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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

嬉しいサプライズ! ~色絵雲竜文珈琲碗(年木庵喜三製・香蘭社)~ 

祝!カズオ・イシグロ、ノーベル文学賞受賞!

朝、ベッドの中で 携帯のBBCのサイトを見たら、
なんと!カズオ・イシグロがノーベル文学賞を
受賞したというニュースが!

「え?えええええええ!!!」

なんという嬉しいサプライズ。

村上春樹がノーベル賞を取るよりも、なぜか納得。
アメリカでは村上春樹は人気あるけど、私の場合は
「ノルウェイの森」を大学で読んだ時のトラウマが大きすぎますなぁ(笑)
一体なんなの?あの話は??  (*`皿´*)ノ

ハルキストの兄に言わせると、「ノルウェイの森」から始めるのは
良くないらしい・・・ドストエフスキーの「罪と罰」のようなものか・・?
「カラマーゾフの兄弟」とか「虐げられたもの」とかから入ると面白いのにね・・・

さて、カズオ・イシグロといえば、A pale view of hills,
An artist of the floating world, The remains of the day, Never Let me goなどなどが
有名どころでしょうか。
うちの相方もカズオ・イシグロは好きらしく、特に初期の長崎ものが気に入っているようです。
あまり文学青年(もう中年か・・)っぽくない相方ですが、遠く離れた故郷の、薄れていく思い出の
輪郭をなぞるような感じに共感するのではないかと思います。
小さいころにイギリスに移住して、自分は日本人だと思っていたのに気づいてみると
日本人でもなく、イギリス人でもない何者かになっていた、というThird Place に置かれた
アイデンティティに共感するのではないかと、勝手に推測しています。

まぁ、とにかくめでたい。カズオ・イシグロだけでなく、吉田修一など
長崎出身の作家が欧米受けするのは嬉しい限りです。
遠藤周作も長崎を故郷だと思っていたそうですが、戦後の長崎は
いろんな意味で文学性の高いコンテクストだったと言えるのではないかと思います。


閑話休題。
今日は軽いものを紹介します。
明治・香蘭社のデミタスカップですが、絢爛豪華な明治時代の
食器の中でも、群を抜く秀逸さです。

demi dragon 1

これは香蘭社初期のもので、香蘭社の深川栄左衛門が深海墨之助や辻勝蔵と
共同で起業し、磁器を製造していた頃のものです。
有田でも有数のハイエンドの
磁器を造る窯元が三つも集まった、ということで、香蘭社の成功は
予想通りのことだったと思いますが、初期の香蘭社は、この三つの優秀な窯元が
造った作品にまだそれぞれのカラーをはっきり残していて、興味深いです。

demi dragon 2

これは深海墨之助の窯で作られたもので、年木庵喜三の銘と香蘭社の銘が
二つ入っています。

demi dragon 3

皿。
ご覧ください、この雲竜文。
色絵のエナメルが皿の表面に凹凸をつけて、なんともいえず躍動感があります。

demi dragon 4

輸出用に作られてものでしょう。
手抜きは一切なし。
これを今日香蘭社で買うとなると、いったい何万くらいするでしょうか。
10万くらいするのではないかな?

demi dragon 5

高台にもちゃんと細工、模様がはいります。
明治の輸出デミタスには素晴らしい出来のものがいくつもありますが、
さすがにこのデミタスを超えるものはなかなか見つかりません。

demi dragon 6

やっぱり、明治の有田はすごい!

demi dragon 10

さて、明治ものの収集はやめようかと思っていたのですが、この夏たまたま紀伊国屋で
「明治有田・超絶の美」を見つけてしまいました。
九陶ではすでに売り切れていたのですが、灯台下暗し。
紀伊国屋にあったとは!

早速、イソイソとめくってみると、おおっ~!これはスゴイ!
幕末(田代・信甫)から始まって、香蘭社の設立、各国の万博への出品作品など
明治・有田の魅力を余すところなく伝えています。
しかも、香蘭社の作品だけでなく、図案帳まで載っています。
おいしすぎます。

demi dragon 7

中には、このカップとモチーフなど非常によく似た
花瓶が載っていました。フィラデルフィア万博出品の一部でしょうか。

demi dragon 8

花瓶は無理ですが、デミタスはなんとか手に入りました。
o(^▽^)o 素敵だ!

