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肥前陶磁器あれこれ~

オールド香蘭社、オールド深川、古伊万里、平戸焼などを集めています。

 

スタディ・ピース? (幕末・漆装飾花鳥文花瓶) 

骨董を集め始めた時は、幕末・明治のものに夢中だったのに
数年集めてみると、新しいものよりは古いものが欲しくなるのは
人情というものかもしれません。

私の場合、読む文献などほとんどが欧米のものなので
収集の方向も自然、あちらの人の好みになってきます。
柿右衛門とか平戸焼とか、いわゆるヨーロッパ人が好んだものに
つい目が言ってしまいます。

最近では、収集するにあたってはシンプルなルールに従うことにします。
それは当然、「好きなものだけ買う」ということなんですが、
相方のほうはどうもそう奇麗に割り切れないようで、珍品、迷品のようなものも
「これはスタディ・ピースだから!」とか言って買いたがります。困ったもんです。

結果、我が家にはちょっと?な柿右衛門様式風の皿だとか
怪しげな福禄寿の置物だとかあるわけです。

でも、まぁ勉強しないことにはお宝を探すことはできないしね・・・と説得する相方。
その彼が、またヘンなものを見つけてきました。

それがこちら。

lacquer 1

これなんだと思います?
これは実は幕末ごろ造られた、漆装飾を施した有田の磁器製の花瓶なんです。

lacquer 2

古伊万里収集家でもよっぽど詳しくないとご存じないかもしれませんが、
このような漆装飾の磁器は実は幕末ごろから明治にかけて造られ、
美術館に展示してあったり、図録などにも掲載されています。

有名なものでは、香蘭社が作った染付金高蒔絵御所車図大花瓶などでしょうか。
先日里帰りの際寄った有田ポーセリンパークにもこの手のものが
飾ってありました。

lacquer 3

幕末から明治にかけての有田は、それこそ異質素材と磁器とを組み合わせ、
いろいろと面白いものを作っています。
漆装飾、と聞くと古伊万里ファンは18世紀のドレスデンコレクションなどを
思い浮かべるかもしれませんね。
でも幕末・明治の有田も漆装飾だの、七宝だのと異なる素材を組み合わせた
作品を作っていたんですね~。こういった試験的なものは海外の市場でよく見かけます。

lacquer 4

さて、こんな変なものを安価で買って眺めまわすのは
なかなか楽しいわけですが、如何せん予備知識がなかったのには
こまったものです。

私は骨董を買った際、きれいに洗わないと気が済まないたちで、
先日も柿右衛門の人形をブンブン振り回して洗ったりしていたんですが
(袖の部分から古い籾殻が出てきた!)、この時も「ちょっときれいにしてやるか」と
よく考えもせずに洗いました。

すると、後方から「ギャー!」という雄たけびが・・・

相方があわててやってきて、「これはLacquerだろう!!洗ったらだめだよ!」
というではありませんか・・・
「あっ!」と思ったのも後のまつり。
ゴシゴシやったので、こんなんなってしまいました・・・

ムッとする相方。

。゚(゚´Д`゚)゚。 シマッタ・・・すんまそん。

lacquer 5

「まぁ、でも次回ドレスデンコレクションの漆装飾が手に入ったら(←?)
洗わないでちゃんと手入れするから、何事も学習だよね」というと
相方は微妙に嫌な顔。

|д゚)チラッ
怒ってる?

lacquer 6

私にとっては、苦い思い出の花瓶ですが
これを読まれた皆様、くれぐれも漆装飾のものは
洗わないよーに!

ちなみに某古伊万里ブロガーさんにも同じ失敗談が!
こちらです。
(^∇^)ノ

やっぱり収集家にはスタディ・ピースは必要ですよね。
何事も勉強と経験(?)です。


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Category: 古伊万里

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Fantastic Voyage (古平戸・色絵唐子豆人形) 

今日は、昨年手に入れた秘蔵っ子・古平戸細工物の唐子人形を
紹介しましょう。

数ある古平戸細工物の中でも最小を誇る、極め付き!豆人形です。

色絵・唐子豆人形二体。幕末

ちいさっ!!

boys 1

かわいい豆人形ですが、かわいいだけでは済ませられないスゴイ人形なんですよ。

古平戸というとひねりもの、つまり細工物が有名ですね。
平戸焼ファンとして言わせてもらうと、平戸細工物のすごさは
使用陶石の性質による細工の精巧さにあります。

磁器の細工物は数あれど、精巧さを極めたものは日本の磁器では
古平戸だけだと思います。
これに肉薄できるのは、しいて言えば中国の徳化でしょうか?
残念ながらさすがの徳化窯でも、複雑な細工のものは作れても、
これだけ線のシャープな細工物は作れません。
古平戸の技術は本当に素晴らしい!の一言です。

この人形、平戸焼細工物として特筆すべき点が二点あります。
まずは、このサイズでこの精巧さ!

