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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

翔ぶが如く (色絵 応龍牡丹唐草文 長皿) 

来年の大河ドラマは司馬遼太郎の「翔ぶが如く」・・・・ではなくて、
林真理子の「西郷どん」‥‥ ( ゚Д゚)ハァ?

せっかく西郷隆盛の話なのに・・・・林真理子の原作とは!
でもまぁ、鈴木亮平が主演だし、俺物語!!よろしく演じてくれるんじゃないでしょうか。
しかも、大久保利通が瑛太とは!
そうきたかー!
野心的な大久保利通を腹黒くも複雑に演じてほしいもんです。

さて・・・・
まぁせっかくなので、「翔ぶが如く」を読みつつ(←まだ終わってなかった!)、
柿右衛門様式の秘蔵っ子でも引っ張り出してみました。

いやはや、珍品いや名品です。

色絵応龍牡丹唐草文長皿 (1680頃)
fd1.jpg

見込みの色絵部分を除けば、そう珍しいものではないかもしれません。
裏銘は渦福。
いわゆる延宝様式のものです。
(詳細は九陶から出ている柴田コレクションVを参考に)

FD2.jpg

初めて見たときは、「なんじゃ、こら?」という感じでした。
延宝様式の図柄はバラエティに富んだものが多いですが
この図柄はさすがに国内外を問わず図録でも見たことがありません。

FD3.jpg

染付のスタンダードな龍と比べると、色絵の応龍は
どことなく西洋風ですね。イギリスなどの紋章を思わせます。

でも調べてみたら、この時代の柿右衛門のモチーフには
ちゃんと応龍は含まれていました。
有名なものは、西本願寺の陶板。
東京国立博物館にも同じものがあるそうです。
応龍は、通常胴体は緑色で翼は緑と青、黄色ですが
珍しいことに、こちらは青の代わりに紫の色がついています。

以前、有田の源右衛門窯の古陶磁館を訪れた際、
17世紀の珍しい色絵の芙蓉手の輸出皿を見たのですが
お店の人曰く、「紫の入ったものは珍しい」のだそうです。
たしかに輸出古伊万里や柿右衛門の名品にも紫が入っています。

FD4.jpg

応龍というのは、古代中国神話に出てくる幻獣の一つです。
もとは中国最初の皇帝といわれる黄帝に仕えていたとされ、
天を掌る黄帝が蚩尤と戦った際に嵐をおこし加勢しました。
しかしこの時の殺戮の罪を問われ、後に中国南方へ追われてしまったそうです。

黄帝というのは、もちろん中原の皇帝(中華皇帝)のもとになった
ものですが、この時戦った相手の蚩尤というのは、実はモン族(ミャオ族)
なのだそうです。
この戦争に敗北し全滅を免れた蚩尤(モン)は、
その後南方の勢力として常に中華帝国を苦しめることになります。
ヴェトナムなどとの中原とのその後の確執がちゃんと説明されていますね。

要はこの神話は
漢族(Self) 対(漢族にとっての)南方の夷狄(Other)という構図を
含んだ中華思想イデオロギー言説のひとつなわけです。

応龍は天上に仕える身でしたが、血の穢れのため天界を追われ、
南方地方に移り住みました。このため中国南方地域には(応龍が雨を
降らせるために)雨が多いのだそうです。

おお!ちゃんとオチがついています!
さすが中国の神話、ちゃんと考えつくされていますね(笑)

FD5.jpg

側面には染付の龍が二頭。
この龍は延宝時代によく見られるものです。

FD6.jpg

三頭の龍が描かれています。
青龍と応龍と理解してよいものか・・・

FD7.jpg

裏面。
この皿、かなり気合の入った絵付けです。
裏まで手抜きなしの仕上がりです。
素晴らしい!