余談ですが、この中に掲載されているもの、家にも
結構ありました。

明治・有田の魅力は、時代が新しいので手に入りやすいことです。
骨董的な価値は(まだ)それほど高くありませんが、その質の高さを
考えると、やはり収集するのは賢い選択のように思えます。

demi dragon 9

せっかくなので、コーヒーを淹れてみました。

demi dragon 11

おともには、小浜名物・クルス。
皿は、深川製磁のチョコレート・トレイ。
長男が生まれた年のお正月に、
記念に本店で購入。

正直、クルスはあまり好きではないのですが、今回は
お土産用の缶についつい魅力を感じて、購入しました。

demi dragon 12

これが缶。
長崎名物、チンチン電車の形です。
長崎は地形のせいか路地が多く、野良猫があちこちにいます。
蓋には、長崎の観光名所がのっていて、キュートでありまする。

demi dragon 13

カズオ・イシグロのいうところの、A Pale View of Hills は、思い出の中でも
実際に訪れても美しいのです。

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明治意匠の魅力 

海外で骨董を収集する私の趣味は、国内のコレクターの趣味とは
若干異なるようです。

本来なら、染付の蕎麦猪口とか集めて、日本人の美意識である
「粋」とやらを見出したり楽しむべきなんでしょうけど、海外市場には
あんまり蕎麦猪口とかないしなぁ・・・・

それに、正直なところ蕎麦猪口って
あんまり魅力を感じないんですよねぇ・・・・( ̄^ ̄)ゞ
トキメキがないんだなぁ、これが・・・

それよりも、どちらかというと輸出物に心惹かれます。
海外市場で戦った日本製品の持つドラマ性に魅かれるのかもしれません。
ま、あくまで趣味の問題なんでしょうけどね(´・Д・)」

さて、今日は明治香蘭社のデミタスカップを紹介します。

demitasse.jpg

これぞ明治意匠!
キラキラしているのに上品なのはさすが明治香蘭社!
うぅ~む!これはトキメク!

万国博覧会に出品していた頃のものでしょう。
香蘭社の歴史の中でも、最盛期のものだと言って良いと思います。

demitasse2.jpg

松竹梅のモチーフです。
窓絵には、松・竹・梅の花が入ります。


こちらは竹。
demitasse3.jpg

窓絵の間には、これまた明治意匠のお約束、鳳凰と桐。

皇室御用達らしい意匠ですね。
鳳凰と桐は天皇にちなんだのでしょうか。

demitasse 4

カップとソーサー。
裏面は染付で蘭のマークが入っています。

demitasse 5

カップの内側にも絵付けがしてあり、かなり手が込んでいますね。
明治はやっぱりすごい時代だったのだと、改めて思わされます。

demitasse 6

ソーサー。
まったく手抜きがありません。

demitasse 7

近影。
写真を撮るのが下手なので、このカップの絵付けのすごさが
わかっていただけるかどうか・・・・

demitasse 10

デミタスですが、他のコレクションと比べてこれは若干小さめに作られています。
平戸に発注された卵殻手ではないので、有田で造られたものなのでしょう。

demitasse 11

明治のデミタスを並べてみました。

右から、深川製磁(明治後期)、香蘭社(明治中期)、香蘭社(明治中期)。

demitasse 8

個人的には深川製磁の製品が好きな私ですが、明治香蘭社の製品には
どうにもあらがい難い魅力があります。

深川製磁のものはモダンで洗練されていますが、香蘭社のものは
豪華絢爛で勢いがあるように思えます。

こういう美しいものを見ると、本当に昨今の流行りには不満を感じます。
北欧系などの「こんなデザイン、子供でも描けるわ~」と思うようなものが
若い女性や奥様達の間で流行っていますね。

こういうものをかわいいとかモダンだとか愛でるのは個人の勝手ですが、
これが主流となり、昨今主流であるがゆえに、こういうものが「良いもの」なのだと
認識されるようになると、「オイオイ」と思ってしまいます。

流行りというものは、それはそれで結構ですが
良質の文化というのは時間が経っても色あせないものです。
メディアというのは、そういう良質の物やそれを作り出す人材を
守る義務があると思うのですがねぇ・・・・

過度な商業主義も考えものです。
日本の文化がアメリカ文化のような中流レベルに停滞するのは
いかがなものでしょう・・?( ̄^ ̄)ゞ

それにしても、ポストモダンだと理論ではツッパっても、
根っこは案外権威主義的な私であります(汗)
馬脚をあらわした私・・・・
ハハッ    ヽ( ´_`)丿

demitasse 9

でも、まぁ良いものは良い!150年経っても良い!
これは一つの真理なのであります!


