、たぶん(1)かなぁ、というのが本音です。

幕末の肥前陶磁器というものがラビリンスのようだとあちこちで描きました。

有田の蔵春亭や田代商会の信甫が他藩である三川内に発注した卵殻手などに
色をつけて輸出したのは国外で平戸を集めるコレクターには常識です。
また、初期の輸出亀山焼の誕生に平戸や塩田(嬉野)、有田が関わったのはイギリスの学術誌に書かれています。
そのうち紹介したいと思いますが、有田X亀山の関係を証明する骨董品もいくつか所持しています。

このような一見滅茶苦茶に見える幕末肥前磁器の状況も、
当時の長崎の貿易をめぐる経済的、政治的な状況をみると
そうおかしなことではありません。

鍋島、平戸藩は長崎近郊を警護していた見返りに、長崎経由でヨーロッパに
磁器を輸出し外貨をかせぐ利益を得ていました。その状況をみた長崎奉行が
てこ入りで亀山焼きを輸出しようとしたのも道理です。その亀山窯を開くさい、
有田・平戸が関わっていたと言うのはまったく理にかないます。

江戸後期には、大村藩と平戸藩は学問や文化の面で
非常に強いつながりがありました。大村藩最後の藩主、大村 純熈は
平戸と同盟を結んでいただけでなく、長崎総奉行としての役職にもついていたわけです。
早い話、大村藩は、日本のその後を決めた幕末の長崎における政治の中心にいたわけです。

長崎貿易の元締めである奉行の頂点に立っていた大村藩がどうして
輸出磁器の利益を指をくわえて見ていたというのでしょう?

sancai 22

このような長崎の貿易を絡めた政治状況を鑑みると、Soam Jenynsの長崎のやきものに関する記述が
すんなりと理解できるような気がします。

19世紀のオランダの染付磁器のほとんどは、亀山、塩田、長与だった、というあの記述。

はじめて読んだ時は目を疑ったものでしたが、今は納得できるような気がします。

長崎湾岸警護をしながら輸出利益をあげた平戸藩と同盟を組むことで
輸出磁器の手助けを求めた末、輸出物で人気のあった平戸細工物を真似た
鋳型をつくって大村藩の窯で焼いた、というのは理にかなった仮説のように思えます。

あくまで空想の粋を出ませんが、このように説明してみると、
一応学芸員さんたちも、「今までは三彩は中国製と思っていましたが
そういう幕末の肥前の政治状況と磁器のハイブリッドな性質を考えると
これが日本製という可能性もありえますね。」と言ってくださいました。
でも、「生産地まではわからない」とのことです。

私の与太話に付き合ってくださった学芸員さん、ありがとうございました~。

さて・・・

ヨーロッパの王侯貴族は、中国からの輸出物として三彩唐獅子を
所持していたようですが、三彩そのものはヨーロッパではそう流行りませんでした。

これもサンプルとして造ったものの、あんまり売れなくて骨董屋に
唐物として流れてきたのかもしれませんね。

まぁ、いろいろと仮説をたてましたが、これが美術的な価値があまりない
ガラクタというのはまちがいなさそうですね・・・

これを見た某骨董屋のおばちゃん

「あら!(平戸をみて)これはよかねぇ~。(三彩をみて)これはねぇ~、いやらしかねぇ~
唐もんかなんかしらんけど、下品で妙に古びてみせていやらしか!」とのこと。

わが母も・・・「(平戸をみて)これはよかねぇ~。品があるねぇ。気品のある!それに比べて
こっち(三彩)はだめやねぇ~。人を感動させるものがなかねぇ~」

素人目にも、玄人目にも感動させるものがない、可哀想な三彩唐獅子。
ヨーロッパは肥前骨董収集家にとっては宝の山ですが、
さすがにこういう三彩はこれ以外には見かけません。
売れなかったのね・・・・