九谷よ!有田よ!こんなん絶対作れないだろう?といわんばかりの小ささ。
まるでミクロの決死圏!

o(^▽^)o Fantastic Voyage!

それにしても、どうしてこんな小さな人形を作ろうと思ったのでしょう?
謎です。

ちなみに幅2.5センチ、高さおよそ3センチでした。
(写真はインチ定規。)
十六寸(豆)よりちょっと大きいくらいです。

boys 2

もう一点は、この豆人形には上絵がついていることです。
平戸焼で色がついているものは通常錆釉や鉄釉などです。
つまり釉薬で色をつけるのが古平戸の特徴ですが、幕末や明治初期の
輸出品に限っては上絵付をしたものも存在するわけです。
これとほぼ同時期に
造られたと思います。

この女性と子供の像も珍品中の珍品ですが、
この唐子チャンもこれまた非常に珍しいものです。

boys 3

では、それぞれ紹介していきましょう。
まずは一人目。

平戸焼・永遠のモチーフである唐子チャンです。
唐子の豆人形というのは美術館などでも見かけますが、この人形の珍しいところは
その衣装です。唐子なのに、和装なんですよね。

平戸焼の細工物でみかける通常の唐子というのは大てい中国風の衣装を着て、
読書をしたり、太鼓をたたいたりしています。
しかし、この豆人形の衣装は和装。

ところで、この和装どっかで見たなぁ、と思ったら・・・
なんと能楽師の衣装でした。

boys 4

実は、野田敏雄氏の「古平戸細工物」の本に同時期に作られたと思われる
五人囃子の豆人形が掲載されています。
大きさはこちらの唐子よりも大きく、瑠璃釉などで色をつけた竹林七賢人と似た上品なタイプのものです。
こちらの五人囃子も能楽師の和装をつけていることから考えると、
この小さい唐子チャンたち、もしかして五人囃子だったのかも??

姉さん!三人行方不明です!! (゚д゚)

boys 5

しかしまぁ、手の込んだ豆人形ですね。
服のしわ、手のしわ一つ一つまでしっかり彫られています。

boys 6

では、二体目。
謡の拍子でもとっているのでしょうか。
一体目の唐子とは微妙にヘアスタイルも異なります。
こちらは後ろの髪をお団子にしています。

boys 7

先の唐子と異なり、こちらは裃をつけているんですよねぇ。
もしかすると、ひな祭りの五人囃子ではなくて、
能楽のワキ方囃子方の豆人形なのかもしれません。

だいたい古平戸の細工物というのは、平戸藩となんらかのかかわりがあることが
多いようです。

年末日本の実家に帰った時に家でみつけた昭和の豆人形も、
そのモチーフは平戸・最教寺の子泣き相撲でした。
平戸城内にある亀岡神社には能舞台がありますので、
この豆人形も能楽師・ワキ方の人形なのかも?

姉さん!シテ方が行方不明です! Σ(´Д`*)

boys 8

ご覧ください。
足袋の皺まで丁寧に彫られているんですよ。

余談ですが、江戸時代能楽師は武士に準ずる地位が与えられたそうで、
そのため楽師は裃や足袋の着用を許されたのだそうです。
このあたり、芸能の世界にも装束の違いでちゃんと格をつけていたんですね。

boys 9

後ろ姿。
キュートです。

boys 10


boys 11

boys 13

残念ながら、今回手に入ったのはこの二体のみ。
たぶん生き別れの(?)人形がこの世界のどこかにあるんでしょうけど。(つД`)ノ

boys 12

江戸時代、最高の磁器細工技術を持った平戸焼の職人に
その技術を駆使した豆人形をつくらせる、という遊び心。
こんな贅沢な遊びが許された時代にのみ、
本物のハイ・カルチャーが存在したのかもしれませんね。