(おまけ)

メキシコ国境の街にある和菓子屋さんへ月一くらいで
車を走らせる私。

これで$13  

sweets.jpg

ご主人は、敦賀の人だそうです。
アメリカに来たくて、なにか一つ技術を身につけねば、と
和菓子を勉強したそう。

LAにも和菓子屋さんはありますが、ここのは本当に
おいしくて日本人むけです。

アメリカ人にも人気のお店ですが、ご主人は
そんなことはどこ吹く風。

「なんで、こんなもん人気あるの?こんなん日本だったらどこにもあるよねぇ?
珍しくもなんともないけど・・・あの人(アメリカ人)たちには珍しいから
こんなとこまで買いに来てくれはるんかなぁ・・?」と言っておりました。

その昔、長崎市でのお茶会で出される和菓子は
平和公園近辺にある和菓子店というのがお約束でした。
白あんは甘すぎず上品、しかもお値段もお手ごろ価格でした。

ここのお菓子は、見た目は一流和菓子店のものには
及びませんが、味は長崎のあのお店に近いと思います。

まぁ、アメリカにも宗家源吉兆庵だの、神戸風月堂とか
あるんですけどねぇ・・・
有名店のって高いばっかりで、味はそうでもないよね・・

皿は明治の有田。

arita 1

こちら、皿は大聖寺。

敦賀のお菓子なので、大聖寺の皿がよく似合っています。

daishouji hogestu

ごちそうさまでした。

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桃カステラと春の到来 (明治香蘭社色絵桃形桐竹鳳凰文鉢) 

2月中旬に長崎へ里帰りし、ランタン祭りを見物する際、
長崎市内のあちこちで松翁軒の桃カステラの
広告が目にとまりました。

桃カステラリンクはこちらから・・・

カステラ屋に張ってあるこの広告の前にじっと佇む私をみて、
店員さんは、「・・・???あの・・、桃カステラをお探しですか??」

桃カステラもいいけれど・・・この桃カステラの入った器はっ!!!

染付山水の桃形蓋物。
古平戸とみました・

素敵だ・・・・

実は、長崎カステラの店、松翁軒は
東の横綱・福砂屋と並び、地元では老舗中の老舗。
長崎人の間では、福砂屋か松翁軒のカステラを
おみやげに持って行けば、まず失礼には当たらないと言われております。

さて、その老舗松翁軒ですが、
本店には古伊万里などの骨董が飾られています。
それもそのはず、先代は実は骨董のコレクターで
そのコレクションは、Y・Yコレクションとして本まででているという
素晴らしいもの。
その内容は、長崎人らしい趣味にあふれたものです。
輸出古伊万里、古平戸、長与、そして亀山焼などなど。

まぁ、その松翁軒のコレクションから選ばれた蓋物をつかった
カステラの広告が他社のものより抜きん出て良いのは当然。
文化記号論ですねヽ( ´_`)丿。
長崎のお菓子には、鍋島ではなくて古平戸や
亀山が合うのは当然なのです。

中国では長寿のシンボルである桃の形を模った
砂糖細工ののったカステラは長崎に春の到来を告げます。

momo.jpg

古平戸の桃形蓋物はありませんが、
私もYYコレクションに負けじと(←いや、絶対負けている)
深川栄左衛門(明治香蘭社)の桃形鉢に文明堂の桃カステラを
のせて張り合ってみました・・・・(この器は以前紹介したものです)

文明堂の桃カステラ、という時点で既に負けているんじゃないの?と
いう声がどこからか聞こえてきそうですが・・・(空耳か?)

まぁ、そこはそれ。
桃の形のオメデタイ鉢に入れた桃カステラを見ていると、
常夏の土地でも、遠く離れた故郷にやってくる春の訪れを
感じるのでした・・・・

ちなみに、この鉢の絵柄は桐竹鳳凰文といって
中国から伝わったものです。
想像上の生き物である鳳凰は
桐の木に住み、竹の実を食べると言われ
聖帝が世に現われる時だけその姿を見せるのだとか。

深川栄左衛門は早くから磁器輸出にかかわっており
当然長崎の文化や貿易諸事情に詳しかったと思われます。
中国文化とかかわりの深い長崎文化を取り入れたこのお皿、
古平戸にはかないませんが、これも悪くはない、と思うのは
単なるスッパイブドウでしょうか・・・( ̄^ ̄)ゞ