(余談ですが、この三彩唐獅子を売っていたオランダの骨董屋
他にも有田X亀山ものを二種類売っていました。この話はまた後日)

さて・・・・もうひとつ・・・

(2)の可能性についてですが、これはオランダから平戸へ三彩の唐獅子の注文が
あった場合、平戸が大村藩の手助けを得て三彩を造ったと言う可能性がありますが
こちらは、そのような注文を受けた文書でも発見しない限りなんともいえません。

現在、平戸・三川内の嘉助窯が平戸三彩を造っているという話を聞き、
窯元の方に三彩についてお話を伺おうと三川内へ行きましたが、
生憎その日はお店は閉まっておりました。
残念。

ちなみに我が家にもこの窯で造られた三彩の置物がありますが
発色がこの唐獅子とは異なり、鮮やかなグリーンです。
この唐獅子、どうやら現在の平戸三彩のものでもないようですね。

sancai 23

最後に・・・

オランダやイギリスには、こういった「変な肥前磁器のガラクタ」がたくさんあります。

誰になんと言われようとも、幕末肥前陶磁器の謎を解くべく(?)私のガラクタ収集は止まりませぬ(笑)。

もし、この唐獅子についてご意見・ご感想・新たな仮説(!)等がございましたら、ぜひお知らせください。


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B級グルメの日々 ~ 中西部編? 

10月に入ったと思ったら、かの州では最低気温が3度まで下がりました。
10月上旬にこれでは、真冬の気温が思いやられます。

有難いことに、2013年の7月中旬頃つけたブログのカウンターをみると
10000人を超えました!

細々とやっているブログですし、アップはいつになるかわからないし
骨董という、ネット自由自在の若い世代には受けないテーマでは
ありますが、毎日覗いてくださる方がいらっしゃるのはありがたいことです。

さて、やっと授業のほうも波に乗ってきました。
もうすぐ中間テストも始まるので、準備もありますが
今日は、ちょっとB級グルメの記事をアップしようかと思います。
骨董とは関係ありませんのであしからず。

私の職場のある某州、某市はかの財政破綻した都市です。
東海岸と比べると、文化という点ではまったく比べ物になりませんが、
自動車産業をリードしてきた都市らしく、移民が多いため
街のあちこちにエスニックタウンがあります。

全米でも特に有名なのは、中東からの移民がすむMiddle Eastern Town。
州立大学の近辺には、それはもう沢山の中東料理店がありまして
楽しいこと、この上ないわけです。

この日行ったのは、中東料理レストランの中でも老舗を誇るお店の
2号店。1号店に行きたかったのですが、周囲の話ではこちらのほうが
おいしいとのこと。

(先日1号店にも行きましたが、2号店のほうがおいしかったです!)

この日は、二人分のプラッターをオーダーしました。

まずはパセリのサラダ。

中東(シリア・レバノン)では普通なんでしょうけど、
ほんっとーに、パセリとトマトにピタが乗っただけの
シンプルなサラダです。

好みが分かれるところかなぁ・・・

お店によっては、これをレンズマメのスープに変えてくれるところもあります。

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ピタブレッドは食べ放題。
ここのは出来合いですが、店によっては焼き立てを持ってきてくれます。
こちらも好みの問題でしょうね。

私はどちらもOKです。

メインがくるまで、サラダとピタにフムスをつけて食べます。
これでもうお腹いっぱい・・・

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・・・と思っていたら、メインがやってきました。

ラムとビーフのシシカバブ、マリネしたグリルドチキン、ラムミンチの串焼き・・・
肉食ですなぁ・・・

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これは別の店のプラッターです。
内容はほぼ同じ。

味のほうは、といいますと、中東から来た人たちが太鼓判を押すおいしさ。

全米における中東料理のメッカ(←おおっ!シャレがきいています。)ですので
どの店に入っても、大体失敗することはありません。
どこの料理も似たり寄ったり、そしてとてもおいしいです。

これに炭酸ソーダを3つつけて、30ドルちょっとくらい。
安い!