FD8.jpg

銘は渦福。
1680-1700年ごろのもので
間違いなさそうです。

FD9.jpg

高台の鋭利な造りもこの時代ならではです。

FD10.jpg

四方の角にもさらに四頭の青龍が描かれています。

FD11.jpg

それにしても、この時代のものはどんなものであれ
完成度が高いですね。

FD12.jpg

柿右衛門の名品などは、持ち主が代々大切に扱ってきたことは
容易に想像がつきますが、こんな小さな皿が、よくもまぁ300年も
素性も知られず、捨てられもせずに生き延びたものです。
西洋的な応龍の魅力のためなのかはわかりませんが、
今日まで割られもせずに持ち主に大切に扱われ
よくぞ無事に我が家へ来てくれた、と感謝する思いです。

大げさか・・・(*´_ゝ`)

FD 13

実は応龍の存在を最近までしりませんでした。
昨年末九陶に別件で行った時に、学芸員さんに
「あ、これは応龍ですよ」と教えて頂きました。

日本の文化を読むのには、中国の文化リテラシーが必要だなぁ、と
痛感する今日この頃です。

次回、嬉野の名窯の品を紹介します。
すぐですっ!(汗)

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Category: 古伊万里

tb 0 : cm 7   

Comments

綺麗な。

綺麗な、角福・柿右衛門ですね。

ところで旦那さん #tbP3RbY6 | URL | 2017/04/17 02:59 [edit]

こんにちは。
お久しぶりです。
コメント、ありがとうございます。

柿右衛門を載せるときは緊張します。
昨今は贋の角福多すぎですね!

次回、源六です。もうすぐですっ!

Micnoski #- | URL | 2017/04/17 10:12 [edit]

名もない陶工

名もない陶工のせめてもの表現手段が、角福ブランドだったと思います。その中でも、柿右衛門の角福は、銘も柿右衛門と分かる角福ですね。

ところで旦那さん #tbP3RbY6 | URL | 2017/04/22 07:58 [edit]

そうですね~。
有田などの名もなき陶工がつけた銘も
ありましたね。時々、柿右衛門として売られているのを見て、ぎょっとすることがあります。

中国製贋作の渦福は精巧ですが
こちらの皿は、絵付けや高台の角などから
本物だとすぐに思いました。
骨董収集は、贋作との闘いですね

Micnoski #- | URL | 2017/04/23 21:31 [edit]

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# |  | 2017/05/29 02:06 [edit]

こんにちわ。
非常にお久しぶりの書き込みになります(しかも、旧記事!)。
長崎は馬町育ちの俊介です。

全く手抜きの無い見事な長皿ですね。
僕は藍柿にだけ絞ってコレクションしてるのですが、
(5年位経った頃、他の時代や色絵は処分してしまいました)
こんなものを見せられると宗旨転換してしまいそうです(笑)。
見事な書き込み、華麗な色彩
どうやってこういうものを引き寄せられるのでしょう。

僕がもう一つ注目したのが高台の雷文の細かさです。
全体は判りませんが、長辺で15~16以上有りそうですね。
普通は12位じゃないでしょうか。
実は僕の持っている中で大のお気に入りの長皿~
獅子唐草文様、やはり渦福ですが、これは17有りますが、
獅子の可愛らしさ、花の美しさは特筆ものだと思っています
(「いい仕事してますね」の先生の本に同手のお皿が載って
おり、「百万でも買おうと思っていたが、30万(1枚ですぞ)で
落とせた。自分のコレクションの中で№1」とコメントされています)
器型や高台の処理など、同じような匂いを感じています。

長文失礼しました。

俊介 #w6B0fX.w | URL | 2017/06/06 13:45 [edit]

こんにちは。お久しぶりですね!
お正月はチビの七五三を諏訪神社でしてきましたよ!
相変わらずの賑わいぶりでした。やっぱり諏訪神社近辺は
良いですね!

藍柿をお集めですか。柴コレの本のせいか、
オークションで見かけてもなかなか安くでは
落ちないですね。当たり前か。。。v-8
これはなにしろ珍品でしたので、かなり安くで手に入れました。
お得感という意味でも昨年度のコレクション一、二位を争うと
思います(笑)。
俊介様もご存じのとおり、こういうものになってくると
図録にあるかないか、というよりも、同じ時代の品(できれば名品)
を一つ所有して、隅から隅まで勉強するのが良いように思います。
本物を知らずしては、贋物はわかりませんものね!
おっしゃる通り、雷文は数えてみると16ありました。高台のつくりも
この時代特有のシャープさがあります。
柿右衛門の獅子唐草の長皿ですか~!羨ましいですね~

Micnoski #- | URL | 2017/06/06 19:31 [edit]

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