こちらは小さい姫桃カステラ。
豆皿は大聖寺です。

hime.jpg

春ですね~。
嗚呼・・・・春眠暁をおぼえず・・・


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明治香蘭社の魅力 (黒地花鳥透彫輪繋文鉢) 

やっと超多忙な11月が終わりました(*´ω`)┛

原稿の執筆、小学校の先生との面談、サンクスギビング、バークリー時代の友達との約束、
そしてクリスマスツリーの飾りつけ。
なんとか全部やってのけたのは、奇跡でした。

リクエストされたアップルパイも今年はちゃんとパイ生地から作ったし(←ハハハ、自慢だっ!)
相方の作った料理もおいしかったし、今年も家族みんな健康で
サンクスギビングを過ごすことができました。

さて、久しぶりのアップです。
数ある骨董のブログの中から、当サイトを定期的に覗いてくださる方には大変お待たせしました。

見せたいものは色々あるのですが、すごいのは正月頃にとって置くことにして
今日は珍しい明治時代の香蘭社を紹介します。

それがこちら。

brown bird1

明治時代後期の香蘭社のノワール(こげ茶ですが)シリーズです。
思いがけず手に入った逸品です。

以前紹介した黒地花鳥文のカップ・ソーサーと同じ図柄のものですが
ご覧の通り、輪繋の透かし彫りがほどこされた贅沢な鉢です。
うっとりと見とれてしまう美しさです。

brown bird 2

近影。
輪繋にもきちんと模様が描かれていて、大した手の込みようです。
この輪繋の装飾の細やかさなど、これまた以前紹介した色絵龍鳳凰菊牡丹花透彫輪繋文皿に通じるものが
ありますが、作品の完成度などを考えると、こちらのほうが時代がやや新しいと思います。

明治中期の作品のような荒削りでない、成熟した作品ですね。
素晴らしい、の一言です。

brown bird 3

見込みです。
絵付けの見事なこと。
チャイナを模しているのは明らかですが、なんとなく緻密な仕事ぶりが
日本製だな、と思わせますね。

brown bird 4

輪繋の近影。

どうです?この細やかな仕事!
全部手作業ですが、ものすごい手間がかかっています。

全体に色をつけて、さらに金で文様を描いています。

brown bird 6

裏にもちゃんと同じ文様が。

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輪繋の下のほうの図柄も、黒地に描かれているにもかかわらず丁寧な仕事ぶりです。
同じシリーズのカップとソーサーを比べた時に、カップの絵付けがかなり雑なことに気づきます。

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ブルーの花。なんの花でしょう(汗)?

brown bird 9

上から見たところ。

brown bird 10

近影。
大きな鉢です。
ナッツの袋を入れていたら、相方が「!!!!そんなもん、いれるな~!」と怒っていました。

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裏銘は朱で蘭の花です。
このマークのものは、一般に質が良いように思います。
ちなみに、金の蘭マークというものもありまして、海外では
「金蘭は皇室御用達のために造られたものだ」とまことしやかな噂が広まっていますが
たぶん違うと思います。

金蘭マークのものは質は良いけれど、皇室に納められるほどすごくもありません・・・
ま、この金蘭マークの輸出香蘭社の物もそのうちにお見せします。
(いつだ!とか怒らないでくださいね・・・リクエストがあればいつでもヾ(・∀・)ノ 

brown bird 12

そしてお約束の、シリーズ物を並べてみました。

brown bird 13

こうしてみると、香蘭社の輸出ノワールは人気があったといえども、
良質の物からそうでないものまでいろいろあったようです。
シュガーポット花瓶などは
まだまだ荒削りな部分がありますが、この黒地花鳥文シリーズはなかなか完成度が高いように思います。

この鉢は、カップなどに比べてもさらに質が高く、
実際に使用すると誰かに怒られそうです・・・

なんでも使いまくるイギリス人も、この鉢はさすがに未使用のようで
傷跡などもほとんどありません。
飾り物ですね・・・

brown bird 14

こちらは花鳥文のカップとソーサー。
有田の香蘭社本店に、古陶磁器資料として
展示してあります。

余談ですが、これをもとにした復刻版も出ているようです。
値段は・・・・カップとソーサーのセット一客で
この鉢が3つは買えそうです・・・・

brown bird 15

古いものの魅力はやっぱり手仕事からくる味わいですね。

丁寧に手描きされた作品と言うのは、それだけでも価値があると思います。
その素晴らしい仕事を眺めながら、一体外国のどんな家庭で飾られたり賞賛されたりしたのか
想像するのもまた楽し。