食べきれないくらいの量です。

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お次は、シカゴのディープディッシュピッツァ。
シカゴの名物ですよね。

7月後半たまたま、アンティークロードショーのチケットが当たったので
行ってきました。
こちらのほうは、なんといいますか、骨董ディーラーが見せたものに値段をつけるのですが
アジア美術とひとまとめにされるので、たまったものではありません。
わけのわからないディーラーに、”これは、エット20世紀のものですよ”
”いやいや、まちがえました。19世紀でしょう”などと言われ、ムッとして会場を後にしました。
ディーラーの中には、ものの金銭的な価値にしか興味のない人もいますので
骨董の話はやっぱり学芸員とするのがいいかなぁ、と思いました。

その後、せっかくシカゴに来たのでダウンタウンに行き
ピザを食べることに・・・・

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大きいんですよね・・・

味は、と言いますと・・・・

ウーン。

実は私は、ニューイングランド地方のコネチカット州に何年か住んでいました。
とある有名校のお膝元であるこの街、実はハンバーガーが最初にアメリカで作られたことでも
有名なのですが、ピザの名店が軒を並べることでも知られています。

薄めのクリスピーな生地に魚介類のホワイトソースとトマトのソーセージの赤いソースを
半分ずつ焼いてくれるピザは本当に絶品なんですねぇ。

それに慣れていたせいもあり、はたまた引っ越す前の自分の家の庭に
自家製のピザ用アースオーブンを作ったくらいピザに凝っていた私ですので
シカゴのピザは・・・・

”なんじゃぁ~!こりゃぁ!!!”

って感じでした。

"mess!"

ぐちゃぐちゃ・・・


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さて、お次はお気に入りのメキシカンタウン。
D市には、中東以外にもいくつものエスニックタウンが点在していますが
このメキシカンタウンはデトロイトの南西に位置しています。

私はSFベイエリアの生活が長かったせいもあり
メキシカンが大好きです。
カリフォルニアのメキシカンはフレッシュで、テキサスのアメリカ人向け
Tex-Mexよりも好み。

さて、この街のメキシカンはどうでしょう?

D市のメキシカンタウンは、市街地よりちょっと離れて治安はかなり悪いです。
ダウンタウンより危ないようですが、昼間はまぁ大丈夫でしょう。
日本人の人口が多いM州ですが、メキシカンタウンで日本人を見ることは
まずありません。
旅行者には、夜行くことは絶対にお薦めしません。

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さて、ここがレストラン。

メキシカンな雰囲気が漂っていますね。
手製の彫刻をした、目にもまぶしいメキシカンなカラーの
イスが素敵です。

入っていったら、地元のメキシカン達は案の定ビックリしていました。
アジア人が家族で来ることってめったにないんでしょうね。

でも、そこは(一般人は)人懐っこいメキシカンですので
ニッコリ迎えてもらいました。

オーダーしたのはこちら。
いろんなものが一緒に食べられるプラッターです。

D市のメキシカンタウン、侮れません。
豚肉をマリネしたものを挟んだタコスのおいしいこと!

別の意味で、”なんじゃぁ!こりゃぁ~!”と嬉しい悲鳴を勝手に上げてしまいました。

エンチラーダ、細めのブリトーがつきます。
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これに、食べ放題のトルティーヤチップスと3-4種類のディップがついて、
さらに炭酸ソーダをつけて、家族四人お腹いっぱい食べました。
チップ込みで30ドルも払いませんでしたよ。

素晴らしすぎるメキシカンタウン!
治安が悪いのが難点ですが、このおいしさ、この安さ、やめられませぬ。

この州に引っ越してきて早3ヶ月。
だんだんこの街が好きになっています。

あ・・・・でもやっぱり来年は東海岸に帰りたいかなぁ・・・・


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Category: その他

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