(おまけ)
19世紀に資本主義の時代が到来してから1世紀以上が経ちました。
フランシス・フクヤマの言う「歴史の終わり」は自由経済主義の勝利を謳いましたが、
実際のところ、本人も認める通り自由経済そのものが世界経済を破綻させつつある今日この頃。
アメリカにおいては上流階級と下層階級の二分化が始まり、
フォーディズムによって生まれた中産階級はもはや消滅しつつあります。
残念ながら、日本も同じ道をたどりつつあるようです。

そんな社会で、遊び心のある細工物なんて一般人に手に入るわけねぇ!
と思われるアナタ、それでもまだまだこんな楽しいおもちゃがあるんですよ(゚∀゚)

見つけました。
冬の長崎空港で!
これぞ、現代の細工物! 

taberen 1

粘土でつくるミニチュアの食べ物が人気なのだそうですね。
アメリカでも、この手のクレイを使ってアクセサリーを作るクラフトが人気です。

こちらは、長崎在住の方が長崎空港にて年末販売していたもの。
食べ物の粘土細工ですが、なかなか精巧にできていて、しかもキュート!

娘はメロンパン(?)のネックレスを購入。
ぶらぶら見ていた私も、思わずこちらを購入。

長崎のお菓子の詰め合わせBOX!

taberen 2

開けてみると・・・・

まずは、カステラ!
taberen 3

福砂屋です。(裏にはなんと!ザラメが!)
taberen 4

桃カステラ。
taberen 5

よりより。(最近はソフトよりよりなるものがあります)
taberen 6

有平糖。
お茶席などのお干菓子として見かけますね。
(進化系は日本橋の栄太郎飴らしい・・なつかしいけど苦手な味ですのぅ・・)
taberen 7

そしてコレ!
長崎県人以外にはわからん代物でしょう。
これは一口香(いっこうこう、と読みます)
中が空洞になっているお菓子です。
おすすめは茂木一〇の一口香。
こんなに小さいのにちゃんと中が空洞になっています。
スゴイ!
taberen 8

作ったのは、Taberen (たべれん→長崎弁で食べられない)という作家さん。
ユーモアのセンスもありますねぇ。

taberen 9

柿右衛門(東インド会社→オランダ行き)の唐子と南蛮菓子(ポルトガル)。
時代が合っていません。ハハ・・・

taberen 10

長崎の菓子箱を眺める有田と平戸の唐子。
かわいいですねぇ。

時代は合っていませんが、この三つに共通していることが一つ。
それは、みんな大航海を経てそれぞれの場所にたどり着いたということです。
柿右衛門は肥前からヨーロッパへ。
この古平戸は三川内からヨーロッパ(イギリス)経由でオーストラリアへ。
そして長崎のお菓子は中国福建省やポルトガルなどから
航海を経て長崎にたどり着きました。

まさに、Fantastic Voyage!

九州のやきものとお菓子は、16世紀に始まったグローバリゼーションが作りだした
ダイナミックな文化を象徴するものでもあります。



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Category: 平戸焼

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戌年ですね (大聖寺伊万里・色絵芙蓉手十二支文) 

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年もマイペースでアップしていきたいと思います。

さて、今年はなんと!戌年。

・・・年末、長崎歴史文化博物館に行ったらやっぱり
平戸焼の戌年にちなんだ焼き物が展示してありました。
我が家でも早速真似したみました(笑)

今年は良いことがあるかな・・?

さて新春ということで、大聖寺伊万里だと思うのですが、
十二支の描かれた珍しい皿を紹介しましょう。

dog1.jpg

芙蓉手のそれぞれ花弁には1十二支が描かれています。
お正月用に作られた皿なのでしょうか?

zodiac 1

今年は戌年!(←くどい。だって年女ですから・・・(*´_ゝ`) 

(*`皿´*)ノ計算すんな!

zodiac 2

雄鶏→娘、猿→兄

zodiac 3

虎→父
zodiac 4

辰→相方、うさぎ→息子(笑)、妹→蛇

zodiac 5

母は馬・・・だっけ・・・?

zodiac 6

中国では十二支の対角にある相手との相性は
最悪なのだそうです。

我が家だと、私と相方は最悪の相性で、子供二人はこれまた相性が悪いそうです。
うう~む!

zodiac 7

大聖寺。
意図して収集しているわけではありませんが、間違って収集してしまうことが
あります。ハハハ・・・

普段使いに良い皿なので、使ってみようと思います。
金沢にいってみたいなぁ・・・・

zodiac 8

(余談)

新春早々ケチをつけるのもいかがなものかと思うのですが、
歴史文化博物館に展示してあった平戸焼の唐子が犬を抱いた酒注が
ちょっと気になりました。

「?????」

妙に新しく見えたんですよねぇ。
目の錯覚でしょうか?