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明治香蘭社 ノワール・シュガーポット 

最近ネットを見ていたら、東京の三井記念美術館で
「デミタス・コスモス」という特別展示があったそうです。

以前にも紹介したとおり、私も明治時代のデミタスをいくつか持っていますが、特に気に入っているのが
香蘭社の黒地卵殻手のものです。

明治香蘭社のノワールシリーズ、とっても良いですね。
残念ながら、欲しいと思いつつ、どうしても他に目移りがして
ついついコレクションを怠っています。
欲しいものリストの下のほうにあるオールド香蘭社のノワールシリーズですが、
骨董屋で見かけるとつい買ってしまいます。

珍しいと思い、一昨年購入したのがこれ。

明治・香蘭社のオヴァルの蓋物。
結構重いので、シュガーポットではないかと思います。

koransha sp 1

サイズも大きく、縦10センチX横20センチくらいです。
最初は宝石箱にして指輪を入れたりしていましたが、重いので出し入れが大変。

やっぱり、宝石箱ではなさそうです・・・

koransha sp 2

香蘭社のノワールを国内向けであまり見かけないのは、これが主にヨーロッパなどに
輸出されたいわゆる明治輸出ものだったからではないでしょうか。

そもそもノワールは、もとは中国ものがオリジナルです。
チャイナのノワールは、ヨーロッパの王侯貴族に愛されましたので
そのコピー(!)といったら失礼ですが、まぁ、チャイナ風なものを
有田が生産してグローバルマーケットに輸出しようとしたのは当然のことでした。

現在、香蘭社では復刻版がでていますが、その値段の高いこと!
ほしくても絶対買えそうにありません。

なので、ノワールが欲しい場合はオリジナルの明治版を集めます。
骨董のほうが断然安くて、しかも全て手描きなので
私にとっては一石二鳥。

koransha sp 3

さてこのシュガーポットの蓋、なかなか絵付けが凝っています。
黒地に色絵の牡丹唐草模様でしょうか?

上部には、扇子と団扇の窓絵(香蘭社はこの扇子と団扇のセットが好きですね~)に
梅の花と鳥の図、もう一つには山水画。
前者の絵付けですが、以前紹介した肥蝶山信甫の色絵水注の絵付けとよく似ているように思います。
肥前の輸出用にはこのようなことはよく見られます。

全てが手描きだった時代に、そんなにたくさんよい絵付師がいたとは
思えませんので、こんな風に絵付けが似ていたり、かぶったりするのは
肥前陶磁器の世界ではよくあることです。

koransha sp 4

水墨画風。

koransha sp 5

チャイナのノワールによく見られる絵付けですね。
花鳥文。
繊細な絵付けが、塗りこんだ黒地に映えます。

koransha sp 6

中。
やっぱりシュガーポットっぽい。

koransha sp 7
koransha sp 8

裏は、明治・香蘭社の銘。
朱色で書かれています。
この飾り皿とおそらく同時代でしょう。

koransha sp 9

ひっくり返して細部を見ると、結構雑な部分も目立ちます。

でも、ノワールのように手が込んだものを、すべて手描きで大量に
輸出していたと思うと、昔の職人さんたちすごかったんだなぁ、と感心したりして。

koransha sp 10

復刻版のノワールは、色がはみ出すこともなくパーフェクトな仕上がりですが、
その完璧な美しさが人工的に見えてしまいます。

koransha sp 11

こんなシュガーポットを使っていたイギリス人。
なかなか趣味がいいですなぁ。

koransha sp 12

1990年代に、外国の磁器がとても流行りましたね。
ウェッジウッドのカップなんて、一客で5000円くらいしましたっけ。
また、最近の高級志向・ハイエンド好みの女性誌などをみると、
エルメスのカップなどがいかにも趣味の良いもののように紹介されています。

こういうのを見ると、「そんなものかねぇ~?」と正直思います。
ウェッジウッドはともかく、エルメスなどはもともと馬具を作る会社であり
磁器専門ではありません。

エルメスを非難するつもりはないのですが、こういう雑誌は
欧米のブランド名だけにこだわらず、日本製のよいものも
ちゃんと紹介して欲しいと思います。

日本製の優秀なものは、時代を問わず欧米では高い評価をされ愛されてきました。
海外に住むと、日本の美がいかに世界を魅了しているのかよくわかります。
こういう美しさをもっと国内にも知らしめて欲しいですね~。

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