09 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

これが湖東焼! (染付・色絵 鳥形名花十友紋皿) 

先日のこと、相方がとあるオークションハウスのラインアップを
見ながら、突然こんなことを言いました。

「これ、変な皿だよなぁ。パッと見は唐物なのによく見ると美濃にも
見えるよ。裏の銘なんて書いてあるの??」

「???」

おおお・・・デジャヴです。
前にもそんなこと言ってなかったっけ?

そーだ!以前五人唐子の亀山焼の皿を見たときに、似たようなことを言ってたっけ。

「唐物のようで唐物でなく、有田のようで有田でない」

そうです。19世紀前半、突如現れ、江戸時代が終わるとほぼ同時に忽然と消えた
あの長崎の名陶、亀山焼です。

どれどれ・・・と裏銘をみると、なんと!あの湖東焼ではありませんか。

「これは湖東焼だよ」と教えると、
「コトー?なにそれ?瀬戸?なら、いらない。」と言います。

「いやいや、ホラ、幕末の桜田門外の変で暗殺された大老がいたよね?
あの大老が保護した藩窯のものだよ。」と説明すると、突如興味を示しました。

長崎奉行がテコ入れし、長崎文化の粋を極めて造られた亀山焼同様、
彦根藩の湖東焼もまた、時の大老であり文化人でもあった井伊直弼の栄華を
反映するかのような質の高い磁器を造りました。

基本、肥前磁器以外は全く興味のない私たちですが、
湖東焼の歴史性と亀山焼との類似性に惹かれ、購入することに。

まぁ、平戸とか柿右衛門に比べると
そう高い買い物でもなかったんですけどね・・・
きっと海外では知られていないからでしょう。
儲けもんでした(* ´ ▽ ` *)

いらっしゃいませ。
染付・色絵 鳥形名花十友紋皿 
江戸後期。

koto 1

湖東焼については、門外漢なので詳しくはありません。
悪しからず。

実は、このブログを始める前は湖東焼の存在すら知らなかったのですが
以前コメントをくださっていた方のブログに時々その名が出てきて
いたので、「琵琶湖のあたりに磁器があったらしい」くらいには知っていました。
なんでも、長崎の亀山同様1820年頃商人によって開窯し、その後は
文化レベルの高い彦根藩の支援を受けて、文人好みの磁器を造ったのだそうです。
井伊直弼の頃に黄金期を迎えますが、大老暗殺後はその後ろ盾を失い
明治の頃には消滅したようです。

亀山焼の歴史と、開窯の時期といい、文化背景といい
政治的な背景といい、なんだか似ていますね。

その後某有名骨董ブロガーさんなどのブログを見ると
面白いことに、染付湖東焼の中にどことなく亀山焼を思わせるものが
あることに気づきました。

キーポイントは、日本磁器と文人趣味の融合にあると言えるでしょう。
亀山焼は長崎における中国趣味を反映したものでした。
しかし、もともと茶の文化は中国の禅文化に由来しますので、
中国文化と茶道文化(特に煎茶文化)とは重なる部分があります。

ちなみに、長崎の中国文化のもとは福建省から
やってきた黄檗宗。隠元隆琦を最初に迎えたのは
宇治の萬福寺ではなく、長崎の興福寺なんです。
江戸時代の長崎には唐人町があり、今日も中国文化の影響を
色濃く残します。

長崎南画をやきものの絵付けに反映させた長崎の亀山と、
彦根の茶人井伊直弼の支援した湖東焼は
中国由来の茶文化(煎茶)を通して、ちゃんとつながりますね。

koto 2

この皿、どこが文人趣味なのでしょう。
実はこの図柄、名花十友といって、宋の時代
曾端伯が十の名花を十種類の友人に例えたもので、
南画のテーマとしてもよく見かけますので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

koto 3

その十種類の友人とは・・・
ざっと述べると、こんな感じです。

茶蘼(韻友)  
茉莉(雅友)  
瑞香(殊友)  
荷花(浮友)
巌桂(仙友)  
海棠(名友)  
菊花(佳友)  
芍薬(艶友)
梅花(清友)  
梔子(禅友)

さすが中国の文化・・・・ふっ深い!

koto 4

中国の宋の文化は、日本文化とゆかりがあります。
それもそのはず、鎌倉時代に禅宗が日本に広まったわけですが
この時に中国の禅文化も、仏教の教えのみならず入ってきます。
茶の風習、絵画などは鎌倉時代に日本文化に大いに取り入れられます。

先日、中国の嵩山少林寺のお坊さんを家に招いて
ピザでおもてなし(?)したんですが、その時お師匠さん曰く、
「日本の水墨画は中国の宋時代のものを良く継承していますね」。

お?何気に上から目線ですが?Σ(´Д`*)
いやいやいいんですよ。

まぁ、このように宋の文化というのは日本における
禅文化に大いに影響しているわけです。

話をもどしますと、名花十友が茶道具や
南画のテーマとして扱われるのは、このような理由からです。

koto 5

さて、この皿ですが名品にはちがいありません。
どうも、絵付けが酷似していることから、
こちらとの姉妹品であると思われます。

スクロールダウンして、湖東焼の茶道具を見てください。
湖東焼「染付名花十友図水注」として載っています。

koto 6

大津にある水注は染付ですので、こちらの染付皿と一緒に
使うのでしょうか。

湖東焼というのは、有田系のもの、九谷系のもの、古九谷系のものなど
いろんな高級磁器を模して造られたようですが、こういった染付に部分的に色をつけているのは
珍しいのではないかと思います。

亀山も同様で、たま~に染付にちょっとだけ色をつけたものがあるようで
このような作品は珍品中の珍品と言われています。

本当に亀山に似ていますね。

koto 7

裏。
koto 8

お約束の湖東の銘が。

koto 9

湖東焼の中でもかなり良いものではないでしょうか。
裏までなかなか凝っています。

koto 10

なかなかシャープに仕上がっています。
陶石はなにをつかっていたんでしょう。
気になります。

koto 11

部分色絵の皿です。
並べてみました。

こうやってみると、呉須の発色が濃いですね。

koto 12

こちらは染付。

koto 13

先のリンクにもある通り、昨年10月から年末まで滋賀県で開催された
「珠玉の湖東焼」に出ている水注とペアの皿は、こちらです。
煎茶道具なので、菓子皿ではないかと思います。

koto 14

良い絵付けですが、上記の色絵のものと比べると
やや質が劣るように思えます。

koto 15

それにしても、染付皿のこの呉須の発色。
幕末頃の深川栄左衛門の皿を思わせます。

koto 16

このような高級磁器の呉須の発色の類似性、面白いですね。

こういった深く鮮やかな色は、有田の輸出用高級磁器、亀山焼などに
大いに使われているわけです。
似た発色の呉須が、この高級磁器に見られるのは
非常に興味深いですね。

koto 17

裏。(染付)

koto 18

発色が濃いのは、温度のせいでしょう。

koto 19

どんな干菓子でもあいそうです。

ここは緑茶でなく、本場の福建省、あるいは台湾高山のウーロン茶でも入れたいところです。
先日、少林寺のお坊さんに頂いたお茶でも入れますかね(^∇^)

koto 20

名窯・湖東焼に使われた呉須、しかと観察しました。
1800年から始まった深く鮮やかな「呉須の秘密」、
どこからやってきたのかついにヒントを掴みつつあります。
でも・・・まだ秘密です。

koto 21



ブログ村に参加しています。
ポチっとヨロぴく。

にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ
にほんブログ村


にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

Category: 湖東焼

tb 0 : cm 0