あの平戸焼、だれか他に気づいた方いらっしゃったでしょうか・・?  
m9(゜д゜)っ


次回は、秘蔵っ子、平戸焼の細工物を紹介します。

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Category: その他

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平戸焼細工物の傑作~瑠璃鉄青磁釉竹林七賢人筆筒~ 

平戸焼ファンの皆様、長らくお待たせしました!(笑)

今日は、スターバックス三川内焼製珈琲碗の発売を祝して、
コレクションの中からとっておきの平戸焼を紹介しましょう\(^o^)/

ついに、ついに手に入れました!!!
瑠璃鉄青磁釉竹林七賢人筆筒です。

7sages.jpg

タネもしかけもありません。
平戸焼としては超有名な七賢人の細工物です。
ほとんどの図録にお約束のように載っているので、ご存知の方も多いでしょう。

7sages 4

私がこの細工物を初めて見たのはもう5年も前のことです。
平戸の井元平戸焼資料館で初めてこの七賢人の筆筒を
見て、「これは絶対に手に入らないよね」と相方と話したものでした。
その時井元さん曰く、「平戸焼は細工物を集めないとおもしろくない」。

私もこれには全く同感で、平戸焼の魅力は細工物だと思うのですが、
この作品はその粋とも呼べる作品だと思います。

あれから五年。ついにこれを手に入れることができました。

7sages 3

七賢人については、以前香蘭社の記事ですでに紹介しているので省略しますが、
やっぱり七賢人は良いですね。
あくまで個人的な意見ですが、磁器の器に関しては七賢人のモチーフにハズレなし!
幕末の有田焼、明治の香蘭社、そして平戸焼、どの窯でも
この七賢人をモチーフにした作品は質の高いものが圧倒的に多いです。

賢者を7人も描くのはかなりスキルの高い職人を必要としますので、
結果良い作品になったということでしょうか。
それとも松浦藩と鍋島藩はどちらも教養の高い藩として知られていたので、
七賢人というモチーフそのものに教養的な意味合いを見出して
これらの作品が作られたのでしょうか?

興味深いところです。

7sages 5

ミュージアムピース、と威張ってよいこちらの細工物は、
実は日本の某有名骨董屋さんで購入可能のようです。
でも値段がねぇ・・・目玉が飛び出るほど高いんですよね。(;゜0゜)
まぁ、ミュージアムピースだからしかたないか。

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私はこれは骨董屋さんで購入したのではなく、オークションハウスで落札しました。
最近はいろんなものがネットオークションに出品されますが、
残念ながら本当に有名なミュージアムピース級のものは
ネットにはほとんど出てきません。

今回のこのオークションでは、いくつか思い切って落札したのですが、
かなり良いものを手に入れることができました。オークションハウスだと
手数料とかいろいろ取られるのですが、それも今回はしょうがない・・と思うくらい
まぁ、珍しいお宝が手に入りました。

それにしても、まだまだあるところにはあるもんですね・・・(;゜0゜) 

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さて、この作品の見どころは何といってもその繊細な細工です。
平戸焼の細工物はスゴイ!といつもくどいくらいに言ってますが、
実は職人さんによってかなり差があります。

この作品を作った職人さんは、瑠璃釉・錆釉・鉄釉・青磁釉などをかけて
根付や熨斗押さえなど、平戸細工物の中でも最高級の作品を手掛けたようです。

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ご覧ください、この表情の豊かさ。

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じいちゃんたちの顔、それぞれ異なります。
髭アリ、歯アリ、髪の毛も一本一本あってなかなかリアルです。
見ていて飽きません。

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書を読むじいちゃんたち。命がけの議論しているようです。

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こちらのじいちゃんはなにしているんでしょう?
呆けていますが、酒の飲みすぎでしょうか?

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この竹林七賢人の筆筒はいろんな図録に載っていまして、
平戸焼としてはかなり有名ですが
実はそれぞれ作品によって微妙に異なります。

大きく分けると、染付中心のものと錆釉・瑠璃釉などのかかったものに分かれます。
詳しくは、野田敏雄氏の「平戸焼細工物」を見ていただければわかると思いますが、
質的に高いのは後者の鉄・瑠璃・青磁釉のかかったものです。
野田氏の本に、私のものとほぼ同じものが載っていますが、子供と話している
人の衣装にかかっている釉薬の種類が異なります。
野田氏のは鉄釉、私のは青磁釉です。

この七賢人の筆筒については、もう一つ自慢できることがあります。
それは、七賢人なのに8人いる!ということ!!!(萩尾望都か・・?)

竹林の七賢人と一般的に言いますが、美術品の多くは
この七人に加え、稚児が描かれています。
平戸焼の筆筒には、この稚児があるものとないものがあります。
筒は型をとって造られたので同じものですが、それぞれの人物の細工は
個々に作られたもので、このお稚児さんがついているもので本来
完成されたものだったようです。

野田氏の本に掲載されているものにもお稚児さんがついていますが
隣のじいちゃんとかなり接近しています。思うに、細工物を作っても
土台に収まったり、収まり切れなかったりして、
結果細工物の最終人数がまちまちになったのかもしれません。

いずれにせよ、稚児があるのはアタリ!です。ヽ(´∀`)ノ
ラッキー!

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竹林の瑠璃釉。
平戸焼の色物は良くない、などといった馬鹿者は誰だ??

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側面。
平戸焼の文房具があると、勉強も楽しくなる・・?

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余談ですが、このように文房具に凝るのはもちろん中国の
習慣で、西洋ではChinese Scholar's desk などと呼ばれます。
景徳鎮や徳化窯などで筆筒、水滴などが多く作られました。

東シナ海で中国南部とつながっていた松浦藩が、このような
中国の文化に大きく影響を受けたのは当然のことでしょう。
唐人屋敷があり、多くの中国人を抱えた長崎の亀山焼も
平戸同様、硯屏風や熨斗押さえ、筆箱などを作りました。

今日平戸焼の里というと、佐賀県境に近い三川内を思い浮かべますが、
江戸時代までの平戸焼の作品は、平戸松浦藩の教養的な意向が
大いに反映していたようです。

そう考えると、平戸焼の本当の魅力というのは
作品の背後にある松浦藩の教養そのものであったという気がします。
美術工芸品というものは、技術の高さだけが
その価値のすべてではないうことです。

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野田敏雄氏の平戸焼細工物。
細工物ファンにとって必読の書です。(笑)

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最後になりましたが、先に述べたように、佐世保スタバ限定で
三川内焼の佐世保をモチーフにしたカップが販売されています。

珈琲碗を日本で最初に作ったのは平戸焼です。
以前卵殻手の記事
紹介しましたが、平戸藩は19世紀初頭ヨーロッパに向けて卵殻手のカップを
多く輸出しました。
中でも有名なものは、兜型と言われる碗です。
スタバのカップもこの兜型を現代風に取り入れた作りとなっています。

10月上旬発売のこのカップ、どうしてもほしかったので
実家の両親が電話をかけてくれた折に、「佐世保にいったら
スタバで三川内焼のカップを買ってきて~!」と頼みました。
それから数週間後、母から電話が。
「佐世保五番街で買ってきたよ!なんか変わった形やったけど??」。
ハハハ・・・(*´_ゝ`)

カップの中には、海軍さんの街らしく錨が描かれています。
モダンでとっても素敵です。これでコーヒーを飲むのが楽しみ!

来年は「坂道のアポロン」の映画も公開されるし(というか、あのキャスト
どーにかならんかったのかい??)、黒島教会も世界遺産に登録される予定だし、
ついに佐世保ブームくるか??
楽しみです。

佐世保を応援しましょう!!!

スタバカップのリンクはこちら

みんな、佐世保へ急げ!!!(^∇^)ノ

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Category: 平戸焼

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嬉しいサプライズ! ~色絵雲竜文珈琲碗(年木庵喜三製・香蘭社)~ 

祝!カズオ・イシグロ、ノーベル文学賞受賞!

朝、ベッドの中で 携帯のBBCのサイトを見たら、
なんと!カズオ・イシグロがノーベル文学賞を
受賞したというニュースが!

「え?えええええええ!!!」

なんという嬉しいサプライズ。

村上春樹がノーベル賞を取るよりも、なぜか納得。
アメリカでは村上春樹は人気あるけど、私の場合は
「ノルウェイの森」を大学で読んだ時のトラウマが大きすぎますなぁ(笑)
一体なんなの?あの話は??  (*`皿´*)ノ

ハルキストの兄に言わせると、「ノルウェイの森」から始めるのは
良くないらしい・・・ドストエフスキーの「罪と罰」のようなものか・・?
「カラマーゾフの兄弟」とか「虐げられたもの」とかから入ると面白いのにね・・・

さて、カズオ・イシグロといえば、A pale view of hills,
An artist of the floating world, The remains of the day, Never Let me goなどなどが
有名どころでしょうか。
うちの相方もカズオ・イシグロは好きらしく、特に初期の長崎ものが気に入っているようです。
あまり文学青年(もう中年か・・)っぽくない相方ですが、遠く離れた故郷の、薄れていく思い出の
輪郭をなぞるような感じに共感するのではないかと思います。
小さいころにイギリスに移住して、自分は日本人だと思っていたのに気づいてみると
日本人でもなく、イギリス人でもない何者かになっていた、というThird Place に置かれた
アイデンティティに共感するのではないかと、勝手に推測しています。

まぁ、とにかくめでたい。カズオ・イシグロだけでなく、吉田修一など
長崎出身の作家が欧米受けするのは嬉しい限りです。
遠藤周作も長崎を故郷だと思っていたそうですが、戦後の長崎は
いろんな意味で文学性の高いコンテクストだったと言えるのではないかと思います。


閑話休題。
今日は軽いものを紹介します。
明治・香蘭社のデミタスカップですが、絢爛豪華な明治時代の
食器の中でも、群を抜く秀逸さです。

demi dragon 1

これは香蘭社初期のもので、香蘭社の深川栄左衛門が深海墨之助や辻勝蔵と
共同で起業し、磁器を製造していた頃のものです。
有田でも有数のハイエンドの
磁器を造る窯元が三つも集まった、ということで、香蘭社の成功は
予想通りのことだったと思いますが、初期の香蘭社は、この三つの優秀な窯元が
造った作品にまだそれぞれのカラーをはっきり残していて、興味深いです。

demi dragon 2

これは深海墨之助の窯で作られたもので、年木庵喜三の銘と香蘭社の銘が
二つ入っています。

demi dragon 3

皿。
ご覧ください、この雲竜文。
色絵のエナメルが皿の表面に凹凸をつけて、なんともいえず躍動感があります。

demi dragon 4

輸出用に作られてものでしょう。
手抜きは一切なし。
これを今日香蘭社で買うとなると、いったい何万くらいするでしょうか。
10万くらいするのではないかな?

demi dragon 5

高台にもちゃんと細工、模様がはいります。
明治の輸出デミタスには素晴らしい出来のものがいくつもありますが、
さすがにこのデミタスを超えるものはなかなか見つかりません。

demi dragon 6

やっぱり、明治の有田はすごい!

demi dragon 10

さて、明治ものの収集はやめようかと思っていたのですが、この夏たまたま紀伊国屋で
「明治有田・超絶の美」を見つけてしまいました。
九陶ではすでに売り切れていたのですが、灯台下暗し。
紀伊国屋にあったとは!

早速、イソイソとめくってみると、おおっ~!これはスゴイ!
幕末(田代・信甫)から始まって、香蘭社の設立、各国の万博への出品作品など
明治・有田の魅力を余すところなく伝えています。
しかも、香蘭社の作品だけでなく、図案帳まで載っています。
おいしすぎます。

demi dragon 7

中には、このカップとモチーフなど非常によく似た
花瓶が載っていました。フィラデルフィア万博出品の一部でしょうか。

demi dragon 8

花瓶は無理ですが、デミタスはなんとか手に入りました。
o(^▽^)o 素敵だ!

余談ですが、この中に掲載されているもの、家にも
結構ありました。

明治・有田の魅力は、時代が新しいので手に入りやすいことです。
骨董的な価値は(まだ)それほど高くありませんが、その質の高さを
考えると、やはり収集するのは賢い選択のように思えます。

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せっかくなので、コーヒーを淹れてみました。

demi dragon 11

おともには、小浜名物・クルス。
皿は、深川製磁のチョコレート・トレイ。
長男が生まれた年のお正月に、
記念に本店で購入。

正直、クルスはあまり好きではないのですが、今回は
お土産用の缶についつい魅力を感じて、購入しました。

demi dragon 12

これが缶。
長崎名物、チンチン電車の形です。
長崎は地形のせいか路地が多く、野良猫があちこちにいます。
蓋には、長崎の観光名所がのっていて、キュートでありまする。

demi dragon 13

カズオ・イシグロのいうところの、A Pale View of Hills は、思い出の中でも
実際に訪れても美しいのです。

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Category: オールド香蘭